バックナンバー(1998.6)


 

(1998.6.1掲載)

1つの死

 僕は今43歳で、10月になれば44歳。検査した腫瘍がガンで、ほんとに治療を必要とするもんだったら、やはりそのどのぐらいかかるんだろうとか、その間自分は年取っていくし、そのリハビリっていうか復帰まで時間かかるし・・・とか、10年前じゃなくて今だったら考えちゃうね。

 人間いつか死ぬんだから、杉原さんも言ってたけどねぇ、人間いつか死ぬんだからいつ死んだっていいじゃないか。いまガンで死ねたほうがかっこよく死ねるじゃないかと・・・いやぁ僕かっこいいと思うよ。

 だってさ、中島常幸ガンになりました。でもう手術せんで、ガンをそのまましょって、とことんやって、じゃあ動けなくなった、3年後に動けなくなった、3年後か1年後かわかんないけど、46、7歳で死んじゃったと。

 いやぁ惜しかったなぁ、彼の人生凄かったな、炎のようなもんでとかさ。これね、ほんとにガンの患者の人が聞いたらね、怒るかも知れないね、こんなことは。何言ってんだって、ガンってそんなもんじゃないよって。

 怒られちゃうかも知れないけど、あえて言わせてもらえばスポーツマンっていうのは、プロの選手っていうのは現役を終わる時ってのが1つの死なんだよね。

 だからその死っていうものに突入するか、あるいは回避するか。若かったら回避できる。32、3歳でガンって言っても、あぁだいじょぶだよ、手術してさ、35歳から復帰できるようになるはずだよって思えるよ、本人が。

 でも今、この年になると思えない。今手術なんていったら、うーんって考えちゃう。むしろほんとに、雑誌の記事じゃないけど、ゴルフやめる時は死ぬ時だって、ほんとにその言葉通りになれるからね。


(1998.6.2掲載)

スライスラインが……

 そういえばプレゼントって、何送るんだったっけ?(苦笑) サンバイザー・グローブ・ボールをセットだったよね。最近忘れっぽいからさぁ(苦笑) いかんなぁ。

 なんか東京はここのところ涼しかったみたいだね。でも今年も暑くなるだろうねぇ。って、こんなこと話してる場合じゃない、ゴルフの話しないとね。

 いやぁ、うん、伸びないねスコアが。なんとかしなきゃねぇ。先週はちょっとスライスラインが入らなかったね。スライスラインのパット、入らないっていうのは、要するに読み切って、まあいいストロークして、それが結果的に入らないのはしょうがないんだけど、打ち方のミスで発生するのがずいぶんあったんだよね。

 スライスラインが・・・ちょっともったいなかったね。終わってから計算してみたんだけど、スライスラインって4日間で13発。1ピンぐらいのやつでね、13発ミスしたね。

 1ピン以内のやつがちょっと多すぎたねぇ。だからそのうち、まあ1ピンぐらいだから2メートルぐらいのやつが、まあ60%から70%入ったとしても、まあ10アンダーぐらいまでは楽に届いたかなぁっていう感じだったね。まあしょうがない、ヘタだったね(苦笑)

 これで5月も終わり。ワッツの事件に始まり、WOSSとか、なんかゴルフ界は怒涛の5月だったねぇ。


(1998.6.3掲載)

ツアーも再編成?

 これで今年は四国で2回トーナメントをやったわけだけど、四国でプロスポーツの試合があるというのは少ないし、いいことだね。あってもせいぜいプロ野球のキャンプぐらいだからね。

 なんかね、三菱ギャランが今年で終わりになるという話が多いんだよね。いまいろんな話が出てて、日本プロが動くんじゃないかとか、日本プロとマッチプレーが入れ替わるんじゃないかとか、いろんな話がいま飛び交ってる。

 また最新の情報が入ったらお知らせします。でも、ギャランがなくなるのはほぼ確実みたい。

 自動車業界って、いま自動車自体が売れないでしょ。でやっぱり再編成、合併吸収だとかいろいろあってたいへんなんだろうね。でも日本の自動車メーカーの試合が海外ではあるんだよね。国内でやっても意味がないっていうんじゃないだろうなぁ(苦笑)

 でも海外の試合というのは、やっぱり他のスポンサーが相当出してるから、1社だけで特別に負担っていうのが・・・どうなんだろうね。

 まあ、ある意味では自然淘汰の1つだろうね。やっぱりできるところが残っていって、できないところがやめていって。そうすると日程調整ってしやすくなってくる。その中でさらにお互いいろんなことが考えられるだろうし、マイナスに考えずにプラスに考えていきましょう。

 去年で終わったゴルフダイジェストは、やっぱり会社としては苦しいからねぇ。1社で試合のスポンサードするには、そんなに大きな大企業じゃないから、そういう点ではやっぱり前から無理してたことがあるしね。

 あとジャストシステムもたいへんみたいだよね。まあ逆にジャストシステムが抜けて、試合スケジュールがもう1週間後ろにきてくれると、暖かいところでできるという利点はあるね。1週間温度が楽になるからね。


(1998.6.4掲載)

ゴルフ界の改革

 僕が思う日本の中の適正なトーナメント数ってのは、やっぱりいいとこ30じゃないかなぁって思うんだ。まあ多すぎるってのはある意味で贅沢だけど、いろんな意味で海外のマスターズだとか、メジャーを取り入れていく分も考えると、やっぱり30ぐらいになったほうがいいんじゃないかな。

 そうすると例えばメジャーとか、例えば全米オープンのマンデー、あるいは全英オープンのマンデーっていうのにチャレンジする人間も増えてくるだろうしね。

 あと、試合が少なくなって、もうちょっと春先の試合がずれてくれれば、アジアサーキットに出てく選手もいるだろうし、自分の体を作り直す人も出てくるだろうし、時間もできるだろうし、そういう点ではいろいろできるよね。

 まあその数が、25を切るのは少ないだろうけど、30とか31、2じゃないかなぁ。ワールドツアーも始まるわけだし、これからどういうふうに変えていくか。ある意味ではそういう改革ってのはゴルフ界にも押し寄せるだろうね。

 そもそも日本のゴルフシーズンはどう考えても3月中旬からだろうね。それでも寒いからね。ほんとはやっぱり4月からだね。4月の第1週ぐらいから11月いっぱいぐらいまで。

 そうすると、12月1月2月3月ってのはやっぱり海外へ行ったり、自分で徹底的に体を作り直したりとかそういう時期にできるしね。あるいはチャリティトーナメントだとかチャリティゴルフとか、催し物とか、そういう余裕のある中でできるよね。

 前にも書いたけど、日本と違ってアメリカの場合、特にメジャースポーツ、バスケットボールとか、野球、フットボール、それからアイスホッケーとか、そういうものがメインっていうか、いちばんおいしいシーズンを、各スポーツのメジャーとバッティングしないようになってるよね。そこが偉いっていうかな、日本もみならわないといけないね。


(1998.6.5掲載)

道具の使用契約

 そういえば最近質問にぜんぜん答えてなかったね。オン・ザ・グリーン会議室で書かれてたこととか、メールでもらったものとか、いくつか答えたのはあるんだけど、とりあえずこないだメールで来てた件についてちょっと書いてみよう。

 道具の使用契約っていうのは、その選手によっていろいろ違うんだ。

 例えば用品契約だと、ボール契約してる人はそのボールを使うわけだね。例えばジャンボJ'sというブランドを作ってっていうか、まあメーカーに作ってもらって、それを使ってたわけだけど、さらにそれを道具だとか、ウェアだとかに発展させていって、トータル的にJ'sっていうブランドを作っていったわけだ。

