バックナンバー(1998.5)


 

(1998.5.1掲載)

ラブにがんばってねって言ったら

 ずっとマスターズの話が続いちゃったんで、そろそろツアーの話を。まあマスターズの話はまだあるんだけどね。

 ほんとにだいぶここんとこいいね。先週ちょっと風邪で休んだのが残念だったけどねぇ。風邪自体はいやぁまだ、9割ぐらいよくなったけどまだちょっとって感じかな。

 クラウンズの開催コースの和合は、前半難しいんだ。1番2番だけがチャンスだけど、あとは基本的にチャンスじゃないしね。3番から後は難しいホールが続くし、やっぱりそういう点ではアウトは難しいね。

 3番も難しいし、4番も難しいし、5番も難しいし。5は初日フェアウェイ真ん中から残り120ちょっとをピッチングウェッジで打ったんだけど、ピンがフロントから10ヤードちょっとで、左から5ヤードのところに切ってあったのね。でピッチングウェッジで打って、ピンの真横に落っこちて、グリーン堅いからグリーンオーバーしちゃった。もうぜんぜん考えられないけどねぇ、普通のところじゃ。

 あとインの14が難しいね。14番はアゲンストで、初日はフェアウェイ打つのにすごく難しさがあったね。左側ずっとOBだし、右側はラフで距離が残るし、林越えになるし。今日は僕は隣のホールに行っちゃったけどね(苦笑) 林越えでうまく花道まで持ってきて、寄せてパーだったけど。で次の15番がボギーだった。

 まあ初日は上がり3ホールバーディバーディバーディ。ずっと言ってるようにパッティングがよくなってきたからね。グリーンに乗っかって自分でこう、積極的っていうのかな、いい展開だよね。グリーンに乗った時に楽しめるというか。

 そういえばジャンボが18番で9打ってた。シャンク2発だって。ティーショット左のラフで、そこのラフから140ヤード、少しフライヤーを計算したんだろうけど、前下がりの左下がりで・・・まあどうなったのかはわかんないんだけど、シャンク2発だっていう話だね。トータル3オーバーになっちゃったね。

 初日トップはラブ。ラブは今年いいしね。朝も練習場で会ったんだけど、いきなり元気?っていうから、元気元気、ヘリテージおめでとうって感じで答えてね。そしたら、うんありがとう、どう調子は?って言うから、うんまあまあだよとか言って。でまあラブが、今週がんばってねって言うから、そっちもがんばってねって言ったら、6アンダーも出しちゃって(苦笑)

 16番でチップインイーグルもあったようで。ティーショットがドライバーでグリーンオーバーして、でチップインらしい。そういえば1番のミドルも乗ったって。僕も1番はエッジまで行って、パターで寄せられたんだけど、3人乗ったらしいね。桑原将一鈴木亨ラブと。

 またがんばって吉報を報告しますよ。


(1998.5.2掲載)

またやってくれたか

 いやぁ和合、なかなか難しいねぇ。やっぱり月曜日からこっちは天気がいいし。そうだねぇ、あとは天気。どの程度雨が来るかだね。

 まあ、聞きたい話があると思うんだけど(苦笑)、その前にちょっと書きたいことがあって。今回また、ひじょーーにバカげたことをPGAがやってくれてるんだ。PGAツアーは、14番15番でドライビングディスタンスを計測してる。でも14番15番ってアイアンで打つ選手もいるホールなんだ。

 ごく基本的なホールで、行って返ってくる、あるいは対抗するところで計測するんだったらわかるよ。でもアイアンで打つとか、刻むようなホールで、なんでドライビングディスタンスを測るかって。もうひじょーーにバカげてるよね。

 しかも計測ホールというのは選手側には特に相談がない。まあ基本的に貼り出すけどね。何番ホールでやりますって。でみんなが、えぇ〜?こんなホールでなんでやるの?って感じになるわけだ(苦笑)

 だいたいクラウンズでドライビングディスタンスを測れるホールってのは1つもない。基本的には。それを測るっていうんだから、こんなPGAツアーの方策、それでディスタンスがどうのこうのなんて言えないじゃん。

 実際15番、僕はスプーンで打ったわけだし、ティーグラウンドにはアイアンで打ってる選手もずいぶんいるわけだよ。それはさぁ、ドライバーでバチーンと300ヤード行っちゃう選手もいるかも知れない。左上からフォローだからね。

 でもそんな、アイアンを選択するようなホールでドライビングディスタンスを測って、はいこれが今年度のツアーの成績ですなんて、1年間のトータルが出た時に、そんなホールで計測したことも含めてやったら、ほんとに意味がないと思うんだ。だからもう、またやってくれたかっていう感じで、あきれて物が言えないね。なんでこんなことをするんだろうなぁって感じだよ。

 それだったら例えばバンカー入って、マーカーにつけさせてね、バンカーから寄せて取るバンカーセーブ率だとか、要するにグリーンをはずした時のどうたらこうたらとか、あるいはフェアウェイヒットのレギュレーションだとか、フェアウェイに何発打てるのかとか、そういうほうがいいよね。

 要するにPGAツアーが今やってるのはパットだとか、パーセーブ率だとか、そんなことやってるけど、いちばん見えるような、じゃあフェアウェイキープ率は何パーセントあるんだとか、そっからディスタンスはどうなんだとか、そういうことでさえも、フェアウェイヒット率も出ないし、そのディスタンスの精度にしたって、そんなアイアンで打つホールでやってたら、出てこないわけだ。もうこれがツアーかと思ったら情けないね。

 アメリカでは基本的に全試合でドライビングディスタンスを取る。ただしやっぱりみんなが納得するところで取るね。これは誰もアイアンで打つホールじゃないというところでね。そして対抗ホール、要するにフォローフォローじゃいけないわけだ。要するに片方を南向きに打ってくとしたら、片方は北向きに打ってく。西向きに打つホールで測れば、東向きに打つホールで測る。必ずそういうふうに一方通行にならないように気をつけてるね。

 これは日本もマネしてる。でもアイアンで打つホールを計測するなんてのは、日本のドライビングディスタンスはもうほんと意味をなさないね。まあ1年回ってると何回かこんなとこでやってんの?っていう変なホールあるね。


(1998.5.3掲載)

今年の和合は難しい

 今年の和合は難しいねぇ、ラフ深いし。

 7番が難しい。で2番とか6番とかもバンカー新設したし、14番もティーグラウンドが後ろに下がったし。そういう点では難しくなってるね。

 まあ和合のショートは全部難しいけどね。基本的にあの風だと、そうねぇやっぱ、距離的に言えばやっぱり13番がいちばん難しいんだけど、やっぱりグリーンの小ささという点もあるし。

 和合っていうのはグリーンが小さくて全部砲台なんだけど、そのエッジの内側、要するにグリーンサイド、要するにグリーンサイド1ヤードから1ヤード半ぐらいにいったら全部傾斜してるから、乗っかっても全部落っこっちゃうんだ。

 だから実質のグリーンはその小さいグリーンよりさらに小さいんだよね。だからほんと難しいね。

 ここ数年の優勝スコアはなかなかすごい数字が出てたんだけど、まああの時はグリーンがびたびた止まってたというのが大きいね。

 初日に芹沢信雄金子柱憲と一緒だったんだけど、芹沢が、あの時はグリーンの端でも自分でも止まりましたって。止まらない僕でも止まりましたって言ってたから、そうだよな、そういえばびたびたやたら止まる年だったよなぁなんて話してね。

 やっぱりグリーンが止まると今のプロっていうのはほとんどいいスコア出してくるからね。だから今年のようにグリーンを硬くすればスコアは出にくいね。


(1998.5.4掲載)

なんちゅう頑丈な体

 そういえば・・・杉原さん、ガンだってね、前立腺ガン。前立腺ガンってのはわりとたくさんの人がなってるけど、ほんとに早急にっていうか、性急に深刻な問題になるガンじゃないからね。

 まだ余裕・・・余裕って言ったら変だけど、まだ、周りも本人も明るくしてるけど、やっぱりパーマーなんかの例を見てると、早く手術したほうがいいんじゃないかなっていうふうに思うんだけどね。

