バックナンバー(1997.12)
(1997.12.1掲載)
ここで終わっちゃうのが惜しいなぁ(苦笑)
1997年のシーズンは日曜日をもって終わりましたぁ〜(苦笑) 残念ですけど、日本シリーズは出られませんでした。
最終日がんばったけど、もう1つ届かなかったねぇ。もう1つっていうか、スコア的にはもう2つも3つも4つもなんだけど、ゴルフはほんとよくなってきてるんだ。ここで終わっちゃうのが惜しいなぁ(苦笑)
でもこれから秋季キャンプをやって、1月2月のキャンプをやって、もう今年は鬼のトレーニングをしてね、うん、来年は鬼になって復活ってやつだね。
これまでだと一度だけ日本シリーズに届かなかった年があったんだけど、その時は今の出場資格とちょっと違って、もうちょっと厳しい時だったけど1回だけあるね。でもまあもうほとんど記憶にないぐらいだから随分昔だよね。もう十何年も前の話だから。
まあ今年の場合は、ショックというか、これを励みにして、もう起爆剤にしてね、がんばるしかないと思ってます。
そういえばゴルフ雑誌から取材をっていう話がいくつかあったんだけど、自分はもうゴルフ雑誌で言葉をしゃべるのはやだって言ったんだ。そしたら「いや中島ファンがいるじゃないですか。中島ファンが、中島はどうしてるんだろうって心配してるじゃないですか」って言うから、いや自分はそういう心配に対して言葉で、中島はこれからこういうふうにやりますよ、こうがんばりますよ、こういうふうなことでがんばりますよ、っていうふうに言うことが自分の言葉じゃないと思うんだよね、って僕は言ったのね。
それじゃ何が言葉かって言えば、そういうファンの人達が見てる中で、ナイスショットを打つことであり、ナイスパットを決めることであり、トラブルを脱出することであり、チャンスを物にすることであると。それが自分の言葉に代わっていく、代わる物だっていうふうに言って、取材断ったんだ。
もういいでしょ、言葉なんてのはね。100の言葉を並べるより、中島のロングパット1発見ればいいよね。そのほうが説得力があるもんね。
(1997.12.2掲載)
池の水と天然の雨
カシオは途中までしか見てなかったんだ。飛行機に乗る時間があったからね。なんかジャンボがボギーボギーボギーで崩れたらしいね。途中まで見た感じではこれいったかなぁっていう感じだったけどね。でもまさか18番でボギーを打つとは思わなかったね。得意の18番だし。
でも日下部がよくくらいついてたね。日下部の粘りはすごかった。彼の性格っていうのはね、ほんとに勝負師向きなところがあって、なんていうか物怖じしないっていうか、いい性格してる。そうだねぇ、プロゴルファー向きの性格と言えるね。
今年はグリーンがやらかすぎて、状態はあまりよくなかったね。でもう1つ、指宿のゴルフ場はフェアウェイからすべてが野芝なんだ。フェアウェイからすべてが野芝でできてるから、けっこうフライヤーっていう物を計算しないと怖いっていうところがある。
まして開聞岳の山麓にあって、風がもうひっきりなしに回るんだ。さっきまでフォローだと思ったら、急にアゲンストになったりねぇ。もうほんとにそれがすごいんだ。
ゴルフ場の関係者に聞いたんだけど、今年の夏は、なんか雨が少なかったらしいんだ。で水を撒いて撒いて、随分コンディショニングの調整は苦しんだらしいんだ。ただ今年の夏場って台風いっぱい来て、雨多くなかったっけ? 雨が少ないって聞いた時に、あれぇ九州雨多くなかったかなぁって思ったんだけど。
ただおもしろいもんでね、池の水をいくら撒くっていっても、やっぱり天然の雨とは違うんだよね。やはりその新鮮さが違うっていうか、やっぱり雨はほんとにフレッシュだから、フレッシュっていうか、最近は酸性雨だとかいろいろ言われてるけど、やっぱり雨って基本的にきれいじゃない。
でも池っていうのは溜まってる水だから、どうしてもやっぱりバクテリアとか、いいバクテリアだけじゃなくて芝に悪いのもいるからね。自分達でも水飲むんだったら、小川の湧き水を飲みたいけど、決して池の水は飲みたくないよね。
それと同じで、やっぱりそういうことがグリーンとかそういうデリケートなところに影響してくるのかも知れないね。
(1997.12.3掲載)
円の弱体化
また少しフェニックスの話なんだけど、トーナメント自体はほんとよくなってるんだ。だからあとほんとメジャーチャンピオンクラスの選手がね、5人来てくれるとすごいんだけどね。
でもフェニックス自体の優勝賞金まあ3600万円だよね、賞金総額2億円として。2億円の18%で3600万円。
でフェニックスの場合、出場選手にギャランティしないっていうのが方針なんだ。で、これは関係者に聞いたんだけど、アメリカのツアーチャンピオンシップの終わった後に、出てもらえないかというふうにメジャークラスの選手に言うと、途方もない額を言ってくるんだって。
それこそ出場ギャランティが何千万、何千万っていうか優勝賞金よりも上のギャランティの額を言ってくるらしいんだ。例えばそれが仮にね、優勝賞金と同額の3600万とするよね、それを4人呼んだとしたら、1億5000万にもう手が届くわけだよね。
そんな経済力っていうのは今の日本にないね。そういう力はないし、もう1つの問題点っていうのはやはりこないだ言ったように円の力が弱くなったということ。
3600万円もそれが1ドル90円を割ろうとしてる時の3600万円と、1ドル130円に手が届こうとしてる3600万円では、ドル立てで考えると、ぜんぜん違うわけだよね。かたや40万ドルの優勝賞金になるのと、30万ドルになってしまうという感じだからね。要するに10万ドルも変わってしまうような感じで円が弱くなってるから、やっぱり来る選手っていうのは一流のメジャークラスっていう選手は来ないんだろうね。
(1997.12.4掲載)
技術と肉体
今年の試合はカシオで終わっちゃったんだけど、まだ今年を振り返らないよ。秋季キャンプが残ってるからね。
今年のオフは、ほんと鬼のキャンプをしようと思ってるんだ。今年の年末は1週間体のケアをして、それからトレーニングに入って、お正月早々からまた体のケアをして、それから1月10日ぐらいから合宿に入って、2月14日付近までは、トレーニングやってようかなって思ってるんだけどね。1カ月間という感じだね。
腰のほうは、治療に行ったり、腰痛には少し走るといいっていうんで走る時間をちょっと長くしてるんだ。まあ、自分でやれることをやって人にやってもらえることをやって、ってやってるところだね。まあだんだんだんだん良くなってる。
ゴルフもほんとにすごくいい物がたくさん顔を出すようになってたんだよね。ただし、前の悪かったのも顔を出しちゃうんだ。そこがうまくこう消えてくると、もっともっといいんだけどね。