 でもまあごくごく一般的なプロ、例えば細川とか、あるいは丸山・・・まあ丸山は今自分のモデルのアイアンを作ろうとしてるけど、基本的にボールの話をすると、例えばレイグランデ、あるいはプリセプト、ダンロップで言えばニューブリード、そういう各種のボールの中でどれを使いますか?というようなパターンでボールを使っていく人がいる。

 じゃあ用具のほう、今度はクラブのほうとかウェアのほうっていうのは、基本的に、これは基本的にだけど、メーカー側が戦略を立てるわけだね。この商品でいきたいと。

 例えば車で言えば、トヨタがセルシオを売りたい、クラウンを売りたい、あるいはプリウスを主力商品にしていこうと思えば、それに合った物を使わせるわけだよね。

 だからこれをゴルフにすると、例えばミズノのウェアで言えば、グランドモナーク、アクシー、それからブリティッシュオープン。この3つが基本的なラインになる。じゃクラブはとなると、ビッグM、ミズノプロのビッグMね。それからT-ZOID。このへんが主力商品になる。

 じゃあビッグMを川岸君と鈴木君と米山君にお願いしたい、T-ZOIDは手島君だとか佐藤君だとか桑原克典君にお願いしたいと。要するに、この商品をこの選手でいってもらいたいていう、そういう基本ラインがあるんだね。

 だけど、じゃあ鈴木亨君がね、T-ZOID使ってくれませんかとメーカー側に言われたとしても、自分はT-ZOIDよりもビッグMのほうがいいなぁと思えば、そりゃビッグMを使ってくわけだし、そのへんのこう柔軟性っていうのは非常に多いんだ。


(1998.6.6掲載)

機能性・実用性・耐久性

 用品を開発する上では、例えばアイアンをこうしてほしい、アイアンのネックをこうしてほしい、ブレードをこうしてほしい、溝はこうやってほしい、それからシャフトのしなりがこうだ、いろんな注文をしていって、その商品を完成してく上でのアドバイスを送っていく。

 TNはやはりそういう形でやってたら、中島プロのオリジナルという形になっていった。昔はこういうふうに、作らせた物が非常によくて、それをさらに開発してくというパターンがあったね。結局それが最終的にTNに変化していったわけだね。

 まあミズノっていう会社はそこでTNのウェアを作ろうとかそういうことはなかったね。それをもっとトータルでやっていったのがブリヂストンのJ'sだったと。

 まず最初にやっぱりJ'sもJJJのアイアンがあって、そこから、JJJからJ'sに発展していったわけだけど、TN87っていうのはあれだけの評価を得たクラブだったけどクラブだけにした。そこにはクラブだけにとどめていった会社の戦略っていうのがあるわけだし、これは一概にいいとか悪いとかって言えない問題だね。

 これはもう会社を経営する、要するに上層部の人達が、中長期あるいは短期、そういう経営上の戦略を立ててやっていくわけだから、それに対しての口出しというのかな、そういうものはできないよね。

 で、ウェアで言えば、袖がひっかかるだとか、肩口をもっと肩のところをたっぷりしたほうがいいんじゃないかとか、シャツは前よりも後ろ側を長くしたほうがいいんじゃないかとか、素材はこっちよりもこっちのほうがいいとか、そういうアドバイスを送ってく。そうやって商品にしてくと。

 要するに機能とそれから実用性、あともう1つは耐久性。でミズノの場合、この耐久性っていうものを、他のメーカーよりもはるかに強く考えるから、どうしても素材とかデザインとかって言う部分に影響しちゃう。

 例えば柄を多くすればするほど汗の発汗が弱くなったりとか、色あせの問題だとか、いろんな様々な問題が出てくるんだよね。ミズノというのはそういう部分から、非常にその耐久性っていうことを考えてく会社なんだ。


(1998.6.7掲載)

プラスアルファのある選手

 クラブの話もまだしたいんだけど、その前に・・・今回ねぇ(苦笑) やっぱり日本プロの3日目からパター引きずっちゃってて、でもうとことん直してきましたよ。

 まあショットのほうも前から言ってたけど、もう少しよくなんなきゃいけないっていうことで、今回悪いところを全部洗いなおしてきたっていうとこだね。だから2日日の後半はいいゴルフができた。風強かったけど。パターもよくなってきたし、ショットもよくなってきたね。詳しい話は後日書きますね。

 それよりいよいよサッカーワールドカップがいよいよ間近になってきた。でもこないだのカズと北沢が代表からはずれたのどう思う?

 そりゃあね、カズの運動量が減ってきてるのは事実だよ。そりゃあ若い頃に比べればね。でも実力だけじゃなくてプラスアルファがある選手っていうのは少ないんだよね。

 で、そういう選手を代表からはずすんだったら、25人も向こうに連れて行かなきゃよかったんだよ。そりゃあ監督として非情になるというのはいい。でもだったら最初から22人で行けばいいよね。キリンカップにも出さなかったんだから。

 連れていって向こうで合宿した時に、プラスアルファを出せる選手というのはすごいよね。いるだけで頼りになるわけだ。やっぱり実力はあるけどそれだけ、という選手とは違うじゃない。

 ましてカズみたいに、いままでずっといろいろ貢献してきて、歴史を作ってきた選手に対して、非情はあったとしても非礼はあってはいけないと思うんだ。

 まあそれはともかくとして、もうすぐ始まるわけだけど、ここまできたら1次リーグ通過してもらわないとねぇ。でも1勝できるかできないかかも知れないなぁとは思ってるんだけど(苦笑)


(1998.6.8掲載)

グリーン上の不快感

 今回のJCBはほんとに残念だったけど、日本プロの3日目からパッティングがちょっと悪くなったんだ。まあそこそこは入ってたんだけど、わかるかな、いちばん今年の春先ぐらいに、やぁグリーン乗って楽しくなってきた、グリーンの上が楽しくなってきた楽しくなってきたって書いてたことがあったよね。

 それと同じで今度グリーンの上に乗ってなんか不快感があるわけ。この不快感ってのがあるんだ。それがなんか、こう日に日に大きくなってくる、悪いイメージがどんどんどんどん成長してくるような感じで、あぁスライスライン、こんなにパットのライン読めてて、あぁこんな打ち方で、こんな打ち方でっていうかな、ストロークがなんかこう変なんだよね。

 その変っていうのは、前言ってた左手が震えてはずれるようなイップスとは違って、ストロークそのものから打ち出されるボールのラインが自分の思ってるラインに乗らないってことなんだ。

 結局ラインに乗らないっていうのはどういうふうになってくるかっていうと、だんだん打てなくなってくる。そりゃあラインからはずれるんだから、強く打てば絶対にオーバーしてっちゃうのはわかるわけだよね。ラインに乗るから、自分の打ってく方向にしっかり出るから、それは強めにも打てるわけだよね。

 要するに1メートル、じゃあまっすぐだから強めに打とうとか、カップの内側狙って強めに打とうとか、そういうふうに思えるわけだけど、そのカップの内側に、狙ったところに出ていかないと打てないんだよね。そうするとだんだんだんだん弱くなってくる。

 1つの原因に考えられるのは、川奈があったよね、川奈のフジサンケイ。川奈っていうのはみんなが知ってるように、高麗グリーンで、すごく目が強くて、もうある方向から打ったらすごく重たい。である方向から打ったら、まあ順目だと速いんだけど、まあ基本的には重たいパット、要するに自分で打たなきゃと思うパットが全体の3分の2以上あるよね。