 ただねぇ、こないだも杉原さんと練習グリーンで話したんだけど、もうほんとにその・・・自分自身が出した結論だから、結論っていうか、自分自身がどうするかっていうことがいちばん大事なわけだから、それで切ろうと思えば切ればいいんだし、このまま薬で自分自身がこのままやってけると思うんだったらそれでいいんだし。

 結局個人の権利っていうか、主義というかね。もうこれは誰も変えられる問題じゃないからね。誰もが考えて1+1は2なんだよと、あるいは1+1は2でしょうとか、そういうふうに誰もが考えればなる。

 だけど本人にしてみれば1+1が2、それがどうした、そんなの関係ないんだと、1+1が10なんだと。俺は1+1が10なんだと、あるいは2なんてのは違うって思ってしまえばそこまでだから、それ以上言ってもしょうがない問題だしね。

 まあ自分の体は大事にしてねっていうふうには言ったけどね。手術しても思ってるよりも早く回復できるんだけどねぇ。

 実は僕もこないだ、背中痛い痛いで検査したんだ。検査したのは千葉大の病院で、そこで血液検査、尿検査、それからレントゲン、いろいろやった。

 そしたら、いやぁ年齢と職業を考えると素晴らしい体ですねって言われて、いやどこも悪くない、どこも悪くないですよって。なんちゅう頑丈な体してるんだって感じだよ、僕は。

 これはいいことなんだよね、ほんとは。丈夫な、健康な体ってことは。これに気がつかないっていうのがまたバカだよねぇ。


(1998.5.5掲載)

超ラッキー!

 月曜日に川奈に入りました。まあクラウンズとフジサンケイは流れだからね。やっぱりほとんどの選手がクラウンズ→川奈っていうふうに、帰らずに直接行くパターンが多いね。

 去年は雅生と一緒の組だったけど、今年は違いますよ。毎年ここで一緒にさせないでくれって感じもあるし(苦笑)

 いちおう今のまあ暫定的なラインだけど、ワッツ久保谷じゃないかな、雅生は。僕がミノザ宮本。で実は2組しか離れてないんだけど、その間の組に尾崎3兄弟っていう、そういうラインがいまんとこ浮上してるんだけどね。まあまだ決定じゃないけど。

 でねぇ、帰ってないからメール見れないんだよ。それが残念で。やっぱりオン・ザ・グリーンの会議室の発言とか、ホームページのメールが楽しみだし、やっぱり西遊記っていうのは1年やってきた甲斐があって、いろんな人の文章とか来るじゃない。

 まあ自分も出してるわけだけど、やっぱり1年やった甲斐っていうのかな。業務的じゃなくてね、やった甲斐があったなぁっていう楽しみがあるね。まあここんとこちょっとゴルフが忙しいから、新鮮なリポートが少な目だけど、リポートが多くてゴルフが悪いより、リポートが少なくてゴルフがいいほうがいいからと思ってるんだけどね。

 でもほんと、だいぶよくなってきたというのが形になってきたでしょ(笑) でもラブはすごいね。改めてすごいと思ったわ。やっぱりあのアプローチとパットのタッチ。それもすごいしねぇ。

 最終日の16番なんかでも、余裕でグリーンのガードバンカーにキャリーだからね。もうやっぱり飛距離とアプローチ、パットがうまかったら、距離が出てもうアプローチパットがうまかったらすごいよね、ほんと。さすがやっぱメジャーチャンピオンだね。

 で、ある意味でジャンボが追いかける、最終日追いかけるスパートができなかったってのは、やっぱりそういう要素も入ってたんじゃないかな。これが仮にギブソンだとかワッツが同じようなリードでいたら、もう少しこう違った結果になったかなって気がするんだけどね。

 で僕はというとアルバトロス。いやぁ、もうあれはもうまぐれ。まぐれっていったらおかしいけど、ラッキーっていう言葉よりももっとすごい、なんていうかな、まあ今風の言葉で言うと超ラッキーというかね。幸運というか・・・入っちゃったねぇ(笑)


(1998.5.6掲載)

カップインの映像

 もう知ってるとは思うんだけど、アルバトロスと言ってもミドルだからホールインワンなのね。で、スコアカードに1っていう数字を書くのは、まあ大会でホールインワンした人は間違いなくわかると思うんだけど、なんていうか違和感があるんだ。

 要するに2とか3とか4とかいう数字っていうのはいつも書き慣れてるわけ。まあ人によっては5、6、7とか、いろいろあるだろうけど、要するに2という数字は書いてるわけだ。ショートホールでバーディ取れば。

 ところが1っていう数字は書けないんだよね、よっぽどのことがない限り。まして大会だと、1ってほんとにこれ、ほんとにこれ1だよなぁっていう違和感があるね。

 昨日夕飯食べながら雅生とも話したんだけど、雅生がなんか1って書くのすごく違和感があるよねっていうから、あっそういえばそうだなぁって。スコアカードにただの棒線の1を書くのは、なんか違和感あるなぁって話をしてね。

 雅生の友達に中田恭平君っていうのがいるんだけど、まあ今回フジサンケイのキャディやるんだけどね。どうでした?って聞くんだ。だから、手応えはよかったよ、打った瞬間にイーグルチャンスに寄るような手応えあったよ、まあでも入っちゃうのは見えなかったし、入るとも思わなかったけどなぁなんて話したんだけどね。

 あのアルバトロスさ、カップインした瞬間の映像がないんだよね。こないだも書いたけど、初日に3人あのホールでワンオンしたんだよ。デービス・ラブと桑原将一と鈴木亨がワンオンしたんだって。その他にもグリーンの近くに行った選手はいっぱいいるわけだよね。僕も初日はグリーンのエッジに行って、グリーンのカラーのところだったから、パターで打つようにしてバーディを取った。

 で、3人ワンオンした選手がいたとしたら、もしディレクターだったら、次の日天候見てね、絶対1番ホール撮っとかせると思ったんだよねぇ。やっぱり撮ってないってのは失敗だよね。そんなの慌てて次の日に、3日目に撮ったってさ、3日目なんてもう雨が降ってるんだから、どうやったって届くわけないじゃない(苦笑)

 もうね、あそこまでいったら、合成でもいいから撮りなさいよ(笑) コロコロコロコローってさ。ねぇ〜、あそこコロコロってボール転がして合成でいいんだから。

 いやぁ僕がディレクターだったら、後でボールを転がして別撮りして、もう3メートルぐらいからね、何回も転がして入れた映像撮って、映像の間に入れてつなげちゃうけどねぇ(笑)


(1998.5.7掲載)

341ヤード歩く……

 そういえばこのアルバトロスでおもしろかったんだぁ。名古屋のもう20年来の知り合いの人で山内さんっていう人がいるんだけど、観戦には来てて、その時たまたま寒くて、駐車場で着替えてる最中だったんだって。

 で、うわぁーー!!って声が聞こえた瞬間に、しまったぁ!って思ったんだって。この声は絶対入った、ってことはもう中島プロしかいない!と思って、慌てて飛んで帰ったんだって。でも終わった後だよね、当然。

 本人はもう、その歴史的瞬間を見逃したのは、一生の不覚だっていうふうに自分で言ってるわけ。そしたらその山内さんの奥さんがその時一言、「あなたが見てたら入らなかったの。あなたが見てなかったから入ったのよ。だからよかったね」っていう話をするんだってさ(笑) すごいプラス思考なわけだ。でもずっと見れなかったぁ見れなかったぁって言っててねぇ。

 その山内さんの知り合いが、その1番グリーンの真っ正面で見てたんだって。でおもしろいね、普通鳥肌が立ったって言うじゃない。名古屋のほうは違うんだよ。ずぼけが立ったって言うらしいんだ。ずぼけが立ったってどういう言葉なんだろね(笑) その人は、もういいものを見せてもらって言って大興奮してたっていう話。

 ただあれね、打った本人は見えないんだ。松の木がジャマで見えなかったんだよ。ティーグラウンドサイドのギャラリーと、グリーンの周りのギャラリーの人達は見えてたのね。でまあその歓声でわかったって感じだね。

 まあそれから何がたいへんかって、341ヤード歩いていきながら、その歓声に応えて行くのがほんとに恥ずかしいっていうか、照れくさいっていうか、うれしいというか。ほんとにその341ヤードを、何にも次のことを心配しないで歩いていくっていう、その距離の長さはたいへんだったね(苦笑)