例えば具体的にどこがよくなったかっていうと、ボール1球1球に対しての集中力っていうのが高くなってきたっていうことと、プレーの中身で言えば、ロングパットが随分入るようになってきてたこと、それからショートパットがはずれなくなったことだね。要するに手のふるえなんかがなくなってきたということとそのロングパットっていうのはつながってる部分があるね。
もう1つ言えば、アイアンが比較的大きなミスがなくなってきてたっていうか、アイアンの正確性が上がってきてたっていうことだね。
それから悪い点で言うと、まだ自分で悪いイメージのホールを払拭しきれないっていうか、拭いきれないっていうかね。だから1ホールで苦手なホールを作ってしまったり、あるいは4ホールで10オーバー打ってしまうとか。そういうところがまだ残ってたかな。
これは心理的な物じゃなくて、やっぱり技術だと思うんだ。イップスが直ったのもやっぱり心理的な物じゃなくて、技術だったしね。
まあ右足も春先によく言ってたことだけど、右膝の動きっていうのもやはり技術的な問題だったわけだし、結局最終的に技術っていうものが上がってくると、心理的な物に一時影響を与えるっていうこともあるよね。
それからもう1つはやはりその入れ物である体。体があって初めてそのやろうとしてることができるようになってくる。要するに両方があって初めて、その思ってることを心理的にしやすくなってくると。いくら思ってることがよくても、体と技術が悪ければ、それができないわけだね。
(1997.12.5掲載)
今度改めて聞いとこ
日本シリーズが始まって深堀が初日トップらしいね。深堀はカシオの時もいいスイングしてたもんね。けっこう振りがしっかりしてきて、ぐらつかなくなってきた。前はちょっとぐらつく感じがあったけど、今はぐらつかないで振ってるからいいと思うね。
ジャンボが欠場というのは、まあ丸山に逆転されないとふんだんでしょう、もう。2週連続優勝できるもんならしてごらんなさいと。
僕のほうはというと、秋季キャンプやってます。今日4日目で、けっこういい張りかな、体の張りもいいね。1回秋季キャンプやっといて、それから1度休みをとって、で来年まあ本格的始動は10日ぐらいからだね。それ以前に軽く準備運動というか、走り込みを軽くやるけどね。
さて、12月1日にVIGの全国視覚障害者ゴルフ大会に顔出しました。どうしようかなぁと思ったんだけど、体もちょっときつかったんだけど、まあ伊藤さんも楽しみにしてるだろうと思ってね。
ちょうどその日の午後に入ってた予定が急に次の日になったんで、じゃあ時間もできたから行ってこようと思って。まあほんと伊藤さんも喜んでくれて、よかったよかったって感じ。
でも残念ながらラウンドに間に合わなかったんだよね。3時ちょっと前についたから、ちょうどパーティの直前ぐらいだったかな。
ボランティアの人もけっこう来てたよ。若い子も来てたし・・・そういえば名前がはっきりわからないんだけど、たぶん女子プロの方だと思うんだけど、お手伝いしてた人もいたね。
女子プロの人だったと思うんだけどねぇ、あまり確かじゃないんだ。よく顔は見る人だし、何回も会った人なんだけど・・・でもこれって失礼な話だよねぇ(苦笑)
何回も会って、よく顔を見てるんだけど、名前を知らないってとんでもない話だよね。今度改めて聞いとこ(苦笑) でも改めて聞くって聞きづらいんだよね。
(1997.12.6掲載)
カシオのジャンボ
そういえばカシオの時のビデオを見たんだけどね、ジャンボの16番17番18番についてちょっと話をしてみようと思う。
その3つのホールの中で17番っていうのは、僕はミスショットじゃないと思うんだ。ティーショットで6番アイアンでいい球打てばピンに寄るだろうという感じだったんじゃないかな。
あのホールのグリーンであのピンの位置だと、ピン奧にいくとバーディはなかなかないんで、6番でしっかりいけばピン奧はないと、で池も越えるだろうという、そういう読みがあったんだろうね。
要するにピンの右、1ピン半ぐらい内ぐらいからドロー打って、しっかり打ってけばベストだろうとふんで打ったけど、球自体はそれほど伸びなかったというとこだね。
だからあれは距離のジャッジミスというか、クラブ選択のミスだったのかなぁと思うんだ。ただし、5番じゃでかいね。5番じゃ大きい。ちょうど中間のクラブだったから難しいホールだったね、距離とかね。
前のホールがもしパーでいってれば、5番で安全に乗っけてたと思うんだよ。でも前のホールで思わぬ、ひどいボギー打っちゃったから、どうしても17番取りにいって、でまあ18番バーディ取って勝ちという感じでふんでたんだろうね。
だけど、16番のセカンドがねぇ、ちょっと信じられなかったね、あの大ダフりはね。まあ逆目のライっていったって、僕らプロだったら、日常茶飯事であるわけじゃない。
フェアウェイの逆目のライだろうが、多少ライが悪かろうが、ディボットだろうが、そういうライはあるわけだから、その中でああいうミスショットっていうのは考えられなかったけどね。
(1997.12.7掲載)
カシオのジャンボ(2)
昨日の話の続きなんだけど、あの16番のセカンドショットっていうのは、ただなんとなくだけど、前のホール15番のファーストパットの時に、奧から5メートルぐらいのバーディパットがあったじゃない。
あれがものすごくこう普段のストロークじゃないっていうか、なんか、えぇどうしたの?って感じのファーストパットしちゃったよね。セカンドパットうまく入れたけど。あの気持ち悪さっていうのがセカンドで残ってたんじゃないかなっていう気がするんだね。
やっぱりゲームでいちばん何が怖いかっていうのはパッティングが崩れてきた時がいちばん怖くて、スコアを作れるっていう気にならなくなっちゃうんだ。
だからどうしてもそのセカンドショットっていうのをいいところにいいライで、できるだけ近くにっていうふうな感じで、セカンドショット自体にプレッシャーがかかってくるというのかな。パッティングが入ってこなくなった時ね。
だから虎の子の13番のバーディがあって、14番はチャンスについたけど入らなくて、で15番も変なパットしちゃった。それが思わぬこう、本人の中側に立たなくていい波紋を立ててしまったっていうかな。それがあったんじゃないかな。
ジャンボのクラブはもう46インチだって言うから、前よりもフェアウェイを捉える確率っていうのはちょっと少なくなったね。だから16番のティーショットもスプーンでティーショットしてるんだけど、まあフェアウェイうまく捉えたと。
あのスプーンが12.5度。昔のクラブで言うとほとんどブラッシーに近い、フェイスの厚さもディープで、大きいヘッドだから、16番みたいなホールではうまく使えたんだろうけど、18番は今年右側に、まあ去年僕は知らないんだけど、右側に木が何本か植わってたよね。セカンドショットのところで。だからどうしてもティーショットが前よりも広くない、せばめてあると。
