バックナンバー(1999.5)


 

(1999.5.2掲載)

なんでこんな茶色いの?

 先週帰ってきてから改めてテレビ見たらすごかったね。コースの荒れ具合が。特にマスターズの後2週間っていうのは、みんなゴルフファンの頭の中っていうのがもう強烈に緑色に染まっちゃってるよね。だからそのぱっと映った瞬間に、なんでこんな茶色いの?って感じがするね。

 バンカーは黒いし。あれぇ〜?って感じ。だからそのギャップで非常にゴルフファンの気持ちが萎えちゃうところなのかも知れないね。盛り上がってきたぞぉ〜!っていうところであれ?って(笑)

 例えばこれがアメリカのツアーだったら、マスターズ終わった後のMCIクラシックっていうのがあるよね。ヘリテージって昔は言ってた。僕も前に出たことがある。で、マスターズでは選手がみんな、車を借りられるんだ。キャデラックの新車、いろんなタイプの新車があるんだけど、その公式カー、要するにオフィシャルカーが借りられるんだけど、その車をそのままMCIまで乗ってくことができるんだね。

 オーガスタのゴルフ場からだいたい3時間強、まあ4時間はかからないかなっていう感じの距離かな。だいたい東京から名古屋の手前のだいたい豊田ぐらいのイメージなんだけど、すっごくきれいな道を通っていくんだ。たぶん国立公園か州立公園かなにかだと思うんだけど、ゲートで通行料取られる有料道路なんだけど、湿地帯を通る。

 湿原を通ってくんだけど、沼地というか、とにかくサバンナっていうところだね。サバンナっていうとだいたい日本風に言うと草原っていうイメージだけど、どちらかというとアメリカでのイメージでは湿地帯のような草原というか、草地というか、そういう感じなんだ。そういうところをずっと車で走っていくんだけど、すっごくきれい。それからちょっとひなびた田舎の町っていうところを通っていって、リゾートのヒルトンヘッドっていうところにたどりつくんだけど、すごくその道のりがすばらしい。

 またマスターズの公式カーを借りてそのまま乗っていくから、選手としては大きな舞台が終わった後に、その心地よさを残しながら次の試合に入っていくことができると。真っ白いキャデラックでヘリテージに入っていくんだけど、そこでそのまま1週間、その車をそのまままだ借りていていいんだ。


(1999.5.3掲載)

なんだかなぁって感じ

 マスターズで借りた車は、MCIクラシックが終わるまでの2週間借りることができる。でその車でヒルトンヘッドまでたどりつくんだけど、このゴルフ場がまたすばらしいゴルフ場なんだ。

 僕の聞いた話によると、ニクラスピート・ダイの二人が最初に組んで設計したゴルフ場らしい。とにかく林間でありながら最後の16番ホールのグリーンから17番、18番ホールと、突然リンクスになってくるんだ。

 これがね、ものすごく落ちついた情緒っていうか、マスターズのような・・・なんていったらいいかなぁ、とにかくこぎれいだね。それでいてコースはタフ。で練習場も9番ホールと10番ホールの間にあるんだんけど、これがまた立派な練習場なんだよね。

 このMCIは、ゴルフネットワークで中継を見てたんだけど、やっぱりマスターズに負けず劣らず緑だった。バンカーは白いし、映像的に極端に落ちるってことがない。そこがやっぱりアメリカツアーの底力のすごさっていうのかな。

 要するに平均的なトーナメント、あるいはいちばん賞金の低いトーナメントであっても、やっぱりフィールドが充実してる。フィールドが充実してるそのすごさがあるから、ゴルフファンっていうのがやっぱり喜ぶんだろうね。

 だから僕もオーガスタ回ってきて、ものすごい緑色が自分の目に入ってて、あるいは日本のゴルフファンもテレビのマスターズ中継見て、目の中に緑が入ってきて、ゴルフファンだったらそれこそ体中全身が緑色に染まっちゃうんじゃないかっていうほどのオーガスタをイメージして、そして日本のテレビ中継を見た時にやっぱりなんだかなぁって感じになるよね。なんだかこう回りたいっていう気持ちにはならないよね。


(1999.5.4掲載)

フェアウェイから攻めたい

 オーバーシードという方法がある。確かにそれには途方もないお金がかかるかも知れない。ゴルフ場でオーバーシードしようと思ったらだいたい3000万円ぐらいかかるらしいんだ。いったいじゃあ3000万円かけたからって効果があるのかと。ある人達からすると、そのトーナメントのために3000万かけるってばからしいと思うんだ。でも僕はそうは思わない。

 なぜかっていうと、トーナメントのためだけに3000万円かかるんじゃない。そのゴルフ場に冬場に来る人、あるいは春先に来る人を含めて全員がその恩恵に預かるわけだよね。その緑の上でゴルフができる。そしてフェアウェイのオーバーシードした芝生の上から打てば、やはりバンカー越えのピンの位置だろうが狙える。

 キリンなんかでも、傾斜のきついところで選手間では不満も確かに出た。でもアメリカツアーを知ってる人達からすると、このぐらいのピンの位置だったら、戻ってくるわけじゃないんだし、そんなに大きな声を出して不平を言うほどのグリーン、言うほどのピンの位置か?っていうことになってくる。

 ただし、フェアウェイからもっと攻めたいっていう気持ちはあるんだ。フェアウェイからもっと攻めたい。それにはやっぱりフェアウェイからフライヤーしそうな芝生、あるいはディボットなんかがない状態にしてほしい。ディボットは確かにオーバーシードしててもできる。ただし、少なくともオーバーシードしてあれば、そのフェアウェイからピンを狙う確率っていうのは、はるかに高くなるし、はるかに成功する度合いも高くなる。

 それがやっぱりエキサイティングなゲームをしてくれる、あるいはゲームができる要素じゃないかなって僕は思うんだ。

 だから、新しいツアーが発足して、選手からしてみるといちばん変わってほしいのは、賞金が上がることではない。そういうその他のことじゃなくて、フィールドがより攻めていける、より自分がチャージしていけるコース。そういうフィールドを作ってほしい。そこが変わってほしいと思うのが、選手の大多数の気持ちじゃないかなって思うんだ。


(1999.5.5掲載)

もっと違う部分にある

 トーナメントでエキサイティングなゲームができるようなフィールドを作ってもらうには、やっぱりゴルフ場のオーナーがすごい熱意をもってやってくれるということが大切だね。

 でもトーナメントのために3000万円もかけてオーバーシードするなんて、そんな無駄なことできないと。でも考えてみよう。やっぱり荒れたゴルフ場へ行ったら、次にまた行きたいとは思わないよね。ゴルフ場の集客が少ない、ゴルフ場に来る人達が少ない、だから経費を節減する、削減するんだ、経費を切り詰めるんだ・・・そういう要するに1つのデフレがある。

 要するにお金をかけない、かけないから悪くなる、悪くなるからますます来たくなくなる。こういう状況の中でトーナメントだけじゃなく、少なくとも冬場のシーズンに来た人達、春先のシーズンに来た人達がその恩恵を被れるとすれば、3000万円かかってもオーバーシードする価値があるんじゃないかなって僕は思うんだ。

 少なくともバブルの頃に、何百億円もかけて、あるいは何十億円もかけてクラブハウスを造って、そしてそれに見合う客単価、1人3万円だ、4万円だという金額を取らなければそのゴルフ場の収支が合わないっていう計算をしているゴルフ場はいざ知らず、少なくともトーナメントが行われるようなコース、あるいは人気のあるゴルフ場は赤字ではないんだから。

 実際には確かに、会員権の償還期間とかいろいろ問題があるかも知れない。でも僕は、切り詰めることっていう物が、もっと違う部分であるような気がするんだ。


(1999.5.6掲載)

そういうあり方でいいのか?