 それと同時に、ハアァ〜こんなスタート切っちゃって、残りの和合の17ホールどうしたらいいんだ、その17ホールで3ボギーぐらいすぐ出ちゃうだろって思った。ということはこのアルバトロスは、ただのイーブンパーにしかならないってことだぞ、ひょっとしたら3ボギーで収まるっていう保証はないじゃないか、とかねぇ、もういろんなこと考えるね。

 和合だったら、9ボギーぐらいすぐ出ちゃうからね。ということは、いきなり3アンダーで出ても、9ボギーだったら6オーバーになっちゃうわけだ。これはたいへんだぞーって感じで、ものすごい、ふんどしを締め直さなきゃいけないって感じだったね。


(1998.5.8掲載)

大事な仕事が残ってる

 今週のフジサンケイ戸張さんがディレクターやってるんだけど、戸張さんっていうのは今回の尾崎3兄弟同組みたいなことをやったり、やっぱりそういうおもしろ心があるっていうのかな。

 例えば昔のジュンクラシックでも、AONを一緒に回らせたということがあった。AONっていうのは回ったことがないわけだ。AとNはあったり、OとAはあったりとか、OとNはあったりとか、2人というのはあるんだけど、3人一緒っていうのはなかったんだ。で初日2日目にその組み合わせで作って、AONを回らせたっていうことがあってね。やっぱりおもしろいこと考えてくれるね、彼は。

 そこだけに客が集まっちゃうってことも考えられるけど、でもやっぱり初日2日だからね。そういうことで試合自体が注目を集めるっていうのも悪くないよね。まあそこだけでも客を集められる組があるっていうのもすごいと思うし。

 逆に考えて見ると、3人がバラバラになるよりも、まあ何年かの間に一度でもそういう組み合わせを見てみたいっていうふうに、お客さんのほうも思うと思うんだ。だからそういうことからもいいよね。

 あっ、いけない。今日はね、これから残ってる大事な仕事があるんだ。これからお風呂場に行ってパンツを洗濯しなきゃいけないんだ(苦笑)

 やっぱりパンツばっかりはクリーニングに出せないしね。うーんたいへんですよ。もちろん本人がやりますよ、やりますやります。

 やっぱ2週間連続だと、パンツだって持ってく枚数がすごいでしょ。で、パンツばっかりそんなに持ってけないからねぇ。だからやっぱり途中で洗濯しちゃうよね。で洗濯することも嫌いじゃないんだ。他は靴下まではクリーニング。ただウェアは基本的にだいたい全部、日数分持ってってる。

 だから僕らが2週間移動する時はスーツケースにボストンっていう感じだね。スーツケースもやっぱり海外旅行用ぐらいのスーツケース、それにボストン、プラスキャディバッグ、それにシューズ。だからほんとすごい荷物になるね。

 そうねぇ、みんなが海外旅行に1週間行くスーツケースに、プロ用のキャディバッグを持ってく、それにプラスボストンを1個と思ったらいいね。だからとても新幹線なんかじゃ移動できないね。そんなもん持って移動できない。だからどうしても車になっちゃうんだよね。


(1998.5.9掲載)

最後の積み木

 そういえばアルバトロスで車もらったんだ。トヨタさんの好意っていうことで、あのハイブリッドカー。エコプロジェクト。ハイブリッドカーのプリウスいただいた。

 賞品で車もらうことというのはいままでもあったけど、自分の興味のあるものはちゃんと乗るんだ。今回のハイブリッドカーもずっと乗ってみたいなっていう感じがあるね。やっぱりなんかすごく興味があるんだ。ガソリンと電気とやってくというのがね。

 まあそれはともかくとして、クラウンズでは雨で2時間半遅れたけど、自分の集中力をとぎれさせることもなくずっとやれたし、あの風の中でいいゴルフできたっていうのはやっぱり自信になったね。

 僕が口でいくらよくなったよくなったって言っても、やっぱり100回よくなったって言うよりも、クラウンズの時みたいに、1回よくなったやつを見せられれば、もっともっと現実味があるっていうか、あぁほんとによくなってるんだなっていうのがわかると思うんだ。

 でもちょっと時間差があるよね。パターよくなってきたよーって言い始めたのは、もう何カ月も前じゃない。それがこうやって形に現れてくるっていうのに、何カ月後っていう時間差がある。

 だからこれがもっとショットとか全体に、もっと優勝争いのレベルにがっちり入ってくるようなゴルフだったら、これはもっといいよって言った何カ月後かにほんとにそういうあぁだったんだなというのがわかると思うんだよね。

 現状、ただ自分自身なんていうか・・・まあ言い換えれば積木をこう組み立ててきたわけだよね、いままで。で最後の1個あせって崩すよりは、大事にその1個を乗せたいっていう気持ちもあるんだ。やっぱりここはあせらず急げっていう感じだね。


(1998.5.10掲載)

世界で通用する選手の育て方

 世界で通用する選手を育てる、というような話をしよう。TPCの時もマスターズの時も思ったんだけど、あれが自分の国のホームツアーで、選手がそこで育った人間だったら、ぜんぜんまた違う結果だったと思うんだ。

 こないだもあるゴルフの季刊誌で、どうやったら世界のメジャーで、世界で活躍する選手が出るかっていうようなことがいろいろ記事に載ってて、いろんな意見出てたんだ。例えばスキー連盟だとか、あるいはサッカーだとか、ゴルフだとか、いろんなまあ各方面のそういう専門家みたいな人が出てきていろんな話をしてた。

 世界という舞台で、スキーが最近すごく強いよね。スキーは昔はだいたい120日ぐらい海外で合宿とか試合とか出てたんだって。ところが今は220日なんだ。要するに1年の3分の2は海外で生活してるんだって。

 で最初は向こうに団体で行く。で、そのコーチがお金を渡すんだって。これでみんなで何か食べておいでと、夕飯食べておいでということでお金を渡す。最初はレストランを決めてあげてそこでみんな食べておいでと。

 次にやるのがお金だけ渡して、これで各々好きなところに行きなっていうふうにする。そうするとみんなで同じレストラン行ってあれこれ食べてたのが、そのうち自分の食べたい物を食べるように、何人かのグループになったり、一人になって食べに行ったりするようになってくと。

 で合宿もそのホームステイだから、だから明日何時に起こしてくださいとか、食事は何がいいですとか、そういうことを家庭の中でやっていって、基本的に何人もの選手が日常英会話困らない、要するにその文化の中で育ってっちゃうわけだね。そういう選手が増えてきたおかげでスキーがすごく強くなったと。

 だからやっぱり日本のJGA、あるいはGTPAあるいはプロゴルフ協会、その他含めて、そういうふうに向こうで育てようとすることがないとダメだよね。

 20人とか30人規模で、もう1年の3分の2は行ってこいと、費用は心配するなと、君たちが食べて、試合に出るぐらいの費用は出すから、行っておいでと。で基本的にホームステイをさせたりして、向こうで合宿、それから小さな試合、あるいは学生の試合だとか、そういうものに出していって育てるようなことをしないと。

 今やってるのは、ある一部の企業とか、個人的に一人二人派遣するとか、そういうことでしかない。JGAなりPGAなりGTPAなりのそういう大きな団体が、組織だって、そういう年間の予算を出して、もう2億とか3億とか5億とか、お金をちゃんと組んで、予算を組んで、そうやって向こうに16、17歳から、1年のうちの3分の2を向こうで過ごさせるような選手を作れば、絶対にこれ勝てるような選手が出てくるよ。

 要するに育ったフィールドがどこであるかってことなのね。だからそれができない限り、日本から勝つ選手は絶対出ないんじゃないかなと思うんだ。


(1998.5.11掲載)

背負う物の大きさ

 マスターズで丸山が言った未知の世界じゃあないけど、やっぱりそういうところで育ってきてもダメなんだよね。やはり昔から言ってるけど、三つ子の魂百までじゃないけど、やっぱ文化の違いの中で育ってきたってことをアメリカで自分は感じたわけだ。これは文化が違うんだと。