で、3日目やっぱり左落っことしてるし、自分の中では打ちにくいホールになってしまってたのかも知れないね。まあ18番のティーショットっていうのは16、17番のあのショットしていっちゃうと、なかなか真ん中にとんと打っとくわけにはいかないだろうしね。
しかもやっぱり日下部とかね、宮瀬君もしっかり真ん中に打ってたからよけいああいう結果になっちゃったんじゃないかなぁ。
(1997.12.8掲載)
ゴルフ場はOK
そうそう、友の会コンペね、ゴルフ場のほうは話しときました。2月7日OKで、プレー費が2万円です。いちおうプレー費は2万円ということで、手を打ちましたから。
あとはパーティ費用がどのぐらいかかるかの捻出だね。別枠で2000円とか、2000円で足らないんだったら3000円にするとかだね。
食事とかは、まあもう少し煮詰めようとは思うんだけど、いちおうプレーフィとキャディさん込みの諸経費を2万円で、プラス食べた物は各自が上にプラスしてくか、それとも例えばカレーライスとか、あるいは何々定食を込みで2000円にするのか、それはもう少し話を煮詰めておくね。
後は賞品代。でも賞品はそんなにたくさんなくてもいいわけでしょ。優勝、2位、3位それから飛び賞・・・当日賞にしようか。それからブービー賞と、ニアピン・ドラコンがアウトイン、団体優勝のチーム。なんだかんだで10品。
あとベスグロも用意するわ、こっちで。ベスグロはもちろん僕を除いたベスグロね。優勝カップとベスグロ、この2つは僕のほうで用意するから。
ショートホールで僕よりも近かった人っていうのもいいかも知れないね。スコア的に可能性があるホールでもいいんだね。まあ、賞品はもう少し考えましょう。
(1997.12.9掲載)
同じティがいいね
友の会コンペのプレーはワンウェイだね。僕がずれていかなきゃいけないし。で、もちろん同じティから。そりゃあ違うティじゃおもしろくないでしょ。プロのすごさを実際知らなきゃね(笑) そもそもバックティなんて僕らいつでも試合でやれるんだしね。
目的は親睦を深めることだし、そのほうが話をする時間とかも多いしね。スコアどうのこうのじゃなくて、一緒に回って一緒のとこから回って、あぁプロは飛ぶんだなぁ、プロうまいんだなぁ、あるいはプロでもこんな失敗するんだって、そういうことを同じティから打てば、味わえるでしょ。
また例えば、ショートホールで同じティから、一緒の組の人が同じところから打って勝つかも知れないよね。そしたら同じところから打ってプロに勝ったぞというふうな喜びを持てる。でも、僕はバックティから打ってボギー打って、自分前から打ってパー取ったって、なんか喜び半分だよね。だからそういうことも考えると同じティがいい。
もしなんだったら、コンペにうちの研修生とかプロとか入れてもいいね。一般の人を呼ぶんじゃなくて、6組だったら6組で始めて、そこに研修生とかプロとかをまぜていって、それで僕がずれていく。6組でやって、6人そこに入れればいいわけだよね。
そしたら僕がいない時でも研修生とかがいれば、研修生だからゴルフの参考になるかどうかはわからないけど、まあ彼らもラウンドできたほうが勉強にもなるし。まあ別に研修生が入れようが入れまいがどっちでもいいよ。いまの予定では2人ぐらい連れていこうとは思ってるんだけどね。
あと問題は速度だよね。レッスンをするからね。やっぱりどうせやるんだったら、ただ回るだけじゃないよ。あなたはここを直したほうがいいですよとか、あなたはここをやったほうがいいですよとか言うから、ちょっと遅れるんじゃないかと思うんだよね。だから、プレーの速度には気を付けるっていうことを、参加者は頭に入れておいてもらいたいね。
(1997.12.10掲載)
子供と大人のゴルフの始め方
メールで40歳頃に体力的な転換があるかっていう質問がきてたね。その答になるかどうかわからないけど、こないだちょっと感じたことを書くね。
カシオではセベと初日2日一緒に回って、セベを見てて、自分の悩みっていう物を、なんていうかセベを通して見ることができたっていうところがあった。どういうことかっていうと、これはまあちょっと難しい話なんだけど、ジャンボには体験できない話、体験できないことなんだ。
ジャンボっていうのは、体が、肉体的な年齢が大人になってからゴルフを始めたよね。ところがセベとか、倉本とか、僕とかっていうのは、大人になる前の体で、要するに子供の体でゴルフを始めたわけだね。
例えば小学校1年とか2年の子にクラブを持たせて練習場に連れてったとして、ボールを打たせるとするよね。グリップがこうでスタンスがこうだよとか、ボールはだいたいこのへんだよとか教えて打たせると。で、打ってボールに親しんでく。
そうするとそのうち、ボールをどうやったら曲げることができるか、あるいは高い球、低い球をってことを、自然に、基本的に自然に体得していってしまうと思うんだ。
ところがある程度年齢が高いところから始めると、まずグリップがこうで、スタンスがこうで、ボールの位置がこうでと、まあここまでは一緒なんだけど、スライスを打つにはスタンスをやや多くして、肩開いて、でテイクバックはアウトサイドから斜めにアウトサイドインにスイングしてく、とか、ドローは反対にクローズにしてとか、そういうふうに言葉がもっと複雑になってくるよね。その言葉を感覚に置き換えようとするわけだね。だから要するに理論・理屈というところから入ってく感じだね。でも子供達っていうのは、まず感覚で入ってくというところがあるよね。
ちょっと長くなるので何日かに分けるね(苦笑)
(1997.12.11掲載)
感覚と肉体のピーク
昨日子供達は感覚から入るって書いたんだけど、でも肉体的には中学校に入るぐらいから老化っていう物が始まってくるんだよ。
その1つの証拠として、まあ初恋とかあるよね。女の人を好きになる。あるいは女の人が男の人を好きになる。そういう異性を好きになるっていうことは、肉体的には完成されて、あるいは肉体的には子孫を残せる準備ができるわけだよね。子孫を残せる準備というのは、言い換えれば肉体の老化が始まるということなんだよね。
だから、仮にそれが13歳で来たとすると、13歳で要するにピークがあって、そこからは老化が始まっていきますよと。すると、23、33、43と、要するに肉体的な成長から今度は老化っていう方向に向ってくと。それが30年前にスタートしてるわけだよね。
筋肉的なもんじゃないよ。筋肉的な問題じゃなくて中側の問題だね。13歳から筋肉的な物はまだ成長していく。で自分の体が形成されていって、経験を積んで、要するに心技体というものが立ち上がっていくわけだけど、そのピークっていうのは、20代後半から30代前半までがいちばん脂ののりきったというところではあるよね。