 フィールドのことは、マスターズから帰ってきてぱっとテレビをひねった瞬間に、あっこれが日本のツアーなんだっていうふうに僕は思ったんだ。確かにそこに出てる選手、そこで戦ってる選手はみんな同じフィールドで戦ってるわけだから、その条件に対して不満を言ってるんじゃないんだ。そうじゃなくて、そういうトーナメントコースのあり方でいいのか?ということを言いたいんだ。

 だからマスターズが終わった後のMCIヘリテージ、このへんを見た時に、確かにマスターズはすごすぎる。すごすぎるけど、このヘリテージだってすごいよと。そういう気持ちにみんながなる。だからマスターズ終わった後でもほとんどの選手が出るよね。

 よっぽどスーパースターらしくしてる人達は出ないかも知れないけど、だいたいの選手が出てくるね。ノーマンにしたってプライスにしたって、あるいはスチュアートにしたって、マスターズで優勝争いした選手はだいたい出てる。

 今回出てなかったのはタイガーとデュバールぐらい。あとノーマンか。でもノーマンだってこの試合に勝ったことあるしね。プライベートジェットで白血病の男の子にプレゼントとして、その優勝シーンをプレゼントしたりとか、そういうことがあった。要するにこういう舞台っていうのが、底辺のグレードが非常に高い。それを非常に感じざるを得なかったね。

 まあほんと、キリンのプレーオフでも言ってたけど、結局セカンドがフライヤーして、そのフライヤーを怖がって右のバンカーに入ったとか、解説とかラウンドレポーターとかが言ってたけど、でもあれは、止まったのはラフだったの?フェアウェイだったの?どっちだったの?と、それさえもはっきりしないんだ。

 だからやっぱりラフにいったらボールがほんとに見えない。フェアウェイにいったらもう真っ白にきれいに見える。そういう差をつけて欲しいよね。


(1999.5.7掲載)

やればできるんだ

 日本で言うと静岡オープンきれいなオーバーシードしてるね。でも、あれもいちばん最初はずいぶん試行錯誤があったんだ。試行錯誤があって、やっぱり2、3年かかってほんとによくなって、今ではもうほんとにすばらしいって言えるぐらいのオーバーシードを作ってるよね。

 だからやればできるんだ。やろうとすればね。浜岡だって、トーナメントをやってるホールだけなんだよね、オーバーシードしてるのは。トーナメントで使ってるホールだけオーバーシードしてある。

 あとそれ以外は練習場。これも偉いところだね。練習場と本コースの差をなくそうという努力がある。本コースがオーバーシードされてて、練習場が違うとなると、そこで差が出るよね。浜岡は37ホールあるんだけど、トーナメントコース以外の19ホールをオーバーシードしなかったら、練習してて差が出ちゃう。

 だけどそうはしないで、練習するところもオーバーシードしてる。そこがほんとに静岡オープンが努力してるっていうふうに感じるし、またその努力に対しても、ほんと敬意を払いたいね。

 それとやっぱり宮崎のフェニックス。ここもやっぱりきれいにオーバーシードしてるから、やっぱりトーナメントやってない時でも、お客さんが、ゴルファーが行って回ってみたいっていうふうに思われるゴルフ場になる。だからやっぱりあのコースもいつも混んでるよね。

 でもそういう努力を惜しまずして、やっぱりお客さんは来ない。またお客さんが来るっていうことを考えても、特に冬場にやるゴルフ場は、オーバーシードする必要があるだろうし、やっぱり努力をするってことが集客、あるいはトーナメントをよりよくしていくっていう大きなポイントだろうね。


(1999.5.8掲載)

お役ごめん

 PGAから新しい組織に変わったということで、僕は新しいツアーに関わってきた政策委員のほうはもういいんじゃないかなと思う。もう役を降りたいなと。

 これから先は、ほんとに器が変わったんだからビジネスマンにやってもらいたいんだ。長期ビジョンを持ってる人に。やっぱりプロゴルファーはフィールドの中を商売として、ロープの内側を商売としてる。ロープの内側を自分の働く場所としてやってる人間が、机の上でああだこうだ言うのは、はっきり言ってあんまり合わない。

 でまあ、新しいツアーができないうちは、確かにそこで政策委員をしている価値はあった。でももう新しい器ができたんだから、こっからはバトンを次の人に渡す番かなっていうふうに思うんだね。だから近々ほんとに相談しようかなと思ってるんだ。そろそろお役ごめんでお願いできますかと。

 選手全員がツアーがよくなってほしいと思ってるわけだし、ある人間だけがずっとやるっていうのははたしてどうかなっていうふうに思う。別に自分がツアーのことを考えてるから、他の人間よりも自分がすばらしいんだって思うことでもないと思う。

 それよりもやっぱり、今回マスターズに行って思ったのは、ノーマンなんかほんと僕と1歳しか違わないわけだよね。1955年生まれで確か44歳。僕が1954年生まれで1歳彼より上なんだ。でも彼にしてもオメーラにしても、まあオメーラ42歳かな、ワトソンにしても、自分ぐらいの年齢の人間もマスターズでやっぱりがんばってるんだよね。

 それを見ると自分もまだまだがんばりたいなと。がんばんないといけないんじゃなくてがんばりたいっていう気持ちが圧倒的に強くなるから、まあそろそろほんと選手だけに専念したいなっていう気持ちなんだ。


(1999.5.9掲載)

あれがマスターズ

 マスターズの解説については、それなりによかったっていう声も届いてるし、それはそれでよかったなっていうふうに思うんだけど、まあほんとたいへんでした。1回やっただけでもういいやって感じだね。

 今回ノーマンががんばったわけだけど、やっぱりノーマンがくるとやってほしいって気持ちになるよね。今回の解説ではどっちかっていうと静かにいこうよ、静かに見ましょうっていうのが今年の基本的なテーマだったんだ。だから極力しゃべらないでいたいなぁと思ってた。

 3日目の18番ホールでノーマンがバーディ取ったよね。右のラフから寄せて。あの時グリーンの上に来た時、ずーと黙ってたでしょ、みんな。ああいうんじゃなきゃダメなんだ。あの時バーディ決めるまで、1分以上黙ってたと思うんだけど、あれがマスターズだからね。

 ほんとしゃべると、場面が壊れるっていうのがある。場面が変わったときに解説入れても、あれ?ってなっちゃうから、なるべく静かに、なおかつ解説入れる時は的確にって思ったんだ。

 ノーマンの他だと、ラブの最終日の16番ホールなんかもすごかったよね。でカメラがまたそのボールにすっと寄るんだ。もうどこのメーカーの何番のボールかもわかっちゃうぐらい寄るよね。

 撮ってるカメラマンもわかってる。どこの傾斜でどこに転がっていくか。もうね、マスターズ中継のチームはゴルフ中継のメジャーリーガーだよ。池とかクリークに入ってもすーと寄っていくでしょ。ラブだったかがクリークに入れた、で、そのボールがすっと映される。誰があんなところにカメラ持ち込むんだって感じのところまで撮ってるよね。


(1999.5.10掲載)

ワンピンの距離

 なんかちょっと、クラウンズの時にひいた風邪がなかなか抜け切らなくてね。よくなったのかなぁっていう感じもあったんだけど、日曜日またちょっとという感じ。でもまあそんなに強くならないからいいんだけど。毎年このぐらいの時期に風邪引くんだ。一昨年のセントラルの時もダメだったし。まああのセントラルの時は鼻血も出たからねぇ。だいたい春と秋とちょこちょこと風邪ひいちゃうね。