 でその中で、自分のストロークがどんどんどんどん叩き打ちになっちゃったって言うのかな。パンチ打法になっちゃった。要するにどんどんどんどんインパクトを強くするから、ヘッドがこうパチンパチンと当たるように、ボールに当たるようになっちゃった。それが1つに原因きてるんじゃないかなって思うんだね。


(1998.6.9掲載)

パットの悪循環

 つるやとかクラウンズぐらいっていうのは、パッティングをストロークで打ててたんだ。だから、距離に対して、ラインに対して、ストロークを守っていけばいいっていう、守っていけばっていうかストロークをすればっていうふうだったんだけど、フジサンケイに行った時にそのストロークプラス、打たなきゃいけない、力を入れるストロークになったから、それがすごくやな感じがしてたんだ。

 で日本プロに行った時、初日2日目はそれほどでもなかったんだけど、3日目の雨風があった。特に風が強かった。で風が強くなってきた時に、やはりゆっくりゆっくりというか、ストロークをなめらかにすーーと打っていくことっていうのがやっぱり気持ーちしにくくなるよね。

 それでその時に、フジサンケイのパッティングストロークが、自分の体の中に思い起こされちゃったというか。やらなくてもいいのにそういうことが出ちゃったっていうのが、まず今回のきっかけじゃないかなと思うんだ。

 パチンパチンというストロークに変わってくると、フェイスに対してボールが乗ってく時間が、まあフェイスに対してボールが乗ってく時間というか、ボールがこうフェイス面にスクエアに当たってる時間というかな、そういう物が短くなってくる。

 だからやっぱりどんどんどんどん出だしが狂ってく。要するにシャフトのしなりも強くなるし、インパクトでヘッドが止まるようになるし。強く打つから逆にヘッドが止まってくるわけだね。そうするとフェイスの面が狂う。フェイスが狂うからやっぱりラインも狂う。自分で向いてるところに球が出ていかない。不安になる。やっぱりちょっと強く打てなくなる。そういうのがすごく出てきたのが日本プロの3日目からなんだ。

 でギャランでは長いパットとかいくつか入ったんだ。10メートル以上のパットっていうのが3、4発ぐらい入ったのかな。でもこないだも書いたけど、1ピンぐらいの取りこぼしっていうのがけっこうあった。1ピンぐらいのやつを十何発かはずして、それが自分でラインが読めているのにそこに乗せられなかったんだ。それがすっごくやだったんだ。


(1998.6.10掲載)

いやなシナリオ

 JCBの初日、1番のスタートホールでぽーんと打って、セカンドがピン手前4メートルぐらいのバーディチャンスについた。3、4メートルで、上りのほとんどまっすぐ、ちょっとスライスなんだ。左淵ぐらい狙うぐらいなんだけど、もうほとんどまっすぐでもいいというパットで、それを非常にやなひっかけのパットを打ってしまって、あぁまだ直ってないのかなぁっていう感じがあった。

 で2番はティーショットが左のセミラフに行って、そこからフライヤーしてグリーンをちょっとオーバー。ピンまでそんなに難しいアプローチじゃないんだけど、自分の気持ちの中にやっぱりこういやなシチュエーション、やなシナリオができちゃってる。

 普通だったら、グリーンがおもしろければ、アプローチっていう物にも負担かかんないし、セカンドにも負担はかかってこない。そういう意味では逆だよね。もうグリーンに行ってやだから、寄せなければいけない寄せなければいけないってなっちゃう。

 でそのアプローチも結果的に1メートルちょっとぐらい1メートル半ぐらいかな、上りのスライスが残って、それを今度はもうぜんぜん右にプッシュして、でボギー。

 あれぇ? やっぱりなんか自分の中にある物がしっかり大きくなっちゃてる。やなもんが大きくなっちゃってる。

 次の3番のミドルに行った時に、セカンドがPSで70ヤードぐらいかな。これを50センチぐらいにつけたんだ。でこれをバーディなんだけど、その50センチのパットの時にもやっぱりこうなんかいやなんだよね。

 4番のロングは、3メートルから4メートル弱ぐらいの距離から3パットなんだ。ファーストパットちょっと強めにいこう。ラインも左からちょっとスライスで、1カップぐらいスライスなんだけど、強めに打ったら80センチぐらいオーバー。で今度はその返しのパットを左にはずした。

 あぁやっぱりもう完全にラインに乗らなくなってる。そういうのがもう自分の中で、これは直さなきゃいけない、これを試合中に直さないともうこれダメだぞと思ったんだ。

 パッティングに関しては、練習では試合の緊張感っていうのが乏しいからね。やっぱり試合の中で直していかなきゃいけない。でその後はもうその研究に費やしたっていう感じだったね。

 これをしないと、例えば予選通過して、さぁ3日目4日目っていうふうにスコア伸ばしていける雰囲気じゃないんだよね。だからなんとかこれを早く、原因がどこなのか追求しなきゃいけないっていうのがあったね。


(1998.6.11掲載)

これだこれだ

 もうちょっとJCBの初日の話を。4番まで書いたから・・・9番が3パット、10番も3パットして、でずっと・・・もうその日1日は昨日書いた3番の50センチのバーディが1回だけなんだよね(苦笑)

 結局初日は130位ぐらいで、もう予選通過は厳しいっていうところだったけど、もう2日目とにかく早くグリーンに出たい。2日目のラウンドに早く行きたい行きたいっていう気持ちだった。

 初日終わって、パッティング練習を、まあ背中の問題もあるから休み休みだけど、1時間半ぐらいやったのかな。でいくつかヒントをつかんで、初日の夕方終えたんだけど、2日目、そこでやった練習のうちの1つがこううまく打開策になったっていうのかな。

 まあ結果的にみても2日目は3パット1つもなかったし、3メートル4メート以内の、入れたいな、これを元気だったら入れられるなっていうパットをうまくラインに乗せて3発ぐらい入れられることができた。

 それともう1つ自分の中の手応えっていうのがある。叩き打ちになってくるとヘッドはどんどんどんどん出なくなる。インパクトして終わりっていう感じなんだけど、ヘッドが出るようになってきたんだ。打ち終わった後にヘッドがすーーと前にカップのほうに向って出てくようになった。

 あぁこういうストロークだよ、こういうストローク、これだこれだっていうふうな自分の中に実感っていうのが出てくる。その実感が出てくると、やっぱりおもしろいもんで、グリーンに上がった時に、自分の楽しみが違うっていうところがあるね。

 例えばこういうふうに考えたらいいね。みんなもわかると思うんだけど、テスト、中学とか高校でテストやるよね。その時に、手応えあったよ!これはめちゃくちゃ手応えあったよ!!っていう時のテストの結果を待つのと、もうぜんぜんできなかった、これはもう赤点も赤点、大赤点、どうしようかっていう、その結果を待つ、そのぐらいの違いがあるんだ。

 やった!っていう手応えのテスト終わった時か、ダメだったぁって思うテストの時の違い。この心理に非常に似てる。テストってのは先生からまた戻ってこないと何点だかわからないよね。これパットも一緒じゃない。入るか入らないかは結果が出るまでわからないよね。そのグリーンをホールアウトしてみないと結果は出ないわけだね。