 要するに食生活も含めて、物の価値判断も含めて、ゴルフの成長する物も含めて、全部の育つ文化が違うから、サラダオイルじゃないけど、混じらないんだ。

 そういうところを自分の中にどっか感じてしまうんだよね。だからそれで必要以上に力が入っちゃう。

 基本的に日本で育ってきて、日本の期待を背負ってるっていう感じで、背負う物が大きすぎるんだね。じゃあそれを背負うなって言っても、それはもう無理なんだ。そこで大人になってるから。

 だからある意味ではメンタルトレーニングとか、メンタルエクササイズでそういう物は克服できるかも知れないけど、やっぱそれは本当の素じゃないからね。素じゃないっていう言い方はちょっと変なんだけど、結局後で作るもんだから。

 僕なんかも優勝スピーチを右のポケットに入れながら回ったこともある。ホンダクラシックでさ。で結局追いつけなくて6位になっちゃって、なんだこの紙切れなんかぜんぜん意味なかったなぁなんて思ったこともあったけど、結局スタートするともう、これで勝ったらもう日本のファンが喜ぶだろうなぁ、女房子供なんかすごいだろうなぁとかさ、いろんなことを思ったりしちゃうんだよね。

 日本人ってなんか、自分が喜ぶこと以上に人が喜ぶことが好きなところがあるじゃない。でもなんかそれが悪い方向に出てしまうっていうところがあるよね。ジャンボなんかでも意外とそういうものを持ってるんだろうねぇ。


(1998.5.12掲載)

途方もなく強かった

 世界に通用する選手という話をしたかというと、実は今年のマスターズの2日目の中継見てて、まあちょっと悔しかったんだ。2人が予選落ちしてね。でワイン1本飲みながら(苦笑)、いろんなことを考えてね。

 その時、家内にも話したけど、未だかつて5大大会勝った、まあ5大大会っていうのは単純に日本だけで言うんだけど、日本アマ、日本オープン、日本プロ、日本マッチプレー、日本シリーズね。これらを勝った選手って僕しかいないんだ。で25年、四半世紀も記録を破られていない。それにマスターズで7アンダーも出した。その時の優勝スコアは11アンダーのイアン・ウーズナム。そういう僕があえて書きたい。

 僕もマスターズに出るのが夢だった。そして、マスターズに出た。

 小さい時、中学生の時ね、マスターズ中継見てから学校に行った。その頃は石井さんの名調子でね。今の松下さんはいっぱいミスしてるけど、もういいかげんにしろよってぐらい失敗してるけど(苦笑) それはともかく、石井さんのテレビ中継を見てから、学校に行って授業を受けながらも、オーガスタの15番の美しさ、そこでニクラスが1番アイアンとか2番アイアンで、ピン側イーグルチャンスにつけて、何回かイーグルを決めたり、16番で超ロングパットを決めて、躍り上がりながら優勝を決めたような、そんなような場面を授業を受けながら思い出してた。

 いつか自分もマスターズに出たい。マスターズに出るのが夢だってそう思ってた。で23歳の時に初めてマスターズに出た。その時にマスターズ、あるいは世界のメジャー、これが世界なんだっていうふうに思い知らされた。

 その時に自分に足りない物は何か、自分に何が必要なのか、それをじっくりと考えさせられたね。そして幸運にもまた日本で活躍できて、また招待されて行くことができた。いちばん最初に、そのリングに立った時にはいきなりマスターズのパンチくらってノックアウトされたけど、次行った時には、少なくとも1発返せたって感じだった。でも途方もなく強かった。

 でも、前にも書いたけど、出ることが夢である選手はそこまで。善戦するまでだよ。善戦はするけれど相手をKOはできない。だから出るのが夢だなんていう選手は、極論すればそこまでだよ。

 その本人が本当にグリーンジャケット着るのが夢です、夢なんだと、そう思って育っていかないと無理なんだ。そしてそういう選手はやっぱりインターナショナルに育つんだ。


(1998.5.13掲載)

窓の向こうの壁を見ながら……

 マスターズに初出場で好成績っていうのを納めた人ってのはいないわけだし、まあタイガーとかファジー・ゼラーは別にして、特に日本から招待された選手っていうのは、初出場っての場合、まあ予選通るほうが珍しいぐらいだね。

 昨日も書いたけど、僕の場合はやっぱり初出場で出た時に、ほんとにあぁこれが世界なんだなぁっていうことを実感させられた。じゃあそれに向ってどういこうか、どういうところが足りないんだってのを、ものすごく自分で見つめ直したねぇ。

 でまたその年の全英オープンの3日目、16番ホールバーディで、トップが6アンダーで、僕が4アンダーになった。で17番2オンした。セントアンドリュースの17番は通称ロードホールっていう、いかんせん難しいパー4のホールなんだけど、2オンしてこれからバーディパット。

 けっこう長くて難しいパットだったんだ。もうとても入るようなパットじゃない。そこに乗ったら3パットが10回やったら6、7回出るようなところなんだ。でそこからパター打ったら、グリーンこぼれてバンカーに入って、バンカーの中でぱかぱかぱかぱか打ってさ、で結局そこ9だよ。で一挙に1オーバー。

 トップに2ストローク差から一挙に1オーバーになって、もうホテルに帰って泣いた記憶があったけどね。泣いたっていうかもう涙が出てしょうがないのよ。ぽろーっと出てね。

 その時はセントアンドリュースの18番のグリーンから奧に4軒目ぐらいにあるホテルに泊まってた。まあ日本の新人選手だから、海なんか見える部屋じゃないよ。もう窓を開ければセントアンドリュースの街しか見えない。街っていうか隣の建物しか見えないような部屋だったね。

 で、部屋に帰って・・・まだ明るいからね、あそこ。白夜みたいなもんだからね。でその部屋の窓を開けた向こう側に見える建物の壁を見ながら・・やっぱり涙が出たねぇ。


(1998.5.14掲載)

春先の心残り

 先週のフジサンケイもまずまずだったね。でもまあ優勝するにはもうちょっとショット、特にティーショットをよくしないとね。

 アイアンは随分よくなったんだ。まあ最終日も17はピンそばに落ちて、ピン右手前40センチぐらいに落ちたのかな。で奧に2メートルぐらいのところに止まってて、で入れてバーディ

 18は右のセミラフから9番アイアンで打って、カップ手前10センチに落ちて、ピンに当たって、40センチぐらいかなぁ、でバーディだったんだよ。両方ともテレビには映ってなかったけどね(苦笑)

 今日から日本プロ。去年は風邪で休んじゃったけど、まあ今年はだいじょうぶだ。もうひいちゃったから(苦笑) あの風邪で休んだ週のキリンはがんばりたかったんだよねぇ。もうそれだけが春先の心残りだね。

 それにしても・・・いやぁ、遠いわ、この日本プロの奈良は。ほんと遠いねぇ〜。今泊まってるのが橿原神宮前っていうところのホテルに泊まってるんだけど、ここがいちばん最寄りで大きな町っていうかね。

 このホテルにもけっこういっぱい選手が泊まってるんだ。でまあここから50分かかるもんね。まあ50分はオーバーだけど45分はたっぷりかかるね。

 今回のコースのグランデージはけっこう難しいね。そういえば初日の組み合わせがおもしろい。ジャンボと倉本が一緒の組だって。まあおもしろそうな組み合わせじゃないかな。

 友の会の関西の人達が見に来るらしいし、まあとにかく今週もがんばりますよ。


(1998.5.15掲載)

丸山が経験をどう活かすか

 今年のマスターズ丸山は初出場だったわけだ。で初出場で好成績っていうのは難しいわけだし、そういう点ではやっぱりこれからの人生に今回の経験を活かすしかないと思うんだ。

 一昨日全英オープンの話を書いたけど、ほんとにあの時はもう、何をやってるんだって自分は、って感じだったねぇ。ボギーでもいいじゃないか、3パットのボギーでもいいじゃないか。あの状況から2パットのパーでいくっていうのがどれだけ難しいかわかってるだろうに、なんであそこからパーを狙ってくんだ。

 要するに17、18メートルのパット、しかも2段のこぶが斜めにあるパットだよ。要するにフックして1段目のこぶ、次の2段目のこぶ、それが斜めに入ってて横向きに入ってる。そこから最後、直線のややスライスで、最後に大きなこぶがあって大スライスしてく。そんなパットどうやったって寄らないんだよ。