 いやぁでも、ゴルフ自体は自分としてはほんとうはオーバーパーになるようなショットの内容っていう感じじゃないんだ。ほんといいゴルフしてるから、これをうまく組み立てていけば、絶対にいい感じになってくるなっていうふうに思ってる。

 ただやっぱりパッティングとかで実際に悩んでる。悩んでるって言っても、イップスの時の外れ方とかそういうんじゃないんだけど、要するにトーナメントに行った時にワンピンぐらいの距離をどれだけ入れられるか。最終的にはスコアを作るっていうことになってくると、ワンピンぐらいのパットが非常に大事になってくるわけだね。

 ワンピンぐらいのパットをごろごろ外すと、やっぱり出ても1アンダーとか2アンダー。まあそのぐらいっていう感じになってくると思うんだけど、これを入れられるとやっぱり5アンダーとか6アンダーとか、大きなスコアになってくるから、できるだけそれを早くなんとかしたい。

 まあヒントはつかんだからね。つかんだからって言っても、実際には毎回毎回いろんなことにチャレンジしてるわけだから、非常に根本からこれだなっていうことを発見しないと、いけないし、日本プロの時にはほんとにこれを根本から変えられるようなものっていうのにトライできそうなんだけどね。

 まあ自分自身でもやっぱり楽しみにしているし、またそれがほんとに自分の考えた通りの結果を出してくれたら、この後のシーズンの残りが楽しみになってくるなぁっていうのが、いまいちばん心待ちにしてるところだね。


(1999.5.11掲載)

がんばってくだちゃい

 西遊記をやってて、自分でいちばん今年気を付けてるっていうのかな、最近特にわかってきたんだけど、やっぱり西遊記でいろんなことを書いていくと、言わなくてもいいようなことがあったりするんだ。それはやっぱりいいわけにもつながっていくかも知れないし、グチになったりしてるかも知れない。

 やっぱりいいわけとかグチとかっていうのは全然、栄養にならない部分だから、そういうことはもう絶対に言うまいって心に決めてるんだ。でもゴルフの話題でいくと、どうしてもあれがこうなった、これがよかったとか、こうやりたいとか、そこに触れてくよね。だから原稿書くのもけっこう気を使っちゃうね。

 いやぁそれにしても、ほんとにがんばりたいね。それにやっぱりギャラリーのいっぱいいるところ、あるいは最終組に近い、あるいは最終組、そういう張り合いのあるっていうところで回ることがやっぱり楽しい。やっぱり競い合ってこそ初めて楽しいわけだね。だからなんとか早く戻りたいね。昨日も書いたけど、ショット自身はいってるからだいじょぶ。

 でも先週、ほんと土曜日曜とファックスが届いてて、同級生とか、あるいは同級生の友達がすごいファンで、プロに会ってみたいなっていうそういう人もいるんだなぁとか。あるいは知り合いの子供が生まれてやっと歩けるぐらいになったんで見に行きたいなぁとかそんな話があって、じゃあ楽しみだねぇ、男の子だからうるさいよぉ、いいからいいから子供好きだから、なんて言ってたんだけど、みんなパーになっちゃって(苦笑) パーになっちゃうのがもう僕の責任だからごめんなぁって感じ。

 留守電とかも入ってたりしてね。子供の声で、くじけずにがんばってねとか、プロがんばってくだちゃいとか、がんばつてねえ〜とか。とにかくほんとにがんばります。それしかできないからね。

 全英オープンも行きたいっていうのはやまやまだね。結局そういうことで自分のプレーぶりっていうのかな、プレーがより慎重になって、悪い意味で慎重になってくるとやっぱり、思い切って動かなくなる。だからそれは結果としてついてくることであって、それを味わいすぎないようにしたいね。


(1999.5.12掲載)

カメラワークを勉強してほしい

 こないだマスターズ中継のチームはメジャーリーガーだなんて書いたけど、まあほんと、日本のツアーのテレビ中継ももうちょっとがんばってほしい。

 もちろん選手自体のがんばりもものすごく大事なことではある。やっぱり選手ももっともっと上を目指して、僕を含めて一人一人ががんばらなきゃいけないんだけど、テレビを見ていていちばん感じたのは、やっぱりアメリカの中継は無駄なシーンがないよね。

 常に打ってるところ、パットしてるところ、アプローチしてるところ、バンカーから打ってるところ、要するにすべてのショットが、ティーショットからパットまでがまんべんなく出てくる。それも間髪を置かずにね。

 である選手が10メートル以上歩く姿なんか撮らない。打って、2、3歩行ったら、あるいはパットなんかでもまあ10歩〜12、3歩ぐらいしか映さない。そういう映像だって、タイガーだ、デュバールだっていうそういう選手だけであって、その他の選手はほとんど打ったら、はい終わり、次の選手っていう感じだよね。

 だからあのカメラワークを、ぜひ映像に携わってる人達は勉強してほしいなぁっていうふうに思ったね。そうしないとやっぱり、見る番組としておもしろさがない。映像のマジックっていうのかな、そういうものを勉強してほしいよね。

 去年こういうところに定置カメラを置いて、こういうふうに映したからそれでやるんだっていうか、あまり口出しするなとか、要するに先輩が去年こうやってんだからそのままやるんだっていうような、そういうシステムじゃダメだと思うんだ。もう頭の中から変わらなければ、全部が変わっていかないよね。


(1999.5.13掲載)

なんでもっとショットを見せないのか?

 テレビ中継の視聴率を考えると、もっともっと有名選手がからんでたり、あるいは若手の選手がからんでたりすると、もっともっとおもしろくなるかなっていう気もするんだけど、テレビ中継のおもしろさってそれだけじゃないよね。

 で、テレビ見てて何がおもしろくなくしてるんだろうなって、ちらっと練習の合間にテレビ見てたりしたんだけど、やっぱり日本のゴルフ中継っていうのは、アメリカやヨーロッパ、まあヨーロッパはあまりよく知らないけど、例えばアメリカのゴルフチャンネル、あるいはゴルフネットワーク、BS放送なんかの中継と比べてみると、ショットがあまりにも少ない。

 ショットは少ないのに、パッティングの映像は多い。ということは、パッティングの映像っていうのは動きがないから、どうしても解説が口をはさむ時間が多くなる。これは解説の人が悪いって言うわけじゃないんだけど、アナウンサーにしても解説にしても、あるいはラウンドレポーターにしても、話を割り込ませる時間が簡単に作れる。

 だからそれがアナウンサーの一言にしても、そんなこと見てたらわかるよ、あるいは解説なんかにしても、それはわかってるけど、なんかもっと違う物が見たいんだ、っていうふうに感じてしまうところがあるね。だからなんでもっとショットを見せないんだろうなぁっていうふうな気がするんだけどね。西遊記読者の人達はそう思わないかなぁ?