 ところがそうじゃなくて、その前に手応えがあるかどうか。その違いっていうのはそのテストの雰囲気と一緒だね。自分で手応えあった、これはもう満点に近いぞと、それが結果的に90点か85点かはわからないけど、でもそのテストの結果を待ってる時の心理、その楽しさっていうのはやっぱり自分の体の中にどんどんどんどんいいホルモン出してくるんだ。


(1998.6.12掲載)

ショットとパット

 JCB2日目にパットがよくなってきたことに、もう1つ関連してたことがあるんだ。それは、ショットとパットっていうのはまったく違うもんじゃなかったっていうこと。

 これはどういうことかっていうと、今年の春先にバンカーショットが悪いって書いた気がするんだけど、つるやの前、3月ぐらいかな、バンカーの練習をとことんやったんだ。その時に右手のグリップをちょっと変えてみたんだ。

 いつもよりもフィンガーに、パームからフィンガーに持つようにして、バンカーショットするようにしたら、すごく腕の抜けがよかったんだ。あっこれいいなぁって思って、これショットにも使えないかなぁて思って、それをショットにも活かしてきたんだ。そしたらショットもすごくよくなってきて、結果的にパッティングもよくなってきたんだね。

 それをまたちょっと思い出したっていうか、ショットが初日あまりよくなかったからショットのほうで春先の3月に発見したフィンガーのグリップを少し取り入れてみたら、ショット自体も非常によくなってきて、それがなんかパッティングのほうにも影響してきたっていうのかな。なんか非常に右手の収まり方がよかったっていうか、そういうところがあったね。

 だからドライバー、要するにショットとパットというのはある意味では、そういうふうにリンクしてるんだなっていうところがあったね。まったく別物じゃないと。

 さて今週は北海道、その後よみうり、でミズノ。それからフィランスロピー。いよいよ全英オープン出場者も決まるわけだけど、そうねぇ、全英オープン行きたい行きたいって言ったってねぇ・・・もうそれはうーん、行きたいよね、ほんとはね(苦笑) ほんとは行きたい。

 実質あと、僕にとっては3試合残ってるわけだよね。3試合のうちの2席あるわけだよ。それは賞金ランキングのほうの順位と、それともう1つはミズノの単発の、その1つのトーナメントでの最上位と。この2つの可能性にかけるんだけどね。まあ早く、とうきゅうででも、パッティングのフィーリングを戻したいね。

 もうたぶんこれでヘッドが出るようになったわけだし、ヘッドが出るってことはラインに乗るからだいじょぶだと思う。また左手がきたらもうこれはほんとに終わりだけどね。左手じゃなかったからほんとよかった。


(1998.6.13掲載)

もう1つの伏線

 今週、いやぁやっちまいました。2週続けてはもう使えないねぇ。いやでもね、うーんなんて表現したらいいんだろう。まあヘタはヘタなんだけど、一生懸命・・・一生懸命って自分で言うのもなんなんだけど、そうね出口、パッティングのこないだから入りかけた迷路、あれがね、それこそ出れたかなっていう感じはあるんだ。

 そういえば先週は、これまた無謀と言えば無謀なんだけど、もう1つ伏線があったんだ。それはどういうことかっていうと、トミーチャレンジを火曜日にやって、で水曜日にコースに行った時に、プロアマの組み合わせだったんだ。そのプロアマは当然出る予定だったんだけど、首を寝違え、まあ寝違えじゃないんだけど、ちょっと右の首が張っちゃったのね。それでやめると。プロアマ悪いけどキャンセルさせてくださいということにした。

 で、トレーナーがきてるトレーラーハウスがあるんだけど、イギアっていうところがやってるんだけどね。そこのトレーラーに行って、トレーナーの人にマッサージしてもらって、あぁこれずいぶんこってますよっていうことでいろいろやってもらったんだ。

 それをやり終わった後に、いま92グラムのシャフト使ってるんだけど、少しシャフトが軽量になった88グラムのシャフトができてきたんだ。でその88グラムのシャフトにして、要するにほんのちょっと軽めの感じなんだけど、新しいドライバーをミズノのワークショップで作っておいてもらったんだね。

 で、練習ラウンドしてないから、ぶっつけになるわけだね、試合の中では。その日は首の治療があるから練習できないし、その次の日の木曜日のスタートが早かったから、その早い中で練習するしかなかった。

 それで朝の8時36分かな、スタートが。7時半ぐらいから練習しはじめてドライバーチェックしてたんだけど、まあどっちかっていったらこの新しい軽いほうでやってみようということになった。首も昨日治療したばっかりだから、軽いので無理すまいと思って、で新しいドライバーを持ってったのね。で・・・それだけじゃないんだ、実は。続きはまた明日。


(1998.6.14掲載)

これじゃないぞ

 実はボールがまた・・・今度ダンロップがあのニューブリードの新しいやつを持ってきたんだ。前日の水曜日に。これがいま使ってるニューブリードマジックスピンよりももうちょっとやらかいやつなんだ。ほんのちょっと。

 やらかいっていうことは、考えればスピンが多くなるんだよね。でスピンが多くなるっていうことは、悪く言えば曲がりが強くなるわけ。

 要するに初めてのボールと初めてのドライバー、これでやったわけだね。でさらにパターを、パターが悪い悪いっていう、悪いっていうかちょっとやな感じがするっていうふうに言ったから、春先の東建からKSBまで使ったパターを、春先の3試合使ったパターをもう1回持ってきて、それでちょっと思い出してみようということでやったんだね。

 だからドライバーが違って、ボールが違って、パターが違ったわけ。でその中であの途中から強風になっちゃったから、もう悪いほうにどつぼにはまってったよね。もうどうしようもないって感じだったね。

 まあ2日目元のセットに全部戻して、まあ体も動くようになったから、もうパターだけに専念できるなと、パターのヒントを早くつかめばいいなっていうことで2日目できたからいいけどね。

 やっぱり自分の場合ゲームを組み立てる上で、まあほとんどのプロがそうだろうけど、やっぱりパッティングというのが非常に大きな割合をしめてるよね。

 いくらショットがよくてもパッティング悪かったらやっぱり優勝争いなんか絶対できないわけだし、まあショットがそこそこいってくれてれば、パッティングがよければ優勝争いにからめるし、っていうところだと思うんだけど、まあそのパッティングっていうのがやっぱり自分では日本プロの後半以降、やっぱりどうしてもひっかかる部分があったんだよね。気持ちの中でね。

 それが先週のJCBでどーんと出て、でなんとかこう光明を見つけたかなというヒントを持って、札幌とうきゅうへ行ったんだけど、まあよくなったなぁと思う反面、これじゃないぞっていう、もうちょっと違うぞっていう、そういう感じがあるんだよね。


(1998.6.15掲載)

2、3センチの誤差

 昨日ちょっと違うぞなんて書いたけど、これはどういうことかっていうと、例えばソースを買いに行ったら醤油を買ってきちゃったような・・・惜しい!って感じなんだ。

 でも札幌とうきゅうの2日目に、まあその中でものすごく大きなヒントっていうのかな、ポイントを見つけたっていうか。右手をウィークにするっていうふうにこないだちらっと話したと思うんだけど、ショットの練習がパターにも活きてきたっていうか、けっこうショットとパットはリンクしてるっていうか。

 そういうことを書いたんだけど、やはり右手のグリップというのは、パッティングの時に、よくなりかけた時とここんところの悪い時のグリップっていうのが若干違ってるんだ。それを思い出すことができたっていうかね。