だから若い感覚も残っていながら、肉体的にはより充実したところでゴルフができるっていうのは27、28歳。でも結局、その感覚をいつまでも保つことはできないわけだよね。いくら自分が28歳がよかったからって言ったって、誰だって28歳にはとどまれないわけじゃない。
誰だって年を取っていって、そして最終的に寿命というものを全うして死んでいくわけだ。だからその時に、自分があの時がよかったあの時がよかったっていうふうに思っても、あのタッチでうまく打てたのにっていうふうに思っても、もうそれは無理だっていうことを知らないといけないよね。
(1997.12.12掲載)
本人の顔は満足してる。でも……
話をカシオに戻すけど、セベのゴルフを2日間見てて、まあそれにいちばん気がついたっていうのは、大きなショットではそんなことはどうでもいいんだ。大きなショットでは、はっきりいって随分欠点があったから、まあこういう感じだろうなって思ったけど、問題は30ヤード以内のアプローチとかパットのことなんだ。
30ヤード以内のアプローチとかパットっていうのは、基本的には筋肉的な物っていうのは、そんなに重要ではないよね。むしろタッチ、フィーリングっていう世界になってくる。
僕はセベとは、セベの全盛期の頃からほんとによーく一緒に回ってたから、最初のフェニックスで日本に来た頃から、まあセベがまだ20歳の頃から一緒に回ったり、一緒の試合を何回もやったりして、見てるからわかるんだけど、昔とまったく同じに打ってるんだね。まったく同じアプローチをして、結果が違うと。
あぁ、今セベうまく打ったなぁ、あの時のあの頃のセベと同じアプローチをしてるなぁ、でも結果がぜんぜん悪い方向にいってる。あぁ、これはセベ信じられないだろうなぁ。打って、ボールがフェイスに乗って、ぽんと出てく。
でプロっていうのはそれを見てて、瞬間的にこのショットのスイングでこのボールの出だしで、このボールの速度で、このグリーンの硬さでいけば、このぐらいに寄ってくはずだろうなっていうのを瞬時にだいたいイメージできちゃうよね。打った瞬間にこれは寄るか寄らないかっていうのを。
で打ったのを見て、全盛期のセベと一緒、アプローチの感じ一緒、出だしも一緒、スピードもそう、で顔を見ると満足してる。打った本人の顔は満足してる。ところがボールは寄らない。あぁ、これはつらいだろうなって思うんだね。要するにナイスショットして寄らないんだから。
要するにセベの中にあるフィーリング、感性という物が、後ろ向きなんだろうなっていうふうに思ったね。後ろ向きっていうのはどういうことかっていうと、自分のその当時のフィーリングとアプローチをしていって寄らないはずがないじゃないか、なぜ寄らないんだと。そこにジレンマがすごくあるわけだ。
恐らくマッシーもそうだと思う。倉本選手もそれに近い物があると思う。自分でこの感じで打ってたら絶対行ってるはずなのに、あるいは絶対にこれで打てばこうなってるはずなのにというふうに思っても結果が一致しない。言い換えれば、人類ではないけれど、進化しなければ滅びちゃうんだよ。
だからセベのアプローチを見た時に、あぁセベいつまでも後ろ向いてても、要するに過去を見てても、もうそのフィーリングっていうのは、40いくつにもなれば、少なくとも同じ感性で打ってても、その感覚的な衰退、要するに感覚的な老化があるわけだから、合わないわけだよね。
だからよりもっと技術的な物を、要するに大人がゴルフを始める時のように、グリップをこう、スタンスをこう、ボールの位置はこう、スイングとしてはこうなんだという形で、要するに、よりもっと確立された言葉の中での理論を感性に変えていかなければいけないわけだね。
(1997.12.13掲載)
防ぎようのない問題
ちょっとセベから離れるんだけど、人間のちょうど喉の下、胸の上のほうに胸腺っていうのがあるんだ。この胸腺っていうのは人間の体の中ではすごく大切な物で、人間の防衛庁というか、アメリカで言えばペンタゴンみたいなもんなんだ。
この胸腺は、外敵から身を守ったり、自分が自分であるということを認識する物なんだけど、それっていうのは12、3歳でほとんど完成されてしまって、後は衰退していくんだよね。で40歳ぐらいになった時に、おおよそ、その全体の半分以上はもう死んでしまうというか、基本的にもう死んでしまうんだよね。
そうなってくると、そこから出てくるその役割を果たさなければいけない物が、自分自身を攻撃してしまうという、要するに中でクーデターを起こすようなやつが出てくるんだ。
だからどうしても人間の肉体っていうのは老化をしなければいけないし、いけないって言ったらちょっとわかりにくいかも知れないけど、もし不老不死の薬があるとしたら、それは恐ろしいことだと思うよ。
川を遡っていく鮭が、産卵をするために上っていく鮭が産卵をして、そして死んで、その体が小魚の餌になって、そしてその自分達の子孫がその小魚をまた餌として生き残っていく。自分達の死というのが、子供達のために、その子孫のために、その死は有意義な意味を持ってるわけだよね。
だから400歳も500歳も600歳もなった人間が死なないで生きてるというのは恐ろしいよね。人間だってその大自然の中の一環なんだから、やはり老化して、死んでいくっていうのは仕方がないことだよね。
だから、感覚的な、あるいは感性の老化というのは、もうこれは防ぎようのない問題だと。防ぎようのない問題なんだから、その時に、あの時はよかったあの時はよかったって後ろを見ててもダメだっていうこと。
新しい物を作りなさい、新しい物を作るというのは要するに、人間がいままで進化してきたように、生命が進化してきたように、やはりそこで進化という物を辿らなければ、滅びるしかないんだよね。
(1997.12.14掲載)
転換を迎える必要性
ちょっと難しい話になっちゃったけど、まあセベを見てて、そのアプローチ、そのタッチでわかるように、それはあの時とまったく同じだよセベ、でもその感性っていうのが、例えば1ミリ狂ってても、あるいは100分の1度狂ってても、もう同じではもうないんだよ、と。
例えば日本刀の刃の上に、大豆を1つぱっと置けた物が、もうどうやっても置けないんだよね。それを体験できるのは10代から20代の前半からゴルフを始めたジュニアゴルファーでないと、40歳になった時にその感覚のずれっていうのを感じられないね。
逆に言えばそれが1つには天才と言われた人間の華でもあるよね。天才っていうふうに言われた、あるいは天才少年とか、まあ20歳そこそこで活躍すれば天才的な物だよ。でもその華っていうのはやはり枯れる。
逆に言えばその時にゴルフに携わってなくて、理屈からゴルフに入ってきたとしても、40歳でまた花を咲かすことができるプレーヤーになる。言い換えればジャンボみたいに100勝のうちの半分を40歳から作ってきた選手みたいな物にもなれるわけだ。