 でも、そのパットをなんとか2パットでいこうとして攻めてくのがプロなんだ。それこそ丸山がマスターズ初日13番で2オン狙っていったように、ジャンボが11を叩きながら15番を攻めてったように、中島が13番13を打ちながら攻めてったように打っちゃうんだ。1打でも少なく上がろうとするのが、プロの本性なんだ。

 まあ話を全英オープンに戻すけど、バンカーの中からばかすかばかすか打って、もう中島バンカーって言われたぐらい、バンカーに名前がついたりして、もうホテルに帰って涙が出て、で、そこでやっぱりこれが世界で戦うタフさ、必要で最大の物っていうかな、タフ、それが必要なんだなぁっていうふうに思ったね。

 結局のその時の全英オープンは次の日1アンダーで回って、通算イーブンパーで、青木さんが7位、ジャンボが10位、僕が17位だったけどね。やっぱりみんな打たれ強かったっていうのかな。やっぱり打たれ強くならざるを得なかったしね。

 だから丸山もね、丸もほんとメジャーの中でいちばん厳しい、ある意味でいちばん厳しい、要するにラフが深かったり、コースが長かったり、そういうもんじゃなくて、ある意味でいちばん難しいマスターズを味わったんだから、これを活かさないっていうのはやっぱりいちばん彼にとってはマイナスなんじゃないかな。

 予選落ちたこと以上に彼がマスターズから学ぶことがあるかないかが大きいことだと思うんだよね。僕と同じように、彼が考えさせられて、マスターズで出された課題を、問題を解いて、答を返していけるかどうか。

 やっぱりそう考えると、メジャーというのがゴルファーとしての資質を育てるね。だから、丸山の意識というのが、今年の経験で変わってほしいね。日本という狭い土壌で終わってしまうのは、プロもファンも望んでないからね。


(1998.5.16掲載)

ワッツの事件

 先週のフジサンケイでは、ワッツの事件でずっと持ちきりだったね。

 まあただね、確かにワッツのやったことは、もうこれはっきり言っておくけど、ワッツのやったことはやはり非常によくないことだよ。ゴルファーとしてあってはいけない。要するにプロゴルファーとしてあってはいけないもんだよね。

 でもあのボビー・ジョーンズでもやったことはあるわけだ。グリーンでてんてこまいして、グリーンの脇にティーアップして海に向ってばちんと打って、そのままスコアカード破り捨てて帰ったわけだ。もう自分はここでもうプレーできないってことで帰った。

 ワッツもそれと同じようにね、グリーンの脇にティーアップして、バチーンと打って、もう自分はもう壊れたと。悪いけどここで上がるというふうに、スコアカードでも破り捨てていくんだったら、なんていうか、まだ一握りの救いはそこにあったよね。

 でもそうじゃなくて、13番で海に向って打って、ウェッジでパターしながら15番でもまた海に打ったと。長い間でかけてその醜さっていうか不快感っていうのを、ギャラリーに対してもスポンサーに対しても自分自身に対しても持ち続けてプレーしたっていうこと自体が、非常によくないことだと思うんだ。

 でこれに関しては、ワッツのプレーはもう弁解のしようがない。どうやったって弁解のしようがない。それに対してペナルティ、制裁を受けるのは当たり前だと思う。ただ、今回の問題は、それ以外にもあるんだね。

 また長くなるけど、ちょっと何回かに分けて書いてみます。


(1998.5.17掲載)

PGAツアー規定

 要するに今回のワッツ事件の問題点はこういうことなんだ。

 あの時にPGAのディレクターの・・・名前出しちゃよくないかも知れないから仮にKさんとしとくけど、そのKさんって人が行ってて、厳重注意ということを言ったよね。

 でも、もう事が事なんだから、それは終わってから委員会にかけて、正式な処分を下すということでよかったと思うんだ。その時点で厳重注意っていう決定をするんじゃなくて、その時は口頭で注意し、スポンサーに対して、あるいは協会に対して、ちゃんとした謝罪文を謝罪をしなさいと。

 その場はそうしておいて、以降の処分は後で委員会で決定するという形にすれば、問題はなかったと思うんだ。まずそれがツアー側の問題点だったね。要するに、PGAツアーのディレクターがそこにいながら、正しい決定を下せなかった。そこが問題だった。

 そしてもう1つ、ワッツがその時点で正しい、適切な謝罪ができなかった。これが2点目の問題点。

 ツアーにはPGAツアー規定というのがあるんだ。これの中に罰則・制裁っていうコーナーがあって、施行の類型と処分の基準っていうのがある。この1番に厳重注意処分っていうのがある。ちょっと引用すると、

(PGAツアー規定より引用)厳重注意処分。選手に次の事由があるときに科す。選手がゴルフ規則等のルール・マナー・エチケットに違反し、ゴルフファンの顰蹙をかい、その他選手としての品位を損なう行為をした時。(引用終わり)

 これが厳重注意処分。これはもうワッツの行為に当たるよね。で次に制裁金っていうのがある。

(PGAツアー規定より引用)第2項制裁金。選手に次の事由があるときは10万円以上の制裁金を科す。

A.選手が競技場またはクラブハウス等、競技場に近隣する場所において、ギャラリー、主催者、プレス、他の選手、キャディ、その他競技大会関係者等に下劣なこと、暴言を吐き、その他選手にあるまじき非常識な言動をとり、選手としての品位を著しく低下させた時。

B.選手が本規定またはゴルフ規則に違反し、違反の程度が著しく重い時。

C.選手に厳重注意の処分が重なった時。(引用終わり)

 これが罰金なんだ。

 この厳重注意処分と制裁金、罰金の処分、この両方にワッツは当てはまると僕は思うんだ。ただ、問題はここまでで収まらないんだね。


(1998.5.18掲載)

これは選手とツアーの問題

 ワッツに対する処分が、厳重注意処分であれ、罰金であれ、PGAツアーが下したその制裁が、それが適切なものでなかったわけだ。まあおおよその人が判断する限り。だからそのことによってその判断を変えなければならなかった。

 要するに厳重注意処分が20万円の罰金っていう形に変化したわけだよね。だから昨日も書いたように、ディレクターが委員会にかけてこの処分を決定するっていうふうにすればよかったんだけど、あの時厳重注意処分という形にしちゃった。だからこういうふうになってきた。

 でも大事なことは、これは選手とツアーの問題点なんだということ。

 今回の事件に対して、フジサンケイの出来事でありながら、日本オープンの出場を取り消すとか、こんな処分では足らないということを、結局主催者側がごり押ししてくる。

 じゃあ例えばある選手が失敗してクラブを地面に叩きつけるかも知れない。でそれを主催者が、そんなことは非常識だ、主催者を冒涜してる、ゴルフ場を冒涜してるとなった場合に、じゃあ罰金を科すのかと。

 じゃあどっからどこまでが線引きになってきて、どっからどこまでが主催者を冒涜してくるか。極端に言えば主催者があの選手は気にいらんから出場停止だっていうことだってありえるわけだよね。

 僕らは政策委員会にみんなが委任して、委員会に任せて、いろんなことを決めごとをしてくわけだよね。その中で要するにPGAツアーとしてはディレクターに自分達選手のいろんな権利を託して、委ねてやってるわけだね。

 だから、そのディレクターが決定したことに対しては、自分達は支持していく立場なんだ。だからワッツが20万の罰金を科せられて反省して、でPGAツアーのディレクターが、要するにエグゼクティブディレクターの人がこの制裁でいくって言った時に、それをいちいち覆されてたら選手としては納得いかないわけだ。まして他のいろんな物をリンクさせられてしまってはいけない。

 だからその点で日本オープン出場停止っていうのは、これはちょっと話が違う問題であって、ちょっと飛躍しすぎてるというか、ちょっといかんかなと思うね。


(1998.5.19掲載)

プロの影響の再認識

 僕が言ってるのは決してワッツがやったことをカバーしてるんじゃない。ワッツがやったことはいけないことなんだ。ただしそれからもう話がすり変わってしまってるというのかな。

 ワッツのケースじゃなくて、すべての選手に当てはまることでもある。だからちょっと現状としてはことが大きくなりすぎてるのかな。大きくというか、事が本流から支流になったというか、支流から本流というか、流れが変わってしまったというかね。