 クロスサムっていって、左手を上にするんだけど、左手の親指を上にしてるんだけど、そのクロスサムでも右手のグリップはこうじゃなかったぞ、こういうグリップじゃなかったよなと。もうちょっとこうだったんじゃないかなと。

 それをラウンドの途中で思い出したんだ。それからまあ、パッティングは入らないんだけど、ストロークしたラインに乗るようになってきたんだ。自分の狙ったところのラインに球が乗るようになってきた。

 あとはもう少しなんていうか、距離感っていうかな。例えばピンを30センチオーバーする球を打てば、ちょうどそのラインに行くのに、そのラインには行ってるんだけど28センチしかオーバーしてない。あるいは26センチしかオーバーしてない。

 結果的にそれが、自分のイメージでは真ん中から入るパットなんだけど、その27、8センチの、要するに30センチオーバーから2、3センチの誤差がある分だけ、例えばフックラインとした場合、カップの左目から入る。まあ、スライスラインの場合は右目から入る。

 自分で描いてるラインに気持ーちまだ球が行っていない。ラインには乗ってるんだけど、気持ちほんのちょっとショートしたりとか、ほんのちょっと足らなくて下側にはずれたりとかね。そういうパターンがあったけど、でもラインには乗るようになってきたね。


(1998.6.16掲載)

これはいいなぁ

 日曜日は夢中になってサッカー見てた。まあねぇ、でも最初はやっぱ呂比須と・・・呂比須出しといたほうがよかったんじゃないかなぁ。呂比須とでいってっていう感じかなぁ。やっぱりね、ちょっとチャンスがあったからね。あそこでカズがいたらなぁなんてちょっと思ったんだけどね。

 ある意味ではアルゼンチンに対してあそこまで、まあ1点に抑えたというのはすごいと思うんだ。川口もよくがんばったね。

 でも今度がクロアチアで、ものすごくまた強敵だから、どうしたらいいのかっていう感じだね。それにしてもやっぱりアルゼンチンは最後までスピードが落ちなかったね。

 まあサッカーは置いといてゴルフの話。鈴木亨選手のことについてちょっと話をしようかな。まあ自分を始め、川岸、鈴木、米山、それから手島、それから佐藤信人、それから桑原克典という、ミズノチームがいるよね。

 ミズノチームっていうかミズノの選手達がいるんだけど、みんな素晴らしい選手は素晴らしい選手なんだ。素晴らしい選手は素晴らしい選手なんだけど、その中でも土曜日の鈴木亨選手のスイング見てて、あっこれはいいなぁと思ったんだ。

 彼はパッティングがいいというふうに言ってた。普段どちらかというとパットが入らないほうなんだけど、パッティングがよくきまってるというふうに言ってたわけだ。じゃあスイングはどうかなと思って見てたのね。

 で17番もいいショット打ってったんだけど、18番のスイング、後方からのカメラで捉えたスイングがあったんだけど、あの時のトップっていうのは、彼のいちばん持ち味のいい時のトップが出てたね。

 それはどういうことかっていうと、ちょうど飛球線に対して・・・続きはまた明日にします(笑)


(1998.6.17掲載)

柔の亨と剛の良兼

 さて、昨日の続き。土曜日見てたら、鈴木亨選手のトップが、自分が打ってく方向に対して、飛球線に対して、こうテイクバックのシャフトがぴったり一致するんだ。

 彼のいい点というのは、あそこまで上げるのに軸がぶれないことなんだ。要するに体をぐらつかせないであのトップまで持っていく。要するに柔軟性があるっていうことと、それからその柔軟性を支える脚力、足の力があるっていうことだね。

 ゴルフというのは力だけでもダメだし、柔らかさだけでもダメ。力があって柔らかさがあるか、柔らかさがあって力があるか。まあどっちにしてもそれの両方がないといけないんだ。

 その点、川岸良兼はちょっと悩んでるけど、僕が見るかぎりでは、彼の場合ちょっと力が優先されてる。要するに柔と剛。鈴木亨選手が柔で、良兼選手が剛になってくるわけだ。

 だから良兼が剛だったら剛でいいんだけど、その中にもう少し、もっともっと柔軟さをもってこないと、例えばパッティングの問題にしてもアプローチの問題にしてもクリアできないことが多いと思うね。

 そういう感じで柔の亨選手、札幌とうきゅうは久しぶりにあぁいいゴルフをしてるなぁと思って見てたんだ。

 でまあ、この札幌とうきゅうで、僕にもトップと飛球線にまつわる話があるんだ、実は。またまた続きにします。


(1998.6.18掲載)

トップでのヘッドの向き

 これは確かどっかで書いたような気がするんだけど、今コーチがいるって書いたよね? 書かなかったっけ?(苦笑) ここのところ忘れっぽくてねぇ。こないだもハンドバック2回、財布2回、携帯電話2回も忘れちゃった。いかんなぁ。

 話を戻そう。元々は米山君とか、奥田君とか、佐藤英之君、このへんが習ってた人なんだけど、今年の3月の静岡ぐらいからちょこちょこといろんな技術的な話をするうちに、対話ができる、要するに現象を教えてくれる、いまこうなってる、要するに客観的な現状っていうのかな、それをアドバイスしてくれるようになった井上君というのがいるんだ。

 この井上君と、まあ週の前半に一緒にいるんだけど、彼といろんな話をしてる中で、自分のバックスイング上げたところからの手の降り方の中に1つの特徴があって、それがプッシュアウトの原因になってたんじゃないかというのがあるんだ。

 それは、日本プロ・・・正確に言えば中日クラウンズの時にそれは少しチェックしたんだけど、彼がもう1つ気になる点というのが、トップでクラブヘッドが飛球線に対して要するにかぶっちゃうという点なんだ。

 要するに右を向いてしまう。後方線から見た場合に、バックスイング上げた時に飛球線に対して平行にシャフトが収まるのを理想とするよね。でもそれに対してちょっと右を向いてしまう。

 そういうクロスするシャフトのラインが、要するにその後のクラブヘッドの軌道をちょっと複雑にしてるんじゃないかということで、そのトップのラインをもう少しシャフトに、シャフトと飛球線を合わせたいですねぇなんて話をしてたんだ。

 それはどういうことかっていうと、シャフトが飛球線に沿ってくると、トップが収まってくると、ダウンスイングで手首を使う分量っていうか、手首の役割っていうのが非常に少なくなってくるんだ。

 要するに小さな動きで手首っていうのが十二分に使えるようになってくるんだけど、シャフトがクロスして右を向いてしまうと、そこから補正動作が入ってくるんで、手首の動きがすごく大きくなるわけ。でも大きくなるわりにはあまり効果がないというところがあるんだね。


(1998.6.19掲載)

こうもはまるか!?