 ゴルフを見る人間にとっていちばん変わって欲しいのは、新機構になって、映像が変わったっていうのを見せてほしいよね。でも昨日も書いたけど、いままでの中継は、ここにやぐらを組んで、あるいはここにテレビ塔を立てて、このポジションから撮ってるから、それをそのまま引き継いでるというようなところがある。だから映像的にはなんにも変わらない。それがもうすごくつまらないっていう気がするんだね。


(1999.5.14掲載)

僕達が商品

 選手の意識は確かに変わった。例えばすごい天気だった静岡でも、72ホールやるんだ、1ホールでも無駄にすまいっていうことで、ロッカールームでみんなに集合がかかってミーティングをして、とにかくいけるところまでやろうということになった。選手もそれに対して協力的に、協力的って言ったら変なんだけど、異論を唱えることはなかった。

 選手自身のモチベーションは高いし、選手自身は変わっていこうとしてるのに、それをうまく出してないってのはやっぱり中継。やっぱりテレビ局がもっともっと勉強してほしいと思う。だから次の政策委員会がある時に話をしようと思ってるんだけど、やっぱり映像を作る側の人間と選手間で、もっと深いコミュニケーションを取れるようなミーティングを作ったほうがいいかも知れない。

 やっぱり、言い換えれば僕達は商品だよね。だからこう撮って欲しいというのもある。あるいは自分達が演技している、あるいは働いてる舞台をこう撮って欲しいっていうリクエストがあるんだ。だからそれを例えばこのカメラアングルで、このホールをこういうふうに撮って欲しいっていうリクエストがあるわけだから、それをいままでと同じようにやられてたら、何も変わってないっていうのがテレビ見てての正直な印象になるよね。

 例えば、さっき書いた静岡の時のテレビ中継見てて思ったことがある。静岡の最終日、奥田君が15番ホールのグリーンを左外した。左外して、そこからパターを使った。なぜパターがいいのか? あの時解説してた芹澤信雄君が、パターで正解だと思いますよっていうふうに言ってたけど、あれをもっと違うアングルから見てたら、ほんとにパターで正解だっていうのがもっと視聴者にもわかったと思う。

 ところがその時の映像のように、あんなふうに引いた映像で撮られてたら、なんでパターなんだろうなぁ、アプローチで十分じゃないのかなぁ、エッジからピンまであるのにウェッジで打てばいいじゃない、サンドウェッジやPS、あるいはピッチングで打てばいいじゃないっていうふうに思うはず。でもパターが正解・・・ちょっと長くなりそうだから明日に続けます。


(1999.5.15掲載)

フットワークが悪い

 昨日の続き。静岡の最終日、奥田君のパターでのアプローチ。あの時、雨がもう何日も降ってたわけだから、下の芝生がびちゃびちゃになってた。だから例えばあの映像でも、もっと芝の水滴がはっきり映るように、あるいはもっとボールに対して寄った絵を撮って、あっこんなにびちゃびちゃしてたらウェッジじゃ苦しいかも知れないなってわかるようにする。

 さらに言えば、そのボールから先のピンまでの傾斜を見せれば、あっ上って下りなんだ、じゃあ下るところの、このびちゃびちゃのライから、PSあるいはサンドウェッジで打つのは苦しいな、やっぱりギャンブルだな、だからパターのほうが正解なんだな、あぁそうか、こういう状況だとプロでもパターなんだっていうようなことが見えるよね。

 あるいはそのホールの奥田君のセカンドショットにしても、なぜあっちへいってしまったのか。あのセカンドショットをもっと後方から撮って、旗の揺れ方だとか、木の揺れ方だとか、雨の流れ方だとかを撮れば、風が相当右から来てるってわかるよね。

 ところがあんなふうに後方以外から撮られちゃうと、打ち終わった後に奥田君が右から風が来てるっていうふうに手でちょっとふりをしたけど、いいわけにしか見えないんだ。そうじゃなくて後ろから撮ってくれれば、あっこんだけ風が来てるんだ、しかも高い木があるから上に上げなきゃいけないんだ、だから風に持ってかれやすいんだなぁっていうのがわかる。

 だからなんで映像をもっと変えないんだろうなと。あの静岡の中継を見てて、やっぱり変えてくれないと、自分達としても困るなっていうことを感じた。だから、これはもうぜひ早急に、やっぱり話し合いの場を持たなきゃいけないかも知れないね。

 なんといってもカメラのフットワークが悪いよね。やっぱり固定に頼りすぎてる。何度も書くけど、やたら高いところにやぐら組んで、高いところから映したがる。それは確かにボールが飛んでくのを映すっていうのは大切かも知れないけど、それだけじゃないよね。やっぱり選手がいま直面している、選手の目からの映像が欲しい。それがないんだ。

 要するにただ少し上から引きで撮って、打ったボールがすーーと飛んでって、グリーンに乗った。これだけしかない。もっと選手がどういう状況に立ってるのかというのを映してもらわないと、やっぱり自分達としてはさみしいね。


(1999.5.16掲載)

伝えるべきこと

 これを書いてて思い出したんだけど、静岡の放送では他にもいろいろあったね。例えばデビッドが14番ホールのショートで短いパーパットを外して3パットした。あのパットの時に、最初は普通のグリップでやってた。あの短いパットを外した時に、左手を一生懸命こう、どうしたんだどうしたんだって感じでやってた。

 で返しの3パット目、30センチぐらいのパットだったけど、彼はあの時クロスハンドにしたんだ。普通のグリップでやってて、3パット目でクロスハンドにした。要するに、彼の手に何が起きてるのか、それをもっと言わないといけない。

 あれは、あの場面で彼がクロスハンドにした理由っていうのは、上りのたぶん80センチぐらいのパットだと思うんだけど、若干フックラインで、あの状況でああいう外し方をするっていうのは、左手に若干イップスがきてるんだ。だからその時に彼は応急処置として、その次の3パット目をクロスハンドにして乗り越えてった。

 その次のホール、セカンドショットを右に外して、アプローチを1メートル半から2メートルショートして、上りのまっすぐのパットを右の端から入れた。あのパットにしても、もう急場をしのいだっていうことなんだ。だから前のホールで80センチのパットを外して左手にやな感じが残ったから、当然次のホールのティーショットもやな感じがするし、セカンドもやな感じが左手に残ってる。

 そこを映像としても、あるいは解説としても、もっと踏み込んで話せないと、デビッドが何にいま直面してるかがわからない。ただ、元気がないとか体調が悪いんですかねぇってことじゃ困っちゃう。

 もうほんとね、テレビ局でも1個作ってさ、ほんとに映像を流したいよね。ツアーが変わった変わったって言ったって、目に見えて変わったところ、耳に聞こえて変わったところが欲しいね。


(1999.5.17掲載)

僕が持っていきます

 風邪はだいぶよくなった。だけどまだちょっとだけ痰が絡むね。それはともかくとして、富山県高岡の方だったかな、TOMMY中居さん。中居さんのメールで、ミズノオープン初めて見に来て9番ホールで初めて見たのが中嶋プロだったと。で、ツインフィールズも見に来るって書いてあったよね。

 で、僕、どの人が中居さんかな、どの人がTOMMY中居さんなのかなって思ってたんだけど、誰が誰だかわからないし、声かけられないし、こっちも中居さーんって呼ぶわけにもいかないしね(笑) 向こうも照れるんだろうけど、どっかで見ててくれたかなぁと思ってね。

 それから1つ頼みがあるんだ。僕のところに来たメールが西遊記のおたよりコーナーに掲載されてるけど、あの中にテレビ関係のおたよりがあるよね。ツアーに望むこととかテレビ局に望むこと。まあとりあえずテレビ局関係でいいんだけど、これをまとめてツアーのほうに提出したい。

 こういう声が非常に多いんで参考にしてくれという感じで。こういう声があるんです、こういう声があるんですって言っても、現実にほら、又聞きじゃなくて文章で提出されるとやっぱり違うからね。とりあえず清水さんからそれぞれの方に連絡してもらって許可もらって、まとめてもらいますので、意見をくれた方々、ご協力お願いします。でまとめてもらったのを僕がツアーのほうに持ってきます。

 さて、今回の日本プロはいろいろあったね。今週はいろんな意味でいろいろあったんだけど、自分のゴルフはとりあえずちょっと置いといて(苦笑) そうだなぁ2つ主だった話、コースの話と1つの事件の話を明日からさせてもらいます。


(1999.5.18掲載)

よくがんばってくれた

 まず日本プロやったコースの難易度が高かったっていうことね。グリーンの仕上がりっていうのがほんとに、メジャートーナメントに出しても恥ずかしくないっていうか、すばらしいできだった。グリーンはね。