 あくまでもルールというのは万人の物であって、誰でも同じ条件でなきゃいけないと思う。だからそういう点で今回いちばんまずかったケースっていうのは、やっぱりディレクターがちゃんと対処できなかったってことだね。

 例えばスロープレーに対してペナルティをつけるとか、あるいはそのボランティアに対して、あるまじき行為だったとか、プレーとは直接関係ないことだよね。競技ルール上の顰蹙というんじゃなくて、ゴルフのプレーの精神の根元に関わることなんだから、もう少しなんとかできなかったのかっていうのが残念だね。

 ただこのことで、逆に言えばいい問題提起ができて、まあこれでいろいろ考えていかなきゃいけないし、その罰則規定っていうのももう少し見つめ直さなきゃいけないっていう、いい意味で選手間自体では問題提起になったね。

 こないだの選手総会でも、要するにこういうことを考えると、みんな一人一人のプレーというのが非常に大きな影響を持ってるんだよっていうことで、選手自身がもう1回認識し直したってのは事実だね。だからそういう点ではよかったと思う。まさに不幸中の幸いだね。


(1998.5.20掲載)

選手の盛り上げ方

 今週の宇部は前にも書いた通りお休みです。ずいぶん前に欠席出しちゃったし。

 今日は選手を盛り上げる方法というのを書いてみよう。選手をいちばん盛り上げる方法ってのは、わりと簡単なことなんだ。

 いや盛り上げるっていうか、選手に望む、例えば自分がこうあってほしいなぁっていうプロに願うショットっていうのがあるでしょ。あるいはやってほしいチョイス。そういうものっていうのは、やっぱり強制はしちゃいけないんだよね。

 強制はしちゃいけないんだけど、1つだけ方法がある。それを選ぶ前にやっちゃダメなんだけど、例えばその自分が望んでたクラブを選んだ時の拍手。

 例えばマスターズの15番のセカンドでいこうかいくまいか迷ってる時に、本人がすごく、ほんとに十分に考えたあげくスプーンを取るよね。その時に起こる拍手。そしてぽーんと打つ。っていうことは次に来た時に、またスプーンを選びやすくなるんだ。

 でもできないことはやらないからね。仮にクラブで悩んでる時に、いけいけ!とかね、拍手でもう、クラブチョイスする前に拍手していけいけ!って言われたって、それは違うんだ。

 だからちーちゃく自分の胸に秘めて、スプーンを選んでほしいな、ここで狙ってほしいなぁって思って、じーと我慢してる、で選手がスプーン持った、おぉやったやった!!パチパチパチパチィ〜!って、ここで拍手なんだね。

 そうすると自分が悩んで、選んだクラブっていうものが、あっ拍手をするってことは彼はこれを望んでたんだと、自分が考えることを同じように彼は悩んで、同じように期待しながらも待ってて、そして自分が選んだことに対して、その自分の期待感を表明して、一緒に共鳴してくれるっていうのかな。それがもう選手にとっては最高にうれしいね。

 そして成功した時に、もう拍手だけじゃなくて歓声が上がれば、もっといいね(笑)


(1998.5.21掲載)

一打の尊厳

 選手ってのはおもしろいもんで、100人のギャラリーがいたら、そのうちの1人が自分の考えがわかってくれるだけでもいいんだ。ただし、100人の人が見てたら、99人が感激してくれるプレーを選ぶんだ。

 自分で99%の感激を選ぼうとするんだけど、どう考えても成功する可能性が少ないと思ったら、その残りの1%の人が、1人の人が理解してくれるだけでもいいっていうプレーを選ぶ。

 このどっちかを選ぶんだ、選手っていうのは。だからその選ぶことに対しての尊厳っていうかな、尊敬って言ったらちょっとオーバーだけど、そういう深みを持って見てほしいな。

 で、打つ前にこうしろああしろっていうんじゃなくて・・・それは子供の教育だってそうでしょ。やっぱりこうしなさいああしなさいこうしなさいああしなさいってやってたら、子供ってのはすくすくとは育たないよね。

 でも子供のチョイスを親は無責任に見てるんじゃなくて、どういうチョイスをするかなぁ、こういうチョイスをしてほしいなぁって思いつつ、子供の成長見てる。で、そうなった時にそれでいいんだ。で心の中で拍手する。

 成功したらやったじゃないかと、失敗したら、あぁ今失敗したけど、よく考えたんだから、もうその失敗にめげずにまたそれを勉強にして、経験にして次がんばれよっていうふうになるわけだね。

 そういう点ではプロゴルフも似たようなもんで、やっぱり選手が悩んでる、その悩みに対して口出しをしちゃいけない。いけいけぇ〜!とかね。ギャラリーはそう言って失敗したって苦しくないわけだ。本人はその日のチケット買って入ってきただけだから。

 別にそれが失敗して予選落っこって、プロが生活苦しくなっても、今月の家賃が払えなくなっても、あるいは来月試合に行けなくなったとしても、その選手じゃない限り関係ないことだよ。

 でも僕らの一打一打には、夢だけじゃなくて生活もかかってる。そしてやはり多くの人達の願いも入ってるわけだよね。そういういろんなことを加味しながら自分がすべてを考えて、そしてチョイスする、そのチョイスに対して、なんていうか尊厳があってほしいんだよね。


(1998.5.22掲載)

そういう人がいるだけで

 もうちょっと続けよう。もし自分がこれでいってほしいと思ってたとして、その願いが通じずに違う選択をされても、それはがっかりしない。じゃあそっからどういうふうに次を決めてくんだろう。

 例えば、マスターズの15番のセカンドで230ヤードある。風は右からのややアゲンスト強め・・・考えるよねぇ。いこうかいくまいか、ライはまずまず、どうしよう、2日目、予選を通るには余裕があるけれど、でもここで池に入れてボギーを打つと、16、17、18でちょっと苦しくなる。そういう状況をイメージしてみてね。

 15番に立った時に、ここは固くパーでいけば、予選通ったようなもんだと。あるいはここを固くパーでいけば、今のスコアを崩すことはない、そう思いながら、でもプロとしてこのマスターズという舞台に立っていて、いろんなものを考えるわけだね。

 そして・・・やっぱり刻もう、攻めるだけがゴルフじゃない、2打目で攻めるのも3打目で攻めるのも攻めなんだ、っていうことで、9番アイアンを手にして、フェアウェイの左目左目を狙って、右奧のピンに対して、サードで狙ってこうっていうチョイスをしたとするよね。

 その時、あっ、彼はこのセカンドを刻むと決めたと。じゃあこの後どう攻めてくれるんだろう。それを見てみよう。期待しよう。これは今度3打目以降に拍手は持ち越しになったわけだ。

 ところがいろんなことを考えた。よしいこう。ここはいこう。スプーンを選んだ。スプーンを選んで、230ヤード先のピンに対して、意を決してスプーンを選んで、ヘッドカバーを抜いた、その瞬間に「やった、そうだよ、俺もそれを願ってたんだよ」って、僕がギャラリーだったら拍手するね。もう自分だったら拍手しないではいられないね。

 そしてそのショットを成功したら、ヤッター!!って、もうイェーイ!!って感じだよ。そしてまた拍手。仮にもしそれが失敗したら、まだあきらめない、3打目寄せてパーで切り抜けよう、そういうふうな感じで、その1つ1つのクラブの選択に、選ぶクラブに対して、選ぶショットに対して、選ぶ決断に対して、やっぱ尊厳を持って見てほしいな。

 もうこれしかない。これが選手にとって最高であって、これ以上の物はないって。もうそういう人がいるだけで、ほんとに選手はうれしくなる。そんなもんなんだよ。


(1998.5.23掲載)

ティーショットの行方

 月曜日にトミーチャレンジ第2戦がありました。岐阜の富加でやったんだけど、いやぁやっぱり月曜日にやるのは疲れるねぇ。で、鈴木亨君が来てくれてね。ほんとこの場を借りて亨にね、ほんとごくろうさまってお礼言いたいね。

 やっぱり僕を除いて1人2人シード選手が出てきてくれると、僕の他にやっぱり1人ぐらい出てきてくれるとみんなほんとに自分の力量試したいっていう気持ちでわくわくしてるね。