 もうちょっとショックでねぇ。バーディは取れないわ、ショットは曲がるわ、パターは少しよくなったんだけど、ショットが3倍悪くなったって感じで。

 よみうり初日は午後のインスタートだったんだ。もうね、こらえてこらえて、で折り返して、2番終わって1アンダーになって、なんとか2アンダー、3アンダーぐらいいけたらなぁ・・・と思ったら途端にボギー・パー・ボギー・ボギー・ボギー・・・あっという間に3オーバーになっちゃった。なんだか、こんなに自分がヘタなんかと思うとなんか、泣きたくなっちゃうねぇ。うーーーん。

 で初日トップは、7アンダーでどういうわけか鈴木亨なんだよ(苦笑) 今週火曜日に、まあ祝勝会を兼ねて、まあいろいろ亨に注文があったから、大阪の堂島っていうステーキ屋さんでちょっと会を開いたんだ。

 マスターズを目標にしてがんばりなさいと。とりあえずミズノでも期待大きいんだし、まあ中島プロもいるけれど、中島プロだっていつまでも若いわけじゃないんだから、早くマスターズに何回も行けるような選手になれということで、がんばれという感じでね。

 でわざわざいろんな話をしながら、2時間ぐらい、3時間かなぁ、まあメーカーの人、要するにミズノの人が来てくれて、いろんな話をしながら、ワインを1本空けてさ、話したんだけど、それがまあこうもぴたりとはまるか7アンダーで!って感じだね。

 それはそれでいいんだけど、こっちがね、もう少しスコアを伸ばして、3アンダー4アンダーっていうのを毎日続ければね、まあいいお手本っていうかなれるんだけど、いかんせんとにかく・・・疲れたぁ〜、このヘタさ加減に(苦笑)


(1998.6.20掲載)

あぁ酒がまずい(苦笑)

 1つ勘違いしてほしくないのは、僕はここでグチを書いてるわけでも、いいわけをしてるわけでもないのね。なんていったらいいかなぁ、心情かな、うん、心情。いまの心情を知ってもらおうというだけなんだ。

 自分としては別に、成績が出ないから西遊記をやめるっていうつもりもさらさらないし、ここは自分のゴルフに関するキャッチボールだと思ってるんだ。別に見てる人数が多かろうが少なかろうが関係ないと思ってやってるわけだし、そもそもそれでスタートしてるわけだから、だから非常にそういう点では立ち上げの仕方が楽だったなぁと思うね。

 オン・ザ・グリーンにしても西遊記にしても、今になってほんと感謝することが多いんだ。だからよけいねぇ・・・なんとか早くいい報告をしたいっていうふうに思うんだけどね。

 こういう時ってあせらないでじっくりっていうふうにも思うんだけど、例えば釣り堀に行って、うきをたらすじゃない。餌をつけてぽんとそこへ置くよね。で釣り糸をたれてうきを見てるわけだ。

 このうきがちょっとピクピクピクピクとすると、あっ魚が寄ってきてるぞ、魚が寄ってきてるぞっていう感じになるよね。ピクピクピクピク、あっ惜しい外れた。でもう1回餌を撒いて、もう1回餌つけ直して、そこに入れて、今度は釣ろうって思うわけだ。

 でも釣り糸をたれてうきを見てても、ピクリともしないっていうんじゃさ、これ場所替えようかなぁ〜っていうふうに思うじゃない。なんかそのうきがピクリとも動かないっていう心境なんだよね、今(苦笑) ここ場所悪いんじゃないかな、場所替えようかなって感じなわけ。

 いやぁほんとね・・・酒がまずい。ビールが苦い。夕飯の時のビールが苦いわぁ、ほんとにもう。最近の酒まずいんだよね。やっぱりいい仕事をして、いい成果があった後のお酒はうまいんだろうけど、なんかもう疲れに疲れた後のビールはまずいって感じだねぇ。まあ雨で1日流れたし、とにかくがんばりますよ。


(1998.6.21掲載)

1日で10センチ変える

 こないだシャフトが右向いてしまうと手首の動きが大きくなるという話を書いたよね。大きくなるわりにはあまり効果がないと。でも逆に言えば、それを利用することはできることはできるんだけど、理想的に言えば、トップのシャフトのラインと飛球線のラインは合わせたいよね。

 それがコーチをしてくれてる井上君の狙い目みたいなんだ。彼のほんとのいちばん直したいっていうのは、トップを直してほしいなっていうことなんだね。ここをこうやったら、プロもっと楽に振れるんだけど、っていうようなことで、いろんなビデオ、自分のスイングを撮りだめしたようなビデオをチェックしながらねぇ、夕飯食べたから1時間ぐらい話してたのかなぁ。

 で、札幌とうきゅうの前日だったかな。自分でこう寝ながら、あぁそうかなぁって思ったんだ。でホテルにだいたい1本クラブ持って帰るのね。それでホテルをバックスイングをやってみてね。ほら夜だとガラスに映るじゃない、そのガラスに映るトップスイングでチェックしてみたりして、うん確かにこのほうが無駄が少なくなるかなぁって思ったんだ。

 まあその次の日、札幌とうきゅう初日は午後スタートだったから、午前中早めからちょっとボール打って、トライしたんだ。そしたら練習場ではバーシバシくるんだ。もう今季いちばん調子がいいぞって感じなの。

 で井上君も、いやぁいいですねぇ、でも1日で10センチもヘッドの位置を変えられるっていうのはちょっとすごいですねぇ、っていうわけ。僕としてはやなのね。1日で10センチもヘッドの位置を変えられるってのは、極端に言えば自分の服じゃないわけだ。貸衣装なんだよね。でそんだけ器用っていうことは、言い換えれば早く覚えるけど早く忘れちゃう。あるいは早く次の物に目移りしちゃうっていうことなんだね。


(1998.6.22掲載)

黙ってても68

 まあ札幌とうきゅうの初日、練習場ですごくいいショットして、その自分の腕とシャフトっていうのが、プレーン上、スイングプレーン上動いてるなっていう感覚があったんだ。

 で、あっこれだこれだっていう感じで、10番ホールから出てったんだけど、10番で会心のショット。こりゃあいいぞと。でセカンドもまずまずなの。これは黙ってても68だなという感じだったね。

 次の11番ティーショットに行った時に、11番ってちょっと飛ばし屋だと木がジャマになるところに行くから、ドライバーでインテンショナルなスライス打たなきゃいけないホールなんだ。だけど、そんなトップのスイングプレーンを出してる時に、フェードとかそういうことってのはねぇ。練習場で打っておけばよかったなぁって思ったんだよねぇ(苦笑)

 その方法からフェードをどうやって打つんだってね。それやらないで、まっすぐばっかり打ってったから、結果的にそれがチーピンをして、フェードを打たなきゃいけないホールでチーピンをして左のラフなんだ。それからだね。バックスイング上げた時に咄嗟的に左が怖くなっちゃったね。

 12番のロングは右の林の木の根元。根っこの間に入っちゃってる。そっから打ったらやっぱり根っこにジャマされて、ぼやっと上に行っただけ。ぼわぼわっとね。でまた木の根元。でそっから第3打を出して・・・4打目270ヤード残ってるんだ、まだ(苦笑)

 まあそこからドライバーで打って、グリーンの手前まで持ってって、寄せでナイスボギーだわ。こーんなゴルフだったねぇ。

 まあだから、スコアっていうのかな。例えば69とか68で回っても、なんか自分でこうやだなぁ、なんかこうひっかかりがありながら回って68とか69っていう時もあるし、札幌とうきゅうみたいに、なんかいい予感がありながら76になっちゃったっていう時もあるんだよね。


(1998.6.23掲載)

200本で5、6本

 そういえばクラブに関する話が途中だった。まあ、クラブ契約をしていないツアーの選手はほとんどいないと思うね。アマチュアの人でもモニターっていう人がいるよね。そのモニター以上のものをみんなやってるからね。

 例えばそれが1枚の契約書で終わってしまう選手と、何ページかに分かれて、要するに何ページかの綴りになって契約する選手といるわけだね。だから上のほうに来なければ来ないほど1枚の紙切れの契約書になってくるというかね。