だから大事なことっていうのは、やはりジュニアからやってきた人間っていうのは、そこで1つの転換を迎える必要性があるというのかな。
僕もアメリカから帰ってきた時に、肉体的な故障もあったけど、やはり向こうの選手のドライバーのうまさ、アイアンのうまさ、特にアイアンの距離感の素晴らしさっていうのがどっからきてるのかを考えた。
1つ技術的な違いっていうのを見たのは、日本選手っていうのは非常に左手っていうのをウィークに持ってるけど、アメリカの選手っていうのはほとんどの選手がストロングに持ってる。なぜここが違うんだろうっていうふうに考えたことが、その転換のきっかけにもなったことはなった。
そのスイングプレーンがそのストロングにすることによって変わってくるのか、いろんなことを考えたけど、でも結局その左手のストロングだけを見ると、言い換えれば“木を見て森を見ず”っていう結論になるんだよね。
要するにストロンググリップを見て、それがすべてと思ってしまったら、森の中の木を見てるだけで、森全体が見れないっていうことになるよね。じゃあその森はなんなんだっていうのは、これは一つ一つ自分が答を出していく中で、自然にわかってくるかも知れないなぁと。
まあ長くなったけど、いままで書いたようなことがわかったのがカシオの最終日だったんだよ(苦笑) まったく悔しいったらありゃしない。
だからこれで、充実したトレーニングをして、来年には開花させたいね。
(1997.12.15掲載)
他の若手より頭2つ抜けた
しかしおもいがけず日本シリーズで丸ちゃんが優勝したから、賞金王争いっていうのがちょっとおもしろくなったね。
ほんとがんばってるっていう気持ちだけでもね、最後の試合までその楽しみがあっただけでも、よかったねという感じだね。
来年はこれでもうマスターズに行けるだろうし、そういう点でほんとマスターズ行ってまた彼自身の収穫っていうのかな、ゴルファーとしての収穫があると思うんだけどね。
全米オープン出場もひょっとしたら可能性がなくはないね。やっぱり全英オープンで活躍したし、全米プロでも前半少し名前を売ったから、また今年ジャンボがあっけなく予選落っこちてるしね、そういう点では意外と丸山未知数だから呼んでみようかっていう可能性はなくはないと思う。
来年のプレジデントカップも丸でいいんじゃないかな。まあジャンボはたぶん行かないと思う。やっぱりクラウンズのね、ノーマンとの問題もあったし、やはり呼びにくい行きにくいっていうところもあるんじゃないかな。何回も書いてるけど、だからああいうクレームの付け方しちゃいけないんだね。ああいうクレームっていうか、ああいう問題提起をしちゃいけないんだね。
だからペナルティだったらペナルティだっていうふうに自信を持って、自信を持ってって言ったらおかしいけど、言うべきアピールはクレームとしてはっきり出さなきゃいけないっていうことだね。まあそれを三者三様で悪い処理の仕方をしちゃったというか、まあいまさら言ってもしょうがないんだけどね。
まあ丸山がいいんじゃないかなっていう気もするけどね、プレジデントカップ。プレジデントカップ出場者は再来年のワールドツアーに出場できるわけだけど、丸がそういうところで選ばれて、出て、誰も問題と思う人はいないでしょ。
完全に今、他の若手よりは頭2つ抜けたからね。そういう点では自他共にいいんじゃないかなっていう気がするけどね。
(1997.12.16掲載)
トミーカップは今野康晴君が優勝
先週号のゴルフダイジェストにVIGの大会の記事が出てて、僕の写真が大きく載ってたんだけど、あんな感じで取材が来てるとは思わなかったんだけど、やっぱり来てたみたいだねぇ。ああいうふうに扱われると思って行ったわけじゃないんだけどねぇ。
さて、先週火曜日には、無事にトミーカップも終わりました。なかなか天気もがんばってくれて曇りぐらいで済んで、まあよかったです。
今回は122名かな。プロが3分の1、研修生が3分の1、アマチュアが3分の1っていう感じで。アマチュアは予選会で通ってくる人と推薦の両方で、だいたい全体の半分ぐらいが予選会から上がってきて、半分ぐらいが推薦っていうか、そんな感じになるね。いずれは3分の2ぐらいを予選会から出そうかなと思ってるんだ。予選会っていうのは、もちろん予選を開いて、出た人が勝ち取る枠ね。
今回は今野康晴君っていう、そこそこ売り出してきてる彼が優勝しました。プレーオフで優勝したんだけど、2位はプレーオフで負けてしまった足立智明君っていう人で、これもまだ若手で、26歳ぐらいかなぁ。
なかなかおもしろかったよ。二人ともスコアは68かな。いちおう僕はオブザーバーっていう形でラウンドして67で回った。オブザーバーだから賞品も賞金も何もなし(苦笑)
清水さんに取材においでって言ってたんだけど、けっこうね、取材に来てたらおもしろかったかも知れない。福島中央テレビだったかな、福島県のテレビニュースには出たみたいだけどね。あと、ゴルフネットワークのほうが文字放送かな、出たらしい。来年は取材に来たいっていうようなことを言ってた。
来年は随分多くなる予定で、トミーカップを含めて7試合。トミーチャレンジが6試合、トミーカップが1試合。それからその1つ下のミニツアーよりもうちょっとちっちゃいやつなんだけど、それを5試合ぐらいだから、全部で12試合。
けっこう多くなるねぇ。これはもう立派なツアーだね(笑)
(1997.12.17掲載)
ツアーとして自立
トミーチャレンジはスポンサーっていうか、最初は金銭的なことも全部うちで出すお金とエントリーフィでやってたんだ。
だけどまあ、やっぱり赤字っていうのはよくないんで、ちゃんとツアーとして独立できるように、今スタッフ全員で力を合わせていろいろやってます。だいたいちょうど収支決算がとんとんぐらい、プラマイ0ぐらいかな、今の感じで。
スポンサー枠と、まあ援助っていうか、スポンサーになってくれる人が随分いて、まあその人達のメリットもあるんだけど、大きなところで10万円20万円っていう形で、これが3社ぐらいあって、後は2万円とかそういう小さな額でスポンサーになってくれたりとか、要するに一口会員みたいな感じだね。
この一口スポンサーみたいな感じで出してくれてっていうのが、まあ30社あるのかなぁ、20社ぐらいかなぁ。だいぶ自立できるようになってきたっていう感じだねぇ。トミーチャレンジ自体がね。
前はトミーカップで勝つとJCB仙台に出れたりしてたんだけど、もう今はそういう物じゃないんだ。要するにこれに勝って褒美で出れるっていうことじゃなくて、これをステップにして上に行ってもらおうということなんだね。だからツアーとして成り立たせて、ここで力をつけて、上にチャレンジしていってくれっていう方向だね。