 そんな中で試合は、プロの野路君と研修生の吉田君プレーオフになったんだけど、いいゴルフしてたよ、2人とも。プレーオフ3ホール目で決着がついたんだ、サドンデスで。3ホールは、10番はともかくとして11番と18番は難しいホールなんだ。まあ18はバーディホールでもあるんだけど。

 で2人は10番11番パーパーでいって18番に行ったんだけど、左側がえぐれてる左ドッグレッグで、でだいたい500ヤードぐらいあるんだね。僕がドライバーで打って4番ぐらいで2オンするホール・・・5番かなぁ、うまくいって。

 で野路君っていうのはプロで、年齢がある程度いったプロだし、そういう点で生活がかかったプロらしく左ドッグレッグで右のラフに打ったんだよね。まあフェアウェイに行くような当たりは当たりだったんだけど、まあ惜しくもラフだった。だけどまあ、そこが順当だろうなってところに打ってったんだ。

 で吉田君は左のコーナーのバンカーの上にいいフェード打ったんだ。うん、このティーショットだったらこっちのほうが有利、研修生が勝つのかなぁと思ったんだ。ところが行ってみたら、ボールがないんだ。

 で左側がえぐれてて、どうもバンカーの角あたり、要するにバンカーの左のこぶあたりにおっこって、左にはねて左のラフに行ったみたいなのね。でボールの行方がまだわかんない。

 ボール自体は野路君のほうがピンに対して遠いから、先にセカンド打ったんだ。けっこう難しい深いラフだったんだけどそこそこ打って、グリーンの手前5ヤードぐらい、ピンまで15ヤードぐらい。そこまで持ってたんだ。でまあバーディチャンスっていう感じなんだけど、吉田君のほうの球がないんだ、いくら探しても。

 で・・・この続きはまた明日(笑)


(1998.5.24掲載)

今回の不満点

 さて、昨日の続きね。吉田君の球を一所懸命探して、もうロストかなぁってぐらい探して・・・あったことはあったんだけど、これが前上がりの強烈なラフで、もうちょっとこれは無理だぞ、1発で出るんか?って感じなんだ。

 でそこからバーンと打ったんだけど、空振り・・・空振りっていうかボールが出てこないんだ。でそこで2打費やしたわけだ。それでもまだすごいラフ。でサードショットでもフェアウェイまで届かない、残り180以上あるまだ前上がりのラフ。まだ要するに第4打目がそこにあるわけだね。

 でそっから打って、そうだなぁどのへんまでだろうなぁ、まあそこそこは行ったんだけど、要するに結局5オンになっちゃったんだ。

 で野路君のサードショットは、なんていうか味というのかな、やはり相手がボギー、あるいはダボがかたいよね。でその中で自分はパーでも勝てるわけだ。グリーン手前5ヤードにいってて。でもやっぱりね、ここをバーディ取ってきたというのが、プロだったね。

 やはりバーディじゃなきゃ勝てなかったんだ。あそこのラフからパーでは勝てなかった。だからもうあそこのラフからでもバーディを取らなければ、プレーオフに、そのさらに次に進めなかった。

 野路君は相手が崩れてても自分が最善でフィニッシュしてあげた。でまたその吉田君のほうも最後のパットまで悪びれることなく、きれいにフィニッシュしてった。要するにホールアウトまでしっかりと。

 自分がこんなダボとか、まあプレーオフでロングホールで、相手はバーディが決定的なところにきてて、自分がダボ打ってしまえばもう投げ遣りになってしまうよ、普通は。それをきちんと彼、投げ遣りな態度もショットもしないで、ホールアウトしてって、片方のプロもバーディでそれに応えてあげる。いい試合だったね。

 でプレーオフは応援が30人ぐらいいたんだけど、まあ報道の人が何人かいて、競技関係の人もいて、実質は20人ぐらいのギャラリーかな、関係者以外ではね。でも僕はもっと大勢の人に見てもらいたかったね。

 だから場内アナウンスもかけた。これからプレーオフしますと。でその時にやっぱり出てきて欲しかった。それはプレーオフというものは、あのドキドキする緊張感というのは、見てるほうにも参考になるんだ。ですごく刺激になる。それをやっぱり味わって欲しかった。

 でそれが思った数ほど出てこなかったのが、自分としてはちょっと今回の不満点だったね。まあでも、それでもみんなから、中部のほうでやってくれてありがとうみたいな言葉をたくさん聞けてよかったけどね。


(1998.5.25掲載)

アルバトロス記念プレゼント

 トミーチャレンジは基本的には毎試合出ます。それがやっぱり試合に出る選手が願ってることだし、やっぱり僕が出るっていうのは、アンケート調査でも評判が高いね。

 アンケート調査で何が多いかっていうと、まず試合の緊張感がある、それから実戦の勉強ができる、それから中島プロに会えるとか、自分の実力を試すことができる、とかいくつかのポイントがあるんだ。またアンケートの集計がちゃんと終わったら報告するね。

 それよりもたいへんだねぇ、WOSS。どうなっちゃうんだろうね。先週も文春と宝石に載ってたけど、こればっかりはどうなるかわかんないねぇ。

 なんか最近ワッツの事件だとか、ジャンボのWOSSだとかさ、ちょっとこう滅入っちゃうようなニュースばっかりだね。せいぜいあるのは中島プロのアルバトロスの記念のドライバーの抽選がどうのこうのぐらいで。でもそんなの大火事になってるところに、バケツ1杯で水かけてるようなもんでさ(苦笑)

 ドライバープレゼントっていろんなところでやってて、なんだかんだで30本ぐらい出てるんじゃないかなぁ。なんでも東京スポーツに応募してきたのは、締切日以降も混ぜると、5本のドライバーに対して3000枚来たんだって。すごい数だよね。当然その中には1人で何枚も書いてる人がいるだろうけど、すっごいよねその熱意が。おそろしいことですね、これは(苦笑)

 ここでもなんか考えなきゃね。そういう読者プレゼントみたいなのを・・・じゃあ西遊記の読者プレゼントでなんかいこうかな。そうだねぇ、アルバトロス記念でバイザー・・・バイザー5個。サイン入りで・・・バイザーと手袋とボール、5個ずつセット。うん、そうしよう。

 応募とかは・・・清水さん、まかせた(笑)


(1998.5.26掲載)

日本プロ3日目

 ちょっとひと休みしちゃったね、日本プロと先週と。いやぁ日本プロはいい感じできてたんだけどねぇ。3日目がねぇ、悔しいんだよ。

 3日目は2日目よりぜんぜんティーショットの安定感あったんだ。ティーショットの安定感があって、でちょっと悪かったのがやっぱりアイアンがちょっと悪かったかなぁ。

 で思ったよりもグリーンのアンジュレーションがきつくて、それに翻弄されたところもあったね。パターはそれなりによく決めたんだ。よくがんばったんだけど、やっぱこう力つきちゃったっていうところがちょっとあったね。

 中継とかで見たかな、17番。グランデージの17番は雰囲気は悪くないホールなんだ。難しくてもこう打つとこう・・・でも難しかったね(苦笑) あのホールはティーグラウンドとグリーンが池に張り出してるんだ。

 コース全体のコンディションはよかった。フェアウェイもしっかりしてたし、グリーンもよかったしね。ただどうしてもああいう感じでアンジュレーションがきついから、グリーン周りのアンジュレーションきつくなる。だからどうしても水が逃げきらないところがあって、どうしてもそこが膿んじゃう。ぐじゃぐじゃになっちゃう。まあそういうところがいくつかあったね。

 まあグランデージは傾斜が強すぎるよね。ちょっとね、ちょっと傾斜が強すぎるねぇ。まあ与えられたところで全力を尽くすのが僕たちだから、プロなんだから、まあとやかくは言えないけどね。

 言っちゃいけないし、うん、グリーンの傾斜がきつくったって、1人だけ傾斜がきついわけじゃなくて全員が同じなんだから、そういう中でやっぱりこういうことは、泣き言は言っちゃいけないね(苦笑) 反省。


(1998.5.27掲載)