 契約書には用具を提供するとか、年間何セットまでとか書かれてるんだけど、だいたいその数字というのは、例えば2セットとか書かれてても、現実にはそのもう少し3セットとか4セットという形で使えるね。まあ成績に応じてだけど。だから何もなければだいたい年間1セットとか2セットとかいうふうになってしまうけどね。

 逆にシード選手の上位にくる選手、あるいは複数年のシードを持ってる選手っていうのは、極端に言えば、何十セットでもクラブを作ることができる。例えば僕がミズノのパーシモンの時代の時には、年間200本は作ってもらったしね。まあもちろん作ってもらった分全部テストするわけだけど。その200本のうちで生き残っていくっていうのはだいたい5、6本だね。


(1998.6.24掲載)

新しいミズノプロ

 パーシモンの時代は年間200本作ってもらってたけど、今で言えばだいたい、ドライバーなんかでも今年に入って6スプーンが3本、アイアンが5セット目かな。

 その5セットっていうのは同じ物を5セットじゃなくて、僕の場合ビッグMでもないし、新しいミズノプロの開発をやってるから、ビッグMのもう1つ違うやつっていうのか、次のミズノプロっていうのかな。

 まあそういう物の開発に力を入れてて、少しずつ改良していってる。だから同じ物じゃなくて改良していってる物が4セット目ぐらいでようやく形はこれでいいというデザインになって、5セット、6セット目とそれがカーボン用にそれがまたさらに進化したっていう感じだね。もうほとんど問題はないかな。

 去年から作ってたやつが途中で全部1回形を変えたから、そういう点ではもう足掛け1年半。でも1年半でクラブ1セット作るっていうのは非常に優秀というか立派というかね。よくやってるよね。

 前から言ってたTN87のフルキャビティはもうできてて、いまのやつがそうなんだ。それに後ろの打感をもう少し強くするということで、パワーブリッジというか、後ろに支えをつけたんだけどね。

 ロフト調整とか、オフセット、要するにグースネックの具合とかね、微調整したのを使ってるんだけど、正確に言うと、あれはつるやか。つるやから、クラウンズ、フジサンケイ、日本プロまで使ってたやつだね。で今はそれのシャフトの改良版を使ってるんだ。


(1998.6.25掲載)

だいじょぶ…だよね?

 たぶんね、ギャランぐらいの時の声っていうのは沈んでたと思うんだ。なんかこう少し、不安材料があるなぁっていうのが感じだったからね。なんかこうひっかかりがあるぞって感じで。

 だからこれ早く直さなきゃなぁ早く直さなきゃなぁっていうふうに思ってたんだけど、結局だましだましやってて、まあ三菱ギャランの最終日についにほころびたっていう感じだね。

 知り合いの人で元々は仙台にいた人がいるんだ。本社が大阪にあって、いま本社にきてるんだけど、仙台から大阪にきたりしてるから、けっこう前からで、もう10年ぐらいかな。その人がギャラン見にきてて、今年のつるやも応援に来てくれたたんだ。

 でその人がつるやの時に、よくなったねぇ、プロほんとパターよくなったねぇなんて話してたんだ。その後、日本プロを見に来て、土日・・・そうね、もうちょっと入ってもいいかなぁって感じがあったんだけど、まあでもだいじょぶだよって感じで言ってたのね。

 ところが今度ギャランの土日に応援に来た時に、だいじょぶだねっていう言葉が・・・だいじょぶだいじょぶ!っていう感じの、ほんとにぜんぜん気にもかけないだいじょぶだいじょぶだいじょぶ、から、だいじょぶだよねだいじょぶだいじょぶ、なんとかプロだから直してこれるよ・・・っていうふうになってね(苦笑)

 要するに、もう確実に悪くなってるっていうのがわかったっていう感じで、その違いっていうのかな、それがわかったんだろうね。

 そういう点で自分の体の中に、前にも言ったけど時間差があるって言ったよね。よくなってきたよくなってきたと思ってるのが結果に現れるのに何カ月かかかる。

 逆にこないだのパットも、日本プロからなんかこう自分でやだやだと思ってたのが、やっぱり時間差をかけてJCBでどーんと出てきて、まあギャランの最終日にも出たんだけど、やっぱり時間差でそれが出てきた。

 でもやっぱりそれを無駄にしないで、JCBの2日目にそのヒントをつかんで、あぁよくなったなぁっていう感じはあるんだ。なんとなく自分の中で、今度のはちょっと自信があるぞっていうような感じのラウンドができたのがうれしいんだよね。


(1998.6.26掲載)

アートだよ!

 来年のカレンダーはいいのができる。7月に撮りに行くんだけどね。写真家の人が・・・まだ名前は言えないから○○さんって言っておこう。この○○さんの写真がすっごいきれいなんだ。この人と青森に行って撮ってくるんだけどね、とにかくすごいよ。

 彼に言わせると、ドライバーならドライバーを構えたときの姿っていうのは、プロとアマでは絶対違うらしいんだ。遠くから見ててもね。

 カレンダーは青森にあるアーノルド・パーマーが設計したコースで撮るんだ。僕がグリーンに向かってバンカーショットしている姿を200ヤード後ろから。その時ね、そのグリーンの後ろには十和田湖がどーーんと大きく見えるんだ。でその、ほんの片隅でバンカーショットしている姿。絵になるでしょう?(笑) 本当に絶対いい物ができる、うん。

 大きさはA4の卓上カレンダー。でかくなきゃダメなんだ。これはアートなの、アートアートだよ(笑)

 で会社名なんかの文字は入れない。隅のほうに撮影したカメラマンの名前と、撮影したゴルフ場と、それからまあ中島常幸かTommy Nakajimaと小さく入れるだけ。

 要するに、仕事しながらそのカレンダーを見たら、なんか1日ゆっくりゴルフに行ったような、そんな気分になれるようなね。で1枚ずつ額に貼って、壁に飾っておいても絵になるっていうそういう感じだね。

 これ西遊記が初めての発表なんだ。雑誌なんかへの発表は、たぶん1ヶ月後になると思う。で西遊記友の会の人には、少しプレゼントを考えておくね。このカレンダーの入手方法は、トミーカンパニーと清水さんのほうで話をしてるみたいだから、また後日報告があると思います。


(1998.6.27掲載)

初めての遠征

 そういえばミズノ契約といえばファルドがいたね。彼は新しいメーカーと契約したわけだけど、まあもういいでしょう、彼は。ただ・・・どうだろうねぇ。フェアウェイウッド1本だけのメーカーだったわけでしょ。そのメーカーがどこまで伸びてくるのかわかんないけどね。確かタイトライズってクラブだったけど、ほんとどうなんだろうね、わかんないねぇ。

 僕も同じようにメーカーと契約してるわけだけど、僕の場合はそのミズノっていう会社との関係っていうのはただ契約してるという感じじゃないんだ。

 もう亡くなられたんだけど、松浦さんっていう副社長さんがいたのね。元気でおられた頃、僕が15歳、もっと前かなぁ、中学生ぐらいだったから14、15歳かな、その時からこういろんな応援をしてくれたんだ。応援っていうのは別に物質的な応援じゃなくて、がんばってねということなんだけど。

 その頃、ミズノが第1回のゴールドカップっていう全国大会を開いたんだ。アマチュアの人達を対象にね。要するにミズノの製品を使ってくれてる人を対象にした全国大会を開いた。それの第1回大会は宝塚であったんだけど、そこ行って、まあそうね、初めての遠征みたいなもんだったね。