 あえて問題点を言うとすれば、せっかくピンをグリーンのコーナーに切ったのに、もう少しフラットなスペースがあったら、もっとナイスショットとそうでない普通のショットの差がはっきり出たというかな。だからほんとにナイスショット打っても、ちょうどおわん型の上をちょっと越えたところにピンがあったりするんだ。

 それこそジェットも言ってたように、グリーンを外してもそっちサイドのほうがいいという状況が出ちゃう。だからあれがもう少し、例えば、直径3メートルぐらいでいいから、そういう、フラットとは言わないけどフラットに近いスペースがあると、もっとよかったというか攻め甲斐があったかなぁっていう気持ちは残ってるけどね。でもほんとにコースのフェアウェイの状況もすばらしかったし、14本のクラブを全部使う。そういう点ではすごくセッティングはよかったね。

 で偉かったのは、最終日の2番ホールなんだけど、ティーグラウンドを1個前のを使わせたんだ。それでもまあフロントまで164ヤード、ピンまでいくと194、5ヤードかなぁぐらいの距離のショートホールになる。後ろからだと205、6ヤードになる。

 だからそういうふうにぽっと、最終日ピンが左のいちばんきついところにあったから、ティーを1つ前にして、しかもギャラリーがそこで後ろのティーで見れるようにぽっと変更したりとか、ほんとに今回、PGAの運営スタッフががんばったなぁっていう印象があるね。

 もうここまでしっかり仕上げたら、ピンの位置が多少傾斜のきついところにあるとか、そういうことなんていうのはもう問題外。逆にここまで難しくしてくれて、チャレンジしがいがあったっていうのが正直なところだね。ほんとよくがんばってくれたね。


(1999.5.19掲載)

倉本選手のコース戦略

 さて、それからもう1つ。倉本選手の棄権の話。これは事件と言っていいのかわからないんだけど、試合から帰ってきてから、一部報道とか、あるいはインターネットの掲示板とか読んだんだ。倉本選手が14番ホールでティーショットを8発打ったっていうことが載ってた。

 で、そういう報道とか掲示板とか読んで感じたんだけど、まあブライアン・ワッツと同じじゃないかということを書かれていたりするんだ。でも、これははっきり中嶋個人の考え方として言うと、あの14番ホールでドライバーを持つことはあり得るんだ。

 14番ホールはやや左ドッグレッグしてって、420〜430ヤードぐらいのホール。僕が2番アイアンでティーショットを打つと、セカンドでだいたい5、6番アイアンぐらいの距離が残る。で彼はそこを、左のコーナーからドライバーでフェードを打って、バンカーの右に持ってこようという計算だったと思うんだ。

 で、あの2日目の状況で言うと、彼の状況っていうのが、13番ホールまでで9オーバーだった。その時回ってる選手の全体のフィーリングとしては、7オーバーぐらいがカットラインじゃないかという意識があったんだ。

 で残り5ホール。そのうち18番ホールはアゲンストが吹いてるし、非常に難易度が高い。また、バーディが取れるようなピンプレースでもない。18番ホールはちょうどスタートする前に練習場から通る時に見えるから、あぁこのピンの位置じゃ簡単にバーディ取れないなっていうのがわかったんだ。そうすると、どうしても17番のロングホールとか、その前の16、15、14番ホールっていう、その残りの4ホールで2つスコアを縮めないと予選通過が厳しい。

 そう考えると、彼はその14番ホール、右からのアゲンストで、それでも2番アイアンで打って、セカンドを5、6番アイアンで打つっていう考え方を持てる状況ではないわけだね。だからドライバーを持って、攻めて、バーディを取りたいっていう気持ちがあったと。でフェードを狙っていったんだね。

 ちょっと長くなるけど、この話はまだまだ続きます。


(1999.5.20掲載)

40度ぐらい左に飛んだ

 日本プロの3日目、僕が一緒に回ったのが佐々木久行だった。その佐々木は予選2日間、実はマッシーと一緒に回ってた。で僕はそのことを知らなかったんだ。

 で僕らがその問題の14番ホールに来た時に、あぁ昨日そういえばここでマッシー8発打ったんだって? なんか人の話によると最後のほうはOBに向かって打ってたらしいねって言ったら、佐々木が一言「いや最初から8発目まで全部同じ向きで打ってました。」と言うんだ。同じライン取りをして同じ狙い方をしてたと。ここにすごいポイントがある。

 でもう1人、予選でのマッシーの同伴競技者は合田洋だった。で、あるゴルフ記者の人が合田に聞いた時に「いやぁOBに向かって打ってましたよ。」っていう言葉を発したらしいんだね。そう考えると、じゃあこれはどっちかが嘘ついてるってことになる。ところがこれは、二人共嘘はついていない。それを僕は理解できる。

 これは中日クラウンズまで話が遡るんだけど、中日クラウンズの2日目の時に、僕の前の組にマッシーがいたんだ。でその時マッシーは鈴木亨と一緒に回ってた。で、16番ホールに来た時、彼は予選を通過するようなラインにいたんだ。1ボギー打ってもまだ通るぐらいのラインにいた。

 中日クラウンズをやる和合の16番ホールは知ってるよね。左ドッグレッグで1オントライしていくようなホールなんだけど、だいたいの選手、90%ぐらいの選手がまっすぐフェアウェイを狙う。要するにドッグレッグカットを狙わないで、スプーンや2番アイアンでフェアウェイに打っていく。

 でマッシーはドッグレッグを飛び越えていくほどの飛距離があるわけではないから、当然スプーンを持ってまっすぐ打っていった。ところがそのスプーンのショットが40度ぐらい左に飛んだんだ。40度ぐらい左に飛んで、ほんとにティーグラウンドのすぐ先の左の林に入った。で、その16番ホールはダブルボギー。そして17番ホールを終えて最終ホールに入ってく。


(1999.5.21掲載)

映像がダブるんだ

 昨日の話の続きに行く前に・・・なんだって? ワトソンレギュラーツアー撤退ぃ〜!? なんでぇ〜? 君はまだまだシニアツアーに行く人間じゃないって。シニアツアーなんてあと2年後でいいから、まだまだレギュラーでがんばれるって。シニアツアーのための心の準備? そんなものまだ準備するなよぉ(苦笑)

 君はまだ2年シニアにいっちゃいかんって。満51歳になってからでいいだろって。そう思うよね? だってもったいないよ。冗談じゃないよもう、トミーだってみんながんばってんだぞーって。ジェットだって僕だって、マッシーだって8発ティーショット打って、みんなにぼこぼこに叩かれながらもがんばってるんだぞって。

 これね、清水さん、ワトソンにちょっと連絡しといて。ちょっと声を大にして、英語にしてEメール送っておいて。fromトミー中嶋って。英語がわかんなかったら伊藤さんとか根本さんに頼んでね。

 ところでなんかすごいことになってるみたいだね。今度のマッシーの件でアルバだとかダイジェストとかの掲示板で、西遊記を見るとか西遊記を参考にするとかいう話がけっこうあるみたいだよね。西遊記ってけっこう影響力あるんだね(苦笑)

 えーと、クラウンズの途中だったね。マッシーは16番ホールでダブルボギーを打った。で最終ホールに来て、そこのティーショットが右のほうに行ったんだ。で歩いていったら、途中でOBだって言われた。マッシーはショックだよね。予選通過できるスコアから、16番ホールでダブルボギー打って、18番ホールでOB。しかもフォアキャディとかは何もいなかった。まあ、暫定球打てばいいんだけど、暫定球打たずにだいじょぶだろうで行ったら、途中でダメだと言われた。その引き返す時の彼の心境考えたら、もうやめたいわけだ。自分にはプレーする気力が残ってないと。