先祖は漁師かも

 日本プロの時は、橿原神宮前のホテルに泊まって、そこからグランデージへ行ったんだけど、吉野川沿いを途中ずっと走ってくんだ。この吉野川ってけっこういい川だね。雰囲気があってね。鮎いっぱい釣れるっていうんで、鮎釣りにはいいけどちょっとそういう暇もなかったね(苦笑)

 そういえば川奈行った週の火曜日に釣りに行ったんだ。川奈港の防波堤から釣りをしたんだけど、5人で行ったのね。僕と息子と息子のキャディと、それからクラブ職人、僕のキャディの今井君で行ったんだけど・・・先祖は漁師かも知れないね(笑)

 いっぱい釣ったよ。だいたい手のひらサイズよりも大きなやつを7、8枚釣った。メジナ。大きなやつが3、4枚、でちっちゃなやつを5枚ぐらい釣ったね。まあ食べはしなかったんだけどね。

 だって川奈に持ってって食べるわけにはいかないでしょ。ホテル持ってって作ってくれって言ってもねぇ。

 実は昔、伊東の港で釣って、鱚っていう魚を釣って持ってって、それを天ぷらにしてくれたことあったんだけど、それもこそっとね、内緒ですよって言ってね。ホテルの厨房の人が、まあレストランで出してくれたんだけどね。

 ちゃんと料理してね、内緒ですよって言って出してくれたんだけど、なんかそう言われると、あぁ次はまずいなぁなんて思ってねぇ。だから今回はこれ持ってっちゃまずいなと思ったんだ。

 で、キャディの今井君っていうのが、川奈港の近くの民宿に泊まってたんで、そっちへ持っていってもらって・・・煮て食べたって言ってたかなぁ。おいしかったって言ってたね。


(1998.5.28掲載)

またか(苦笑)

 いやぁだいぶね、調子よくなってきたよ、また。ただ昨日ちょっと時差ボケかかっちゃたんだ。2時に起きて寝れなくなっちゃった。起きてっていうか、2時に目が覚めちゃって、寝れないんだ。

 早く寝なきゃ早く寝なきゃと思いながら、4時半ぐらいになって、少し眠りかけて、でも15分してまた目が覚めて、で、はあぁまだ寝なきゃまだ寝なきゃと思って、でまたしばらくして5時半ぐらいから15分寝てまた目が覚めて・・・完全な時差ボケだったね。

 特に原因というのは思い当たらないんだけど、火曜日の練習ですっごい調子よくなってきたんだ。こりゃいいなぁって思って、そのなんか興奮があったのかねぇ。

 四国での試合は今年2回目かな。いままで四国ってあんまりなかったよね。昔日本プロがあったのはあったけど。

 しかしコースはすごいよ。なんか鰻の寝床じゃないけど狭くって、なんかちょっとこうトリッキーだね。で36ホールある中でのピックアップホールで、パー71になってるんだけど、480ヤードパー4とかね、そんなホールがけっこうあるし。だからといって広いのかっていうとそんなの広くない。時差ボケの頭の中で考えながら、これどうやって攻めたらいいんかなぁとかって感じだった。

 今日は午後のスタートで、午後からあんまり天気よくないんだよね。で2日目は午前中が天気悪くて、午前中のスタートなんだよねぇ(苦笑) またかって感じだよね。

 あ〜あ、時差ボケであくびが出てきちゃったよ(苦笑) なんかそこだけ心配なんだ。


(1998.5.29掲載)

高知っていいとこだねぇ

 そういえばトミーチャレンジの報告で僕のスコア書くの忘れてた。トミーチャレンジ2戦は1オーバー、73でした。最初の5ホール4オーバーで、その後なんとか前半2オーバーまで戻したって感じで、後半が1アンダーかな。

 やっぱり日本プロの疲れがあったねぇ(苦笑) 奈良から車で、自分で運転していったからね、亨の車の後について。けっこうねたいへんだったね。

 今回もパーゴルフとアルバとね、Todayとダイジェストがきてくれたよ。ついでにトミーチャレンジホームページのアドレスを雑誌にのっけてくれるといいねぇ。この次の第3戦の時に言ってみよう。

 記事のほうも、まあ1年やってくうちにだんだんだんだん形になってくると思うんだけど、特にパーゴルフとアルバは、しっかりと応援してくれるということを約束してくれたし、その言葉を信じたいね。

 話は変わるけど、岐阜のね、レキシントンホテルだったかな、たぶん泊まったホテルがね・・・レキシントンだったかなぁ・・・すごくいいホテルだったよ。ちょっと名前ど忘れしちゃった(苦笑)

 ぜひ今度誰か行かれたら泊まったほうがいい。長良川の上流のほうにあるホテル。言葉がちょっとみゃあみゃあ言葉に近いところがあるけどね。

 で今は高知にいるわけだけど、いいとこだね、この高知って。いま泊まってるのが土佐ロイヤルホテルっていうところで、目の前の海がすっごくきれいだよ。いやぁここのホテルから見る景色は、そのままアメリカまで届くんじゃないかっていう感じに見えるよ。


(1998.5.30掲載)

家族旅行

 長女からビデオレターが来たんだ。アメリカの生活風景を30分ビデオにして送ってきたんだけど、あいかわらずだね。まあ元気なのがいちばんだけどね。

 ビデオレターもいいけど、やっぱり手紙のほうが風情があっていいよね。手書きのほうが風情があるでしょ。独特のこう・・・その人の書いた文字の、文字の向こうに人が見えるみたいなね。

 ただその点パソコンなんかでも、例えばEメールにしてもなんにしても、やっぱりこう同じ字でしょ。だからその向こう側にその人が見えないっていうかね。

 例えばこう、ありきたりの「そろそろ夏が近づいてきましたね」っていうような文字でも、その文字をどういうふうに書くかでその人の性格までこう想像したくなるような・・・文字からね。

 そういう点ではみなさん、せっせと手紙を書きましょうっていうところだね。でも手間かかるからねぇ(苦笑) 1ページ書くのに30分ぐらいかかっちゃうよ。まあ、それでさえも最近書いたことないけどね。

 ただ肉親に書くってのはなかなかできないよね。でも生きてるうちに書いておいたほうがいいよね。いっぺん家族で旅行ってのがいいかな。でも旅行っても金かかるしね。ただで行けるわけじゃないもんね。

 なんかもうちょっと日本も旅行が安くなるといいんだけど・・・ヘタしたら海外のほうが安いもんね。家族4人で北海道・沖縄とか行ったら、そうね3泊4日で40万ぐらいかかるよね。小遣い、旅費、おみやげ、要するに飛行機代、宿泊代、おみやげ、それからお弁当代みたいな感じでいったらかかっちゃうね。

 僕の場合は日本中かけまわってるから、家族で旅行っていうことはあまりない。家族が試合先に来るとかしかないねぇ。でもこう見えても去年は温泉に3回ぐらい行ったんだよ。前に話をした奧鬼怒川とかね、けっこう行ったね。露天風呂はいいよねぇ。


(1998.5.31掲載)

腫瘍ができたことがあった

 実は今から10年前に、ちょうど股のところに、股関節のところに腫瘍ができたことがあったんだ。

 まあ先生が言うには、このぐらいだったら、組織検査するんだったら取っちゃおうかっていうようなこと言うわけ。ちょうどオフだったし、まあ取ってもらった。

 その腫瘍はだいたい親指の上半分ぐらいあったんだ。でまあ組織検査をするっていうことになったんだけど、あれ4、5日、1週間弱、答が出ないんだよね。検査の間。

 その間ねぇ、いろいろ考えたよ。もしこれが悪性だったらどうするんだろうなぁ。悪性だったらそれこそじゃあ放射線治療だとか、いろんな抗ガン剤だとか、いろんなことしなきゃいけないのかな、やだな、それ、とかね。

 そんなことしたらもうゴルファーとして終わっちゃうなぁとか、終わっちゃうなぁっていう言い方は変だけど、途方もない時間がかかっちゃうなぁとかね。だったら手術しないほうがいいかなぁなんて思ったりもしたね。あとはほったらかしにしといたほうがいいんじゃないかなぁとか。

 ある意味で、今もし、自分の体の中にそういう腫瘍が発見されたとしたら、僕は杉原さんと同じだね。やっぱ手術しない。やっぱりね、10代20代30代じゃないんだよね。30代だと、手術しても間に合うっていう気持ちがあるんだよね。