 でその時に一緒に泊まった人が、同室に泊まった方がね、松岡さんっていう、まあ山口県のほうのプロになったんだけど、その当時アマチュアだったんだ。で縁があって、その人がどういうわけかうちの家内の実家を教えてるゴルフの先生だったんだ。でその人もプロテスト、僕と同期で通った。年齢は僕より上なんだけどね。

 まあそんな感じで、プロになる前、17、18歳ぐらいから、僕はよくプロのトーナメントに出てたんだけど、アマチュアでトーナメントに出るっていうのは非常にお金がかかるんだ。もちろんアマチュアでトーナメントに出ても収入はないわけだし、もらえるのはベストアマっていう賞状とトロフィみたいなもんだけだから、やっぱり金銭的には非常に苦労したね。

 実際家が裕福でもなかったからね。ほんとに金銭的には普通のうちでしかなかったから、応接セットを売ったりとか、お袋の着物を売ったりとかっていうふうにしてたらしいんだ。まあ、僕はあんまりよくわからないんだけど。


(1998.6.28掲載)

ワインで言えばフルボディ

 あの当時のことを思い返すと、なんか突然うちの中ががらんと広くなったりしたことがあったね。あれどうしたんだろうなと思うと、トレーニングできるようにしたとか言うんだけど、ほんとはそうじゃなくてお金を作るために売ったりしてたらしいんだ。

 まあそれが19歳ぐらいになった時に、ほんとに家庭の中が苦しいんだなっていうのがわかったんだよね。でその時に相談に行ったのがミズノ松浦さんのところだったんだ。で相談に行ったら、プロになったらぜひいらっしゃいっていうことになってね。

 でプロになってから契約してもらったんだけど、まあそんなこんなで15歳からとしても、もう30年近くミズノにお世話になってる。ちょっとしたらもう、ミズノでほんとに古い社員以外は、自分より全部新しいわけだから、そういう点ではその会社の中での存在感っていうのを自分でも感じるし、ミズノも常に中島プロがんばってほしいっていう気持ちを持ってる。ただの契約プロじゃないっていうかね。

 そういう点では非常にこう、あぁいい会社にお世話になったなぁっていうのが実感だよね。だからこうなってくるともう金銭だけのもんじゃないよね。現実にちょうど賞金王を取ってるころに、ある飲料メーカー、関西のほうの飲料メーカーだけど、ミズノの倍の契約金を言ってきたこともあった。

 だけど、やっぱり動けなかったね。やっぱり自分自身、なんか本能的なもんがあるっていうのかな。ちょっと違うなと。確かにそういうお金っていうのは魅力ではあるけれど、その当時契約っていう物も他にあったし、困ってるっていうわけでもなかったしね。

 だから僕の場合は、他のメーカーとプロが契約してるよりも非常に・・・そうねぇ、ワインで言えばフルボディかな、ライトボディじゃなくて。重めというのかね。これはこれから先も変わりたくないし、変わらないと思うしね。やはり現役終わってからでもミズノっていう会社の中で、自分がゴルフで貢献できる物があればなというのがやっぱり今の気持ちだね。

 すごくわがままっていうか、クラブを作る上では非常にわがままを言わせてもらったしね。またそれを聞いてもらえたっていうか、ミズノなりにがんばってきてくれたっていうところもあるし、それがやっぱり世界中で使われるTNを生んだわけだし、そういう点ではこれからもまだまだやることは多いね。


(1998.6.29掲載)

餌の周りに魚はいるよ

 今回のミズノオープンはまあ・・・残念は残念だったけどね。せめてやっぱり7アンダーでフィニッシュしたかったよね(苦笑)

 それがさ、もうがね、まあ何回も一緒にご飯食べたんだけど、「プロ行きましょうよ。全英一緒に行きましょうよ、行きましょうよ」って「来てくださいよ」とか言うわけだよ。うんうんわかったわかった、行こう行こうってもうほんとに行けるようにがんばるからって言ってたのね。

 そしたらもう最終日の前の晩も「やっぱプロですよ、プロですよやっぱり1日で6アンダーですもん。優勝に近いですよ。僕はもう7アンダーですからねぇ、あれですからもう今日は飲みに行こうかと思って」・・・何言ってんだ、飲みに行くのは早いだろ!っていうような話をしながら、飲みに行くのは最終日終わってからにしようとか言ってたんだよね。

 まあでも・・・ねぇ行ければ行きたかったねぇ。ダボパーパートリだもんねぇ。ダボパーパートリだよ、ほんとにもう(苦笑)

 やっぱりそうねぇ、最終日の後半バーディが早めに取れればねぇ。10番の後の11番とかね、12番とかはチャンスなんだけどね。

 まあ3日目に66で回って、まあよかったよかったっていう感じなんだけど、最終日最後のハーフ40打って、まあ風強かったけど、14番までこらえにこらえて、パープレーで回って8アンダーで、でもう1つ2つ伸ばして9アンダーとか10アンダーとかでホールアウトしたいっていう希望はあったんだけどね。

 でもね、あれだね、おもしろい、おもしろいって言ったら変だけど、なんていったらいいんだろうなぁ。餌の周りに魚はいるよ、うん。


(1998.6.30掲載)

本物のリンクスコース

 ミズノオープンやった瀬戸内海GCはいいコースだ。すばらしいわ。日本にね、日本にほんとにリンクスとして、日本のゴルフ自身を変えるかも知れないよ、あれは。ほんとすばらしいね。

 あそこの設計をした加藤さんとも話したんだけど、まあ行政上の指導で調整池はしょうがないんだって。調整池はしょうがないんだけど、あの木をなんとかしたいんだって。木を取りたいと。

 ただ木を取ると、プロだとか、プロのトーナメントをやる場合とかだったら上級者だから、そのホールの入口、つまりどこへ打っていったらいいか、そしてどこへ向って打ったらいいかということがわかるんだけど、アマチュアの人、特にビジターの人だとか、メンバーさんでもたまにしか来ないような人っていうのは、そのホールの入口がわからないんだって。あそこですよっていう目印を置いておいてあげないとね。

 だからそういう点で、まあ加藤さん自身はあんまり許可をしてなかったんだけど、木を植えられちゃったらしいんだ。すんごく嘆いてたね。残念ながら、なんてことを3日目に言ってたね。

 いままでミズノオープンは朱鷺の台でやってたわけだけど、こっちでずーとやるでしょう。たぶん両方とも問題なければ10年20年というサイクルでやってくんじゃないかな。ほんととってもいいコースだね。

 リンクスという名前では夏泊があるけど、もう問題じゃない。日本っていうのはシーサイドはあるんだ。シーサイドはある、でもリンクスはない。もう1つね金沢に金沢ゴルフリンクスっていうのがあるんだけど、もう距離とかスケールがぜんぜん違うね。

 そうそう、ラフもすごいよぉ。もう加藤さん曰く、イギリスからヒースをもってきたいっていうふうに言ってるんだ。もう言ってみれば全英オープンんだよ、ほんとに。全英の出場権争いの舞台としては、もうこれ以上ないだろうね。

 あれで、あの周りにいるのが外国人で、コースがイギリスにあるんだったら、あそこはイギリスだっていう感じ。例えば東京ゴルフ倶楽部はイギリスに持っていったってそれは東京ゴルフ倶楽部なんだ。霞ヶ関もイギリスに持ってっても霞ヶ関。広野もそうどこもそう。でもあのゴルフ場は向こうに持ってったら、完全に、もうここはイギリスでしょうって感じ。言い換えれば、イギリスのリンクスが日本に来たと思えばいいね。