(1997.12.18掲載)
登竜門
前はトミーカップ1つだけだったんだけど、今年はチャレンジを5試合、トミーカップ入れて6試合になった。で一昨日も書いたけど、来年はそれに1つ増えて、チャレンジが6試合の、トミーカップがあるから7試合になるわけだね。それにプラス小さな試合が5試合。
賞金は小さな試合が優勝がだいたい5万円から8万円ぐらいで、賞金総額が30万円から50万円ぐらいかな。でトミーチャレンジのほうがだいたい250万円ぐらいの賞金総額を予定としてやってて、トミーカップのほうが400万円の賞金総額っていう形でやってる。
でもまあ、なんだかんだいって経費だとか、いろんなもんが、まあ100万はかからないけど、やっぱり50、60万かかるからねぇ。通信したり、スコア送ったり、あるいは広告かたがたパンフレットを作ってあげたり。
それとかあるいは小さなスコアボードだとか、あるいは看板・・・玄関に飾るような看板1つでもないとね。それから食事を、今回はバーベキューなんか開いたんだけど、バーベキュー代だとか、お弁当代、あるいはまあなんだかんだでいろいろかかるんだよね。そういうお金がやっぱりバカにならないからねぇ。
そういう点も含めて、なんとか運営してくってのはたいへんだったけどね。ようやく慣れてきたっていう感じだね。
今年は僕も半分近く出たんだ。僕が出るか出ないかで、みんなの励みというか、集まり方も違ってくるというのかな。中島プロが出てるから、それだけでもはりあいが出てくるっていうような感じがあるのかも知れないね。ほんとにこれが1つの登竜門みたいになってくれるといいんだけどね。
(1997.12.19掲載)
ワインはいいよぉ〜
秋季キャンプは順調です。うん、順調。もうほんと来年の開幕に向けて、順調にこう走り込んで、体を作って、もう少ししたら水泳のトレーニングを取り入れてというところかな。
昔は水泳はよくないなんていう話があったけど、それは僕達が中学ぐらい時のトレーニングの話であって、いまはもうどんどん水泳してるね。
さて、こないだVIGの大会に顔出したわけだけど、実はその帰りに土浦に寄って、土浦に僕がワインを買うお店があるんだけど、そこでワインを14本買ってきたんだ。ボルドーワイン9本とブルゴーニュワイン5本。いやぁワインはねぇ・・・いいよぉ〜(笑)
今回買ってきたのも、けっこういいのもあるんだ。1978年のシャトームートンロートシルトとかね、90年のシャトームートンロートシルト、それから81年のマルゴー、それから81年のシャトーラフィッツ。
それからブルゴーニュではシャンベルタンのトラペってやつ。このシャンベルタンっていうのは、ナポレオンが好きだったらしいんだけどね。なかなかいいのがいっぱいあるよ。あとはシャトーオーブリオンの1970年。それからシャトームートンロートシルトの1970年。
これはシャガールの絵のラベルがついてるんだ。これがね、けっこう、見てるとおもしろいんだ。シャガールが生きてた頃はね、まあ絵をプリントしてラベルにしてたんだけど、亡くなられてからは違う物になったんだ。これがねぇ、そのワインを見てるのがまた楽しみなんだよね。
買ってきて瓶を拭いて、そしてまず立てて、だいたい1週間から2週間立てて、そのワインの中の澱を下におろすのね。それでそれからワイン専用の冷蔵庫にしまうんだけどね。でまたこれを開ける時がいいんだよねぇ。
でもこういうのお店で飲むと高いからね。聞いたんだよね1982年とか、すごくいいワインなんだけど、マルゴーの82年とかいったらいくらぐらいするんですか?って聞いたら、お店で飲んだら10万円ぐらい取られるねって。えぇぇ〜!?って感じだよね。
まあそれが5万円ぐらいで売ってるんだけど、でも82年のマルゴーは買わなかった、高すぎるよ。でもワインはおもしろいよ。
(1997.12.20掲載)
ツアー日程調整
前に出場資格の話をしたけど、ツアーの日程もね、いろいろ見直さないといけないよね。
僕も政策委員会に出てて、選手サイドも一生懸命やってるんだけど、まあ主催者もわかってるのかも知れないけど、日程調整ができなかったら、今の政策委員会っていうのはほんとに有名無実の政策委員会になってしまうわけだよね。
時期を動かせない、要するにスポンサーが、うちはこの時期をつかんでるんだから、この時期から動かさない、いやこの週から動かさない。そういうふうにみんなが凝り固まっちゃってると、例えばワールドツアーと重なったりとか、あるいは日本シリーズの後にまだツアーがあるような不自然さっていうのがずっと残り続けるわけだね。
だから大京さんにしてみれば大京さんで、うちがそのシード権を決める最後の試合なんだ、そこがみんなの注目を集めるからやってる価値があるんだと。
それはそれでいいと思うんだ。でも日本シリーズっていうのは、言い換えればシード権が決まっちゃった後にやってもいいわけだよね。そう考えると日本シリーズの前に来てもいいわけだ。そういうふうに考えられるよね。
日本シリーズの前にシード権を全部決めちゃって、さあ日本シリーズ出てください、そういうふうな方法を取ればいいんだけど、沖縄のお祭りに合わせるとか、あるいはそこに放送局の放送する枠を放送局自体が取ってるから動かせないとか、そんなややこしいことを言ってたら、いつまでたってもこう統制が取れないっていうか。
例えばね、日本オープンの後にある試合、あるいは前にある試合っていうのは、比較的なんていうか割を食うというか、あんまり良くないケースがあるよね。日本オープンの調整のために上位の選手が出ないとかね。
でも例えばその週で年やったら違うところに移れるとか、あるいは日本オープンの後に1週空けてそこに持ってこようとか、そういういろんな調整ができなきゃいけないと思うんだ。
(1997.12.21掲載)
極端に言えば嘘
昨日も書いたけど、やっぱり日程を調整できないツアー機構であったら、重箱の隅をつつきあってるだけでしかないなっていう気がするよね。で選手がいくら働きかけても変わらない。
そしてこないだまでね、もう随分何年もだけど、試合の賞金総額の10%を運営協力費として、スポンサーに出してるんだ。スポンサーというかそのツアーに、大会に出してるわけだ。
そうすると1億円の賞金総額であっても、実際は9000万円の賞金総額でしかないんだよね。ということは1億円の賞金出すよってうたっている大会っていうのは、まあ極端に言えば嘘になるよね。
でも他でお金を作れないから、選手の賞金から出してる。それまでは2%だったんだけど、主催者の経済力が、日本の経済自体が悪くなってるから、なんとかしてほしいっていう話になって、選手側が、まあ選手側がってことないんだけど、いろんな話し合いの中で、10%にしたんだ。