 だから一緒に回ってた鈴木選手にね、もう俺はここで棄権するよと、打ち直すはやだと言ったらしいんだ。そしたら鈴木プロが、いやそんなこと言わないで打ってきてくださいよって言って、それでまあ彼は打ち直しに戻って、ホールアウトして、予選に遥か及ばないスコアで帰っていったんだ。

 だからその中日クラウンズの16番ホールのショットを僕は見てるから、あの14番ホールで左に飛んでったってのは、僕にはすごくわかるんだ。その映像が、中日クラウンズの16番ホールのティーショットとダブるから。そう考えると、合田が言ったことは本当なわけだね。OBに向かってボールが飛び出したというのは本当。ただし佐々木が言ってる、スタンスは1発目から8発目まで同じ向きでしたっていうのもわかるんだ。それは・・・今日はワトソンのおかげで長くなってしまったから、続きは明日(苦笑)


(1999.5.22掲載)

だからトライし続けた

 日本プロ2日目、マッシーは13番ホール終わって9オーバーで、残り5ホールで2つスコアを縮めなければ予選通過が難しい状況だった。そして14番ホールのティーショットでOBかどうかわからないようなボールが出た。この段階で彼の心の中では予選通過は99.9%あきらめたと思う。

 となると、あと残るのは、彼のプロゴルファーとしてのプライドを守ること。それには1発目と同じ狙い方をして、自分が頭に描いた球を打つことなんだ。だから佐々木の言ってることも本当なんだ。要するに、1発OBしたからあなたは右に打ってダボで、11オーバーになって予選落ちすればいいじゃないかっていう考えではプロは生きてない。9オーバーで2つ縮めなければいけない。そしてそのドライバーショットに賭けた。それが失敗したとしても、2発目だって同じトライをするんだ。

 僕がプロに成り立ての頃、プロになって2、3年目、1977年か、1978年だったかな。アメリカへ行って帰ってきて、播磨カントリーで日米対抗があったんだ。その時に僕は同じ方向に3発OBを打った。当然意識してじゃないけどね。ましてや日米対抗は団体戦だしね。

 そのOBを3発打ったという話を杉原さんが聞いた時、同じ方向に3発打てるんだったらたいしたもんだっていうふうに言ってくれた。自分としては3発もOBを打って、みんながへたくそだなぁとか、プロらしくないなっていうふうに思ってるのかなってちょっと思ったんだ。でもその杉原さんの言葉を後から聞いて、すごくうれしかった。

 8発っていうのは確かに多い。でもマッシーとしては、倉本としては、プロとして、自分のプライドを守る球を打てるか打てないか。それがもう彼に残された唯一の道だったわけだ。だからそれにトライし続けた。で結局それができなかった。

 これはマッシーは自分では言ってないんだけど、彼はちょっとショットイップスの気がある。ショットイップスは僕の弟もなった。他にも優秀な選手でもなった人がいる。突然球がばっと曲がっちゃう。そういう中で彼は、自分が思った、自分のプライドを守る球を打とうとし続けてったんだ。


(1999.5.23掲載)

それはあり得るんだってわかる

 マッシーが1球目も2球目もどこで暫定球の宣言をしたかわからないけど、打った段階で自分がもう失格に値するぐらいのプレーをしてしまったとなった時・・・これはね、どっかの新聞が書いていたんだけど、プレーできる精神状態じゃないということで棄権したけど、前代未聞、こんな話があるか? なんて感じで書いてたんだ。

 肉体的なケガっていうのは見える。切り傷とか、あるいは骨折だとかは見える。でも打ち身だとか、捻挫だとか、見えない痛みというのもあるよね。まして心の痛みなんてもっと見えないものだよね。自分の精神がずたずたになって、自分のプライドも守れなかった。それが、その記事を書いた記者には見えなかったんだろうね。でも、もうプレーできる状態じゃないっていうのは、僕は選手としてわかる。

 こういうことが1つあった。これはよく覚えておいてほしいんだけど、1997年のトミーチャレンジツアーが三重県の津カントリーであった。その時に女子の選手も何人か来てた。でラウンド後に、その女子のグループとして一緒に回った選手達の中から裁定を仰がれた。これはどうしたらいいんですか? 何ペナルティなんですか? 何ペナルティでどういう罰なんですか?と。僕もその問題を聞いた時には絶句したけどね。

 どういうことが起こったかっていうと、自分のボールをグリーン上でマークするよね。100円玉か500円玉かは知らないけど、ある女の子が緊張のあまり、そのマークしたコインを打ってたんだ。コインを打って、行かない行かないって言ってたと。わかるかな?この状況。その子は緊張のあまり、マークしたボールを元に戻すのを忘れて、そのコインがボールだと思って打ってたんだ。これホントの話、本当の事件。

 この事件でもわかるように、すごいプレッシャー、あるいはパニックっていうのはものすごいことなんだ。ブライアン・ワッツだってパニックじゃなければ、あんな海に打たなかったわけだよね。もっと一般的に考えれば、交番でクダを巻いてる大トラがいるでしょ。あの人達普段そんなことする? 素面じゃできないよね。

 ゴルファー、しかもチャレンジに出てくるような、プロを目指してるゴルファーがパニックになったら、そんなコインを打っちゃうなんて嘘でしょという人がいるかも知れない。でもそれはあり得るんだって僕はわかる。

 なぜかっていうと、僕もショットイップスじゃないけどパットイップスになった。自分の頭の中で、どれだけ考えても、どれだけ練習しても出ないのに、上りの1メートル、その1メートルのパットになった時に手のパニックが出るんだ。それが起こり得るんだね。


(1999.5.24掲載)

“バカな”が起こり得るのがゴルフ

 倉本自身、日本プロじゃなければこうは書かれなかったと思う。普通のトーナメントだったらこんな書かれ方もされなかったろうね。いろんな問題があって、2つの車輪になった。そういう中で、PGAがやってる試合でこういうことにはなりたくなかったと思う。

 でも倉本が8発ティーショットをそこで打ったっていうのは、ワッツとは違うケースなんだ。ワッツは明らかに海に向かって、グリーンの脇からスプーンで打っちゃったりとかそういうことをしたわけだよね。でも倉本はそうじゃない。あそこのドライバーは考えられることだと。

 で1発目からずっと同じトライをしてった。トライ、要するに同じルートを狙って同じ攻め方をしてった。もう自分のプライドと戦ってたわけだ。確かにそこまでするのは恥ずかしいことではある。8発も打つ。自分の狙った球を1、2発でそんなもの克服しろよ、1、2発でちゃんと打てよ、8発も打つなんていうのはそれは論外だよと。そう思えるよね。

 まあゴルファーってのは、競技者っていうのかな、やっぱりすごくプライドが高い。その1球に言い換えれば、その1発に自分の今のすべてを賭けられるんだね。それが自虐的になる時もある。確かにワッツみたいにね。でもそういうケースじゃなくて、彼の14番ホールの8発というのは、自分のプライドとの戦いだったわけだ。

 昨日書いた津カントリーであったトミーチャレンジツアーのその女子の選手はね、まるで裁判にかけられてるみたいだった。自分はなんてことをしたんだ、自分はゴルファーに向いてないんじゃないか、自分は競技者に向いてないんじゃないか、という感じですごく悲壮だった。

 マークしたボールを戻さずにコインを打っちゃうわけだからね。そんなこと誰が考えたってするわけないじゃない。100人いたら100人が、そんなバカなって思うだろうけど、その“バカな”が起こり得るのがゴルフなんだ。で僕はその子に言ったんだ。自分もあったよ、自分はコインを打ったわけじゃないけど、緊張のあまりドロップする、あるいはプレーする場所、カジュアルウォーターでプレーする場所、そういうことでてんてこまいしたことがあったと。その経験談を話してあげた。