だけど、これをずっと続けていこうとする気配がなきにしもあらずで、そういう問題点もあったから、期限を決めて10%はもうなくすという話をしてる。このままだと選手サイドはいつまでたっても改善されないからね。
とりあえず暫定的な運営協力費を出す捻出する方法として、ほんとに暫定的に出したのに、永遠にそれをやられてくっていう気配があったから、それは何年まで、例えば1998年まであるいは1999年までで線を引いてください、それで出せないんだったら、賞金総額9000万の表示でやってください、それでも賞金総額1億円にこだわるんだったら、それは別に出してください、というような話し合いとかいろいろしてるんだ。
それにしてもやっぱり日程権を、いちばん大事なね、ツアーの日程権を動かせないっていうのはそれでさえもやはり重箱の隅をつついてるようなもんだと僕は思うんだけどね。
アメリカツアーなんか見てるといろいろ日程が動いたりするよね。アメリカはいい意味ではほんとそういうとこで決断力があるっていうか行動力があるっていうかね。その両方を持ってるよね。
(1997.12.22掲載)
年末年始の過ごし方
オン・ザ・グリーンの忘年会が27日ですか。うーんいいねぇ。でもこっちはゴルフやってるかも知れないねぇ、その頃も。子供達とね。意外と暮れになると、お父さんお父さんだからね。けっこうお父さんやるから。
自分自身が好きなんだよね、そういうのが。だから子供達がそう思わなくても、おいゴルフ行くかぁとかね。だいたい家族だけでのんびりする時間ってないでしょ。だからこんな時でもないと、っていう感じだね。
なんていうか東京に出るっていうのもあんまり好きでもないタイプだからね。もうなんかかこつけて行こう行こうっていう感じじゃないから、ゴルフ場だったら、また話は別なんだけどね。
意外と練正館とかね、こもっちゃうタイプなんだ。で気がつくとクラブ握ってるとか、運動靴履いて走ってるとかね(苦笑)
まあ僕が忘年会行ったら、またきっとみんなが盛り上がるのもいいけど、ゴルフの話の中心になっちゃって僕が疲れるかも知れないなぁ(苦笑)
年末年始は12月27、28日ぐらいに打ち納めになって、1月5日ぐらいから打ち初めぐらいかなぁ。
大掃除があるけど、練正館はみんなきれいにやってるからだいじょぶだね。練正館のメンバーも年末年始は帰る。1週間ぐらいかな。
うちの正月は誰か挨拶にくるとかそういう感じはなくて、家族でどっちかというと過ごすから、研修生も遠くから来てる子が多いし、だから帰ったら帰ったまんまで。
元旦に挨拶に来られてさ、おめでとうございますっていうのも悪くはないと思うんだけど、でもどちらかというと、それこそそういう時ぐらいは家族だけでのんびりとっていう気持ちがあるね。もうね、正月は電話も取らないんだ(笑)
(1997.12.23掲載)
ワインは赤
そういえばアフリカのワインを送っていただいたんだ。VISA太平洋のプロアマで一緒に回った方なんだけど、アフリカに商社の仕事で行ってたらしいのね。
南アフリカに随分長いこと行ってたらしいんで、去年僕はケープタウンに行ったんですよ、ワールドカップで、でワインおいしかったですよねぇって言ったら、そうなんですよ、南アフリカって知る人ぞ知るワインの名産地なんですよって言ってくれてね。
でわざわざ送ってくれたのね。送っていただいたワイン、もちろん南アフリカ産のワインで、赤だったんだけど、おいしかったよ。
オーストラリアのワインって有名だよね。でも南アフリカもオーストラリアに負けず劣らずいいね。ただ日本から遠いっていうか、あんまり国自体の文化交流がないじゃない。だから南アフリカのワインがおいしいって言っても、へぇって感じなんだけど、これがもっと近い国だったら、おいしいおいしいって、そりゃもうおいしいよっていうふうに、みんなの意識がそうなるんだろうけどね。
南アフリカのワインは、どっちかっていうと感じはフルボディっていう、要するに重ためというかね、ミディアムからフルボディっていう感じかなぁ。ライトな感じはちょっとしなかった。たまたま飲んだワインがそうだったからそう感じるのかも知れないけど、けっこうコクと香りがあるね。
ワインは赤のほうがやっぱりいいね。確かに、シャブリだとか、シーフード、牡蛎の刺身だとか、海老料理だとか、蟹料理だとかそういう時にはこう赤っていう感じじゃなくて白だけど、それ以外は意外と赤っていうのは、なんていうか味わえるっていうのかな、10本あったら10本とも味が違うぞっていう感じがあるんだよね。
(1997.12.24掲載)
マスタードトーナメント顛末
先週の火曜日、忘年ゴルフだったんだ。ロペでやりました。僕はジュンよりロペのほうが好きなんだ。
忘年ゴルフはプロが5人、研修生が6人、アマチュアが20人。全体で34、5名かな。前夜祭もあるんだよ。で、名前もちゃんと付いてる。名前はマスタードトーナメントって言うんだ。マスターズをもじって、マスタードトーナメント。
この忘年ゴルフは、トミーカップよりも歴史があって、もう10年続いてる。今年10回目の大会なんだけど、途中開催しなかった年もあるから、実質13年目ぐらいだね。
メンバーの中の誰かの親戚とかお父さんとかお母さんとかが亡くなって中止とか、そういうのはあったんだけど、まあ2回ぐらい中止になったのかなぁ。2回か3回ぐらい中止になったことはあるけど、基本的にはずっと続いてるってところだね。
で、そのロペの忘年会の時はいいスコア出たよ〜(笑) 8アンダー。ただね、サービスのロングホールが4つもあるからそこでほら全部バーディ取れるから。実質は4アンダーぐらいだけどね。
で・・・やってしまいました。風邪です。忘年ゴルフの2日後にやっちまいましたぁ。
そういえばなんかいま香港でなんかすごいインフルエンザが、鶏からどうのこうのってやつで・・・怖いねぇ。日本の厚生省でワクチンができるのが半年経たないとできないっていう話で。抵抗力が落ちてるとすぐかかるからねぇ。
みなさんも風邪引かないでね。僕のほうは、風邪のせいで寝たり起きたり寝たり起きたりで時差ボケになっちゃうよ、ほんとに(苦笑)
(1997.12.25掲載)
左右断崖絶壁
いやぁしかし伊丹十三さんが死んじゃったね。伊丹十三さんの死ってさ、えっ、あのぐらいのことで死んじゃうの?っていう、あのぐらいのことで自殺してたら、世の中もう自殺する人だらけになっちゃうじゃないって感じで、要するに言い換えればほんとの自殺の原因がわからない。
じゃあなんで自殺したんだろうっていうようなことから、まあその自殺っていうか、死あるいは人生についていろいろとうちの家内とね、まる2日間ぐらい話したんだ。風邪でちょうどいま休みだから、話をしたりしたんだ。