 自分でも、そういうプレッシャーの中で、わけがわかんないことをしたことがあるんだから、そのプレッシャーを経験として活かしなさいっていう話をしたんだ。


(1999.5.25掲載)

そこをよくわかってほしい

 昔、トミー・ボルトっていう有名な選手がいた。その選手がラウンドして18番ホールに来た時に、バッグにクラブが14本中2、3本しか残ってなかったっていう有名な話がある。ボキボキ折っちゃってね。それだってまともだったら、冷静だったら折らないと思うんだ。

 キャディに6番アイアンって言ったら、6番アイアンは何番ホールの何打目で折りました、じゃあ7番、7番は前のホールで折りました、じゃあ何番があるんだ? これとこれとこれしかありません、じゃあそれでいい、とかいう感じだったらしい。

 だからそういうこともあって、まあ僕自身も今回の事件を当事者としてそこを見てないし、何も現場を見て判断するわけじゃないから、僕が判断する材料っていうのは佐々木選手の話と合田選手がどう言ってたかっていうのをあるゴルフ記者から聞いた、その2つの話から自分が選手としてそれを診断するとこうだったろうなっていうふうに思うんだ。

 それがクラウンズの16番ホール、18番ホールのプレーから想像できる。あぁ自分が狙ったよりひっかけたんだろうな。ひっかけたというよりも、とんでもなく左に出ちゃったんだろうなと。

 もう倉本自身はギリギリのとこでプレーしてる。現実、倉本昌弘っていう優秀な、ほんとに才能あふれる選手だったわけだ。日本アマも勝ったし、鳴り物入りでプロになって、彼の活躍してきた足跡っていうものは、あえて言う必要がないぐらいみんなよく知ってる。その彼がいまギリギリのところでプレーしている。だからそこをよくわかってほしいなっていう気持ちがあるんだ。

 選手会のことでも、基本的に彼が選手達のことでも、新しいツアーのことでも、彼自身がやっぱり動かないと他にあそこまで動ける人間はいないから、どうしても負担がかかる。そういう点では好きでやってるっていう人もいるかも知れないけど、誰が好き好んでやってるかっていうことも事実としてあると思うよ。


(1999.5.26掲載)

1発で決めちゃおうとする

 もう1つ話を膨らませると、尾崎健夫選手。彼とはまったく同じ昭和29年生まれで同期なんだ。日本プロの初日2日は一緒だったんだけど、このジェットのプレーっていうのは、ほんとに勇気づけられるっていうか、自分自身、彼をある意味で尊敬できるぐらい偉いなって思ったね。

 彼は病気のデパートって言われるぐらい、膝を悪くしたり、肩を悪くしたり、あちこち悪くしてきた。イップスにもなった。でいま長尺のパター使ってる。要するにそういう体もよくない、技術にも不安を抱えてる、でもあそこまでがんばってるっていうのはほんと、中嶋見習わなきゃいかんぞっていう気持ちが強く出るね。

 それはやっぱり彼自身が、自分の肉体、その中で肉体の障害を克服して、でイップスをっていう不安を抱えながらも、それを乗り越えるだけの普段の練習があるってことだね。そしてショットを彼はすごく大事にしてる。だから彼が普通の並以下のショットの内容だったら、とてもとても予選すらも通らないと思う。

 でも彼はドライバーショットにほんとに磨きをかけて、そしてアイアンもアプローチもすごいテクニックを駆使して、テクニックっていえば聞こえはいいんだけど、ほんとに自分のギリギリのところで、薄氷を踏むような・・・うーん、なんて言ったらいいだろう。

 要するに再現性の高い次元のスイングっていうのは、これはデュバールだとか、強かった時のジャンボだとか、あるいはタイガーのマスターズにしてもそういうものだよね。でも彼の場合、再現性が高くないから、ある意味では出たとこ勝負なんだ。だから彼のショットとかパッティングを見ると、ゴルフの中でいちばん再現性の高い高度なショットっていうのがドライバーなんだ。大きな物になればなるほど高い。

 グリーンに近づけば近づくほど再現性が低くなっていくわけだけど、それをもう居合い抜きじゃないけど、1発で決めちゃおうとする。それの才能、テクニック。やっぱりね、ほんとあぁがんばってるなっていうのが僕のほんとの気持ちだったね。だからやっぱり今回の日本プロでは健夫に、なんとかほんとがんばってもらいたかったし、それが自分が勝つことみたいにうれしいことだったね。


(1999.5.27掲載)

実のある2日間

 やっぱり健夫ががんばってくれると、あぁ僕ももっともっとがんばらなきゃっていうか、健夫がんばってるんだから僕もがんばれるっていうような気持ちになる。まあ勝てなかったからなれないっていうことじゃなくて、健夫がここまでがんばってるんだから、僕もがんばれるよっていう、ほんとうれしい気持ちでいっぱいだった。だからほんと勝って欲しかったね。

 なんか3番ホールで短いパット外してから、感じがわかんなくなっちゃったっていうことらしいんだけどね。やっぱりみんな苦労してるけど、特にマッシーとかジェットっていうのは、ほんとに大きな苦労を抱えてるけど、それにもましてやっぱりチャレンジャーだね。

 まあ初日2日、ジェットと一緒に回って、トミーもすごくショットいいじゃない、ドライバー、ぐいぐい来てるじゃない、とか言われて、そうなんだよ、後はだからほんとカップに近づけば近づくほどスコアを無駄にしてるから、ここをもう少し無駄にしなくなったらいいんだけどなぁなんて話をしてね。まあほんと楽しい、楽しいっていうか実のある2日間、初日2日を過ごさせてもらったっていうのが、印象だったよね。

 やっぱり追いかけてる選手の直道っていうのは、彼も実際問題、パッティングにトラブルを抱えてるよね。でもトラブル抱えてながらも、アメリカのツアーでやってるその経験、あるいはもまれてきた彼の底力。それが今回の難易度の高い、硬い、早い、傾斜のきついグリーン、そして14本のクラブを全部使うようなゴルフ場、トーナメント会場でやったから、彼がきたんだろうね。

 だからやっぱり直道が勝った。でやっぱりジャンボにしてもそうだし、健夫にしてもそうだし、やっぱりこれがほんとに変なコースだったら、要するに変なセッティングだったら、こんなメンバーは出てこないよね。


(1999.5.28掲載)

彼にとって必要なこと

 日本プロではちゃんと上に来るメンバーが来たと。だからそういう点で、コースのセッティングがいかによかったか。不満のある選手もいたらしいけどね。こんなのぉ?とかそういうのもいたらしいけど、実際はそういう声は自分の胸にしまって、秘めてやらないとね。そんなものはいいわけにしかならないんだから。

 全員同じ状況でやってるんだし、ましてカップにいったボールが戻ってくるっていうような傾斜は1つもないんだし。カップについたボールが戻ってきて入ったとか、カップに届こうっていうボールが戻ってきて自分のところまで戻ってきちゃったとか、そういうケースはないんだからね。やっぱりそんなことを、泣き言を言う選手はそこまでで終わっちゃいますよって言いたいね。

 がんばりますよぉ。ほんとにもう中嶋はがんばります。みんな余裕のあるところでゴルフしてるわけじゃないし。やっぱりみんな問題抱えてやってるわけだから、ジェットの活躍を励みにがんばるよ。

 もしこれを倉本が見てるんだったら、倉本選手もね、ジェットのがんばりを励みにしてがんばろうって感じだね。まだまだネクタイしてブレザー着るのは早いよと。僕は、な〜んか彼の心の中でどっかそういう、もう引退の二文字は出てると思う。でもしてほしくない。やっぱり強い選手だったんだから、またそこへ戻ってくるっていうのが彼にとって必要なことだしね。

 だからそんなくだらない二文字は消してがんばろう、がんばれ!って。でもがんばれがんばれって、自分であんまりプレッシャーかけずにリラックスしてがんばれって感じだね。やっぱりあのジェットにしてもそうだし、マッシーにしても僕にしてもそうかも知れない。やっぱり天才肌の人間だったでしょ。どっちかというとひらめきとか才能とか感性とかでしてるゴルフだったから、やはり組み立て直すっていうのが、変身するのがすごくたいへんっていうところは実際あるけどね。

 とにかく僕のほうは今、が治まらないとちょっとつらい。たぶんこれ風邪が発端ではあるんだけど、毎年この5月ぐらいに咳で苦しむから、ひょっとしたらなんかのアレルギーかなっていう気もするんだけどね。

 体調的にはすごくいいんだ。咳だけ。咳が出てしゃべり方が苦しそうに聞こえるから、すごく体調が悪そうに感じるんだけど、ぜんぜんそんなことなくて体調はすごくいい。ただ咳が出るからちょっと横隔膜とか使うんで、背筋とかがちょっと痛くなる時はあるけどね。まあなんとか早く直してがんばりますよ。


(1999.5.29掲載)

そろそろ次のステップ

 ここんとこ赤字ばっかりだねぇ(苦笑) やっぱり一試合の経費はだいたい40万円ぐらいかかるんだ。飛行機代でしょ、それから食事だとか、あるいはキャディフィ、プレーフィ、その他もろもろっていうと、そうね山口とか石川だとかいうと、だいたい40万円ぐらいかかる。

 そうなってくると25万円の賞金もらってもじゃぜんぜん足らないんだね。だから1カ月に最低でも、やっぱり4試合あれば4×4=16、160万円ぐらい経費がかかると。そうするとそれ以上稼がないとどうにもなんないんだよね。ちょっとシビアにがんばります・・・ってがんばってはいるんだけどね。

 みんなゴルフやってるから言うわけじゃないけど、やっぱり風邪っていうのはみんな気を付けたほうがいいよ。風邪ひきながらゴルフするとほんとつらいから、ちゃんと風邪はしっかり直そうね。

 さてこの後は、来週の東北、それ終わって1週試合がなくて、よみうりはやっぱり出る。よみうり出てミズノ出て、フィランスロピーがなくなったところで屋形船やって、広島出て、また1週試合がないと。キリンからずっと連戦してきてるけど、連戦することよりも、予選落ちるとよけい疲れるんだよね。

 で政策委員会が6月はよみうり終わった週にあるんだけど、やだよねぇ。大阪まで行ったら、次が岡山なんだから連続して行きたいじゃない。なのになんで東京まで戻らなきゃいけないのかなぁと思うとやんなっちゃうよね。

 それはともかくとして、話がちょっと前に戻っちゃうけど、質問ももらってる宇部の話をしましょう。宇部の初日は午前中8時26分のスタートだったんだけど、終わってからコーチの井上君と練習場で3時間ぐらいいろいろやってたんだ。で彼に、そろそろ次のステップにいってもいいですねって感じで言われた。

 なんだよそれ教えなかったのかよぉ〜って言ったら、だってプロ言わなくていいって言ったじゃないですか、言わなくていいって言ったって頃合を見て言うのがコーチだろぉ〜って感じでね(笑)

 なんか左手がちょっとフォロースルーで引けるんで、自分がフェードと思ったやつがスライス系になったり、あるいはまっすぐと思ったのがピンの左にひっかけ気味に乗ったりするじゃないですかって言うから、ちょっとフォロースルーのリリースの方法を変えてみたんだ。それが2日目のいい結果につながったというか、まあ続きは明日にしましょう。


(1999.5.30掲載)

その熱く燃えるもの

 宇部ではOBの乱発でした。もう安い手形の乱発みたいなもんで、なんだかもう6発も出ちゃったよ。初日はOB2つで、3パットも出たし、けっこう苦しんだね。

 しかしほんと体が重かったね。水木とほんとにきつかった。ずっと咳が出てるから、やっぱり横隔膜の収縮が激しいっていうのかな。けっこう脇腹が痛いっていうか、脇腹と腰が少し張ってるんだ。だからスイングが少し重くて、体にキレがなかったかなぁ。でももうちょっと積極的にプレーしたいね。

 初日は横尾要細川と回ったんだけど、インコースから出てアウトに折り返してアウトの3番ホールで、要が2段グリーンの奧にのっけたんだ。その2段グリーンの奧も絶対寄らないようなパット。でもそこにピンを切ったのがいけないなっていうようなピンなんだけどね。そこにピン切ってあったらグリーンに乗らなくても手前がいいぞという感じ。

 で案の定ファーストパット打ったら7メートルぐらいオーバーしちゃった。ファーストパットが8メートルぐらいで7メートルぐらいいっちゃった。で3パットのボギーで思わずそのボールを林に向かって放り投げたんだよ。

 でそのボールを放り投げたのを見て、決していいことではないし、ほめられることでもないんだけど、うらやましいなと思った。その熱く燃えるもの。林に向かってボールを投げるっていうのは決していい行為じゃないけれど、自分の年齢では到底できないし、やろうとも思わないその行為、まあそんなところにのっけるのが悪いんじゃないかと思っちゃうからね。

 でもそういうようなことっていうのは、やっぱり20代だったら、なんでこんなとこから3パットするんだとか、こんなとこにのっけちゃったんだとか、すごくささいなことで熱くなるよね。その熱くなることがすごくうらやましかったね。ちきしょー、僕にはこの熱さがないのかぁ〜とか思ったりしてね。


(1999.5.31掲載)

炎の特訓3時間

 三菱米山君ついに初優勝したねぇ。まあこっちはまだ宇部の話だから、その話はまた後日しましょう。

 宇部の初日、18番ホールOB、6番ホールもOBだった。前半2オーバーで、2番ホール行ってボギーで3オーバーになって、4番ホールバーディ取って、5番のミドルホールがグリーンのエッジだったんだ。でアプローチで10ヤードぐらい。それが2メートルもショートしてさ(苦笑) あげくの果てにそのパットがカップの手前で止まるんだ。2メートルのパットがオンラインの手前で止まってむか〜とくるわけだ。

 で6番と7番ホールはチャンスチャンスなんだけど、6番ホールが左からのスライスアゲンストだったんだ。このホール、ワンオンしそうなホールなんだよね。実際、これをぴしーと、がワンオンしたんだ。要がワンオンするんだから僕も距離的には届くから、狙っていったら当たり損ないでね。球がどんどん右に切れていってOB。

 で打ち直して、OB・バーディで上がったからボギー。あ〜あと思いながら次のホール。ティーショットど真ん中。ロングホールで、残りフロントまで160ヤードなんだ。よーしこれピンまで176ヤードぐらいだからと思って、7番アイアンでぽんと打った。ティーショットがフォローで、セカンドが右からのフック風なんだ。

 で7番アイアンでピンの右5、6ヤード狙って打ったんだ。これがとんでもない。ピンの右5、6ヤードのつもりがピンの右15ヤードの林の中に向かって飛んでくんだから。うわー!って感じで、なんてことをしてくれるんだ!って自分に向かって言って・・・で、ただのパー。もう終わってから炎の特訓3時間!!

 今回の宇部のコースっていうのはすごくおもしろいって言ったら変なんだけど、あまり好意的でないおもしろさって感じだったね。