これみんなもそういう経験あると思うんだけど、中学とか小学校とかまあ高校でもそうだけど、自分が大人になった時の夢っていうのがあるよね。大人になったらこういうふうになっていたい、あるいは30代だったらこういたい、40代だったらこういたい、そういうようなイメージがあるじゃない。
だからそこに向っていくんだけど、いざそこにたどり着いた時にそれがまるで蜃気楼みたいで、現実にはそうなっていても、ふっと周りを見ると、非常になんか孤独な、しかも左右断崖絶壁のようなところにいるのが人生だよね。
あれ、たどり着いてみたけど、えっここはこんなところだったのか、こんなに不安なところだったのか。やっぱり振り返ると幻のように昔が見える。
いまに対しての不安もあるし。将来に対しての不安とか、これでいいのだろうかという気持ちもあるだろうしね。そんな時に谷底みちゃうと自殺するようになっちゃうんだろうね。
(1997.12.26掲載)
大きな力の中で生かされてる
僕は“死”というのは1点のゴールであり、スタートだと思うんだよね。要するに輪廻転生とかそういうんじゃなくて、生まれ変わりとかそういうことじゃなくて、要するに誰でも死の先っていうのはあると思うんだ。その死の先に向っていける人っていうのは、やっぱそこに光を見れるっていうのかな。
こないだ『知ってるつもり』で桝本うめ子さんのことをやってたんだけどね、山形のキリスト教独立学園とかいう全校生徒70名ぐらいのところの、現役の100歳の習字の先生だったんだけど、まあその人は自分で自分のことをけちババアっていうふうに言うのよ。
こんなけちババアを神様は生かしてくれてっていうことを言うんだけど、そういう人っていうのはやっぱり、年を取っても輝いてる人っていうのは、仮にこれが仏教徒であれ、キリスト教徒であれ、どんな人であれ、その本人、個人個人がやっぱり信仰心というのを持ってるよね。
だから年をとってもこう生かされてるっていうか、自分が生きるも死ぬも自分の思いじゃなくて、要するにそれはもっと大きな力の中で生かされて、で終わりましたよとか、はいご苦労様でしたっていうふうに言われるかも知れないし、そういうその生かされてるっていうありがたさを感じてる人っていうのかなぁ。
だから出てくる言葉っていうのがそこまでいった人っていうのはやっぱり感謝っていう言葉が多いんだけどね。
やっぱり早く死んでしまう人、自分で自分の命を断ってしまう人っていうのはやっぱりなんかこう信仰っていうか、なんかこう生かされてる、自分は生かされてるんだっていう喜びを感じられない人っていうのが多いような気がするね。
なんか悩みがたくさんあって、誰にも言えないような悩み、それが女房にも言えない、あるいは友達にも言えない、もうそういうふうに自分一人で悩みを背負って背負って、その悩みに、ある引き金がぽんと当たってぱーんとはじけるように、もう疲れたなぁというふうになっちゃう。
あるいは一足飛びにね、普通だったらあと10段も20段も30段も上がんなきゃあるいは降りなきゃ、要するに自然死っていうところまでいけない。だから一足飛びのそれを飛び越えてそこにいっちゃおうとかさ、そういうふうにする人っていうのが多いね。
(1997.12.27掲載)
自分は何をやったらいいんだろう
自分はどうなんだろうっていうふうに考えた時に、そのまだ生かされてるっていう実感、自分自身の心に響くような、あぁありがたいなぁうれしいなぁっていうそういう気持ちをまだ持てる人間になりきれてない。まあそういうものにめぐりあって、人生を送れたらなぁって思うね。
例えばこれが50歳、60歳になった時に、現役やれないわけだよね。それがいくら好きなゴルフだって言ったって、ゴルフはできるけど、競技はできないわけだよね。
そのまあシニアがあるとしても、シニアは今の自分の頭の中では考えられないんだけど、競技っていうものを、今のこのほんとにシビアな競技を体験できなくなってくる。そしたら自分は何やったらいいんだろうっていうイメージがわかないんだよね。
確かに後進の指導もあるかも知れない。あるいはなんかの形でゴルフ界に還元するかも知れない。自分の与えられた物を還元できたらいいなって思うかも知れないけど、やっぱりそれもこれもすべてがやっぱり、すべてっていうのかなぁ、やっぱりそれもこれも自分が、あぁゴルフ、っていうかこの世の中で生かされたっていう喜びを持ってそれができないと、無意味な教えになるんじゃないかな、あるいは意味の薄い還元になってしまうんじゃないかなっていうふうに思うんだ。
だって振り返って見ても、人に教えることができるっていう自信を持って言える人って少ないと思うよね。その桝本先生っていうのもほんとに自然に生きてるよ。子供に説教するわけでもない。
ただそこに普通に自分が生活してる、でも自分のことは、こんなけちババアが生かされてっていうけど、誰もその人をほんとにこの人けちババアだなぁっていう思う人なんてこれっぽっちもいないわけ。要するにこんなに素晴らしい人がそこにいてくれるだけでありがたい、っていうふうな気持ちを周りの人が持てるわけなんだよね。
(1997.12.28掲載)
よいお年を!!
桝本先生のように思われる方というのは、じゃあそれはどっから来るのかっていうと、やっぱり生かされてる、感謝、そしてその人間そのものの中から光ってくる尊さみたいな物っていうのかなぁ、そういうものに10代の子供達っていうのがもう素直に感銘を受けるっていうところがあるのかな。
でも、自分にはやっぱりそれがまだないね。だから自分がけちジジイっていうふうに言ったら、そりゃお前けちジジイだ、っていうふうに言われちゃうよね。笑われちゃうし(笑)
でも自分がほんとにその信仰にも似た、あるいはほんとにそれが信仰心だと思うんだけど、やっぱり生かされてるっていうありがたさを感じることができて、現役を終わった時にそれを持てていたら、なんていうかこう、それこそ楽しい第二の人生じゃないけど、次の第二のゴルフ人生を歩めるんじゃないかなって気がするんだけどね。
ただいかんせんやっぱり、まだまだ現役としてやり足りないところにたくさん自分で気が付くから、もうとにかく今を一生懸命やるってことがすべてになってくるのかも知れないね。きっとその延長線上にあるんだろうね。
やっぱり人間っていうのは成長していくわけだし、それこそまあ子供に教えることはなんにもないけど、一生懸命生きてる姿を見せるのがいちばんの教えかも知れないっていうふうに思ってるわけだけど、それにはやっぱり自分自身が育っていかないといけないよね。
さて、話は変わるけど、今年もあと数日となりました。来年のツアーは頭から出ます。来年は日本ツアーをびしっとがんばりますよ。最初の開幕戦から全力で。ということで来年もまた応援をよろしくお願いします。
西遊記は今年はこれで終わりにさせてもらって、ちょっと1週間ほどお休みをさせていただきますね。みなさんよいお